2025/8/3-2025/8/15

人工知能理論・その1・定義の階層(2025年8月版)

現時点までの当ホームページの、
人工知能理論における様々な考え方を一通りおさらいして、
今後の課題や新たな問題点の抽出を試みる事にする。

非常に長くなると思うので、構成分けして何度かに渡ってお送りする。

最初に出来るだけ簡潔にまとめ、
以降に内容の詳細を記載する。

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定義の階層について:

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まずは強い人工知能を構成する為の基本的な考え方として、
「定義の階層」から。

現在「定義の階層」の考え方は、
当ホームページの人工知能理論においては、
強い人工知能を構成する上で、
最も根底に位置するのバックボーンとなる考え方となっている。

定義の階層は、分かりやすく言うと、

ある実体や事象、現象が現れるのは、
必ずその対象が現れるための定義や決まりがある、
という考え方になる。

つまり、理由や定義も無く、事象が現象が起こったり現れることは無く、
そこには必ず「決まり(定義)」がある。
また、
実体や事象、現象は決まりによって現れる「存在」である。
という事になる。

決まり(定義)→事象や現象(存在)

こういうことになる。

「定義」は自然法則であったり、遺伝子のコードであったり、シナプス接続のパターンであったり、
様々な形態をとる。
「存在」も同様で、物体であったり光子、重力、エネルギー、知能や刺激なども存在として扱っている。

また、階層構造であるために、
上位と下位の概念があり、

上位(または先行する存在や定義):
・・・
↓----
存在→定義
----↓
定義←存在
↓----
存在→定義
----↓
・・・
下位(または後行する存在や定義):

このような階層的構造を取るという考え方になる。

そして、存在が定義を持つ場合、
(存在→定義)として、
定義が存在に属すると考え、
この「(存在→定義)」のセットから、
下位の存在が作られる事になる。

つまり、上位の存在から下位の存在が現れるのは、

(存在→定義)→存在

というように、定義から直接存在が構築されるのではなく、
あくまで上位の存在と、その存在に属する定義によって、
下位の存在が構築されるという事になる。

つまり、基本的に存在と定義は、
どちらが先にあるべきもの、ということはなく、
定義があるから存在し、
存在は定義によって現れる、
という互いに補完し合うものという事になる。

そして、結果的に、

・・・→存在→定義→存在→定義→存在→定義→存在→定義→・・・

この様な階層構造を作る事になる。

後述するが、階層の起点や終点は厳密には定義できない。
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知能と世界と定義の階層の関係:

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定義の階層の考え方において、
知能がこの「定義と存在」を扱う際、
知能は自身が持つ定義で、
自然界を世界という存在であると現すことになる。

つまり、自然界にとって数階層下位の存在である知能は、
その下位に「世界」という存在を作っている事になる。
この関係の発生は上位の定義に従っている知能の機能としか言いようが無いのだが、
知能はこの関係によって「世界」を認識できるようになったと言える。

まず、自然界の定義から人間が現れ、人間の機能の定義として知能が現れたと考えられるので、
「定義の階層」の考え方としては、以下のような関係ができる。

自然界(存在)→人間の定義(定義)→人間の実体(存在)→人間の機能の定義(定義)→知能(存在)

そして、知能はその有する機能において、
後天的に定義を自ら構成することが出来る。

つまり、後天的に下位の存在とその定義を作り出すことが出来る。

知能(存在)→定義→存在

そして、この関係で作り出す「存在」は、
知能が自然界の存在に対する場合、独自の定義で存在させるものであり、

自然界(存在)→人間の定義(定義)→人間の実体(存在)→人間の機能の定義(定義)→
→知能(存在)→知能の定義(定義)→知能が存在させる自然界の世界(存在)

このような関係になる。

この時、上位の「自然界(存在)」と下位の「知能が存在させる自然界の世界(存在)」は、
意味合い的には同じものを指すのだが、存在としては異なる。

以下の独自の用語については、個別に参照してもらいたいが、

上記の自然界と知能の定義の階層の関係、

自然界(存在)→人間の定義(定義)→人間の実体(存在)→人間の機能の定義(定義)→
→知能(存在)→知能の定義(定義)→知能が存在させる自然界の世界(存在)

は、人工知能理論の考え方で表し直すと以下の様になる。

自然界(存在)→人間の定義(定義)→人間の実体(存在)→人間の機能(感覚)の定義(定義)→
→知能(存在)→先天的定義(定義)→刺激や概感(存在)→後天的定義(定義)→
→事象再生の場における仮想体(存在)

つまり、「自然界(存在)」と「知能が存在させる自然界の世界(存在)」は、
似て非なるものであり、当人工知能理論の考え方としては、
自然界を知能が定義しなおして世界を存在させている事になる。

また、この考え方は、1つの自然界に対して、
知能毎に個別の自然界を解釈した世界が存在する事を示唆する。
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以下は「定義の階層」の内容の詳細な解説。


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世界の階層:

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世界の階層構造は、例えば世界を「存在」の全体集合のようなものとして考えた場合、
要素である「ある存在」が自ら作り出す部分集合との関係のようなものである。

この場合、この「ある存在」は知能であり、
全体集合の世界の各要素に対し、部分集合の要素の仮想的要素を作成する。

上位←→下位:
・・・→身体→定義→知能→定義→存在→定義→存在→定義→・・・:上位
----------↓---------------------↑
---------定義---------------------
----------↓---------------------↓
--------仮想的要素-------------------:下位

そして、この仮想的要素の集合が、
知能が仮想的に構築した「仮想的世界」という事になる。

この場合の、自然界と仮想的世界は、
世界の階層的に言えば、

上位の世界の「自然界」、
下位の世界の「仮想的世界」
という事になる。
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疑問:この考え方は構成主義か?実在論か?:

当人工知能理論の考え方においては、
定義や存在は、
定義や決まりを優先した構成主義でも、存在を優先した実在論でもない。

「階層的構造論」とでもいう考え方になる。

つまり、知能が体験を経験として後天的に定義し記憶出来る事は、
構成主義でも実在論でもない考え方という事になる。

そして、知能の様に自ら定義を構成する機能を持つ存在は、
定義を組み合わせる事で存在を定義し、
世界を階層化させることまで出来る存在である。
という事になる。

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二面性理論との関係:

二面性理論は「421:二面性理論」を参照してもらいたいが、
定義の階層との関係においては、

定義の階層における、

存在→定義→存在

定義→存在→定義

この階層の連続性は、
二面性理論で言えば以下の様に、

存在:(定義):存在

定義:(存在):定義

このような二面性が成り立つ事になる。

つまり、
ある「定義」が成り立つなら、
上位の存在と下位の存在が在るはず。
また、
ある「存在」が成り立つなら、
上位の定義と下位の定義が在るはず。

という事になる。

ただし、「421:二面性理論」にも書いてあるが、
「定義の階層における二面性理論の適応範囲」として、
「定義の階層」の考え方自体が、人間と知能の能力に限界があるため、
「自然界(存在)」から「後天的定義(定義)」までの範囲の適用に限られることになる。

つまり、
自然界(存在)を成り立たせている上位の定義(一面だけ)について推理したり、
または、
知能の後天的定義(定義)で仮想世界を見る(一面だけ)事までは出来るのだが、
どちらもその階層の先を明記したり証明する手段が無いので、
この範囲までが、人間の知能で定義の階層を二面性理論で理解する限界という事になる。

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疑問:自然界の上位の世界とは何か?:

実際に自然界の上位の世界が存在するかどうかさえも分からないのだが、
人間が上位の世界・自然界の定義で構築された存在であり、
人間にとって自然界が人間の定義で理解できる上位の存在であるのなら、
さらに自然界の上位の世界が存在する可能性もある事になる。

つまり、自然界が実際に存在し、その定義で人間が実際に存在しているのなら、
その階層を逆に遡れるのであれば、
自然界を何らかの定義で存在させている自然界の上位の世界もあるのではないか、
という考えに至る。

定義の階層の考え方において、世界を構築できるのは知能のように、
自ら定義を構成できる存在と考えれば、自然界を全体集合ではなく、
部分集合と考えると、さらに上位の全体集合の世界の可能性や、
自然界自体が知能のような定義を構成する能力を持つ存在と考える事までできる事になる。
ただし、これは人間には定義できる階層の限界を超えるものであり、
現時点では定義不能としか言うことが出来ない。

ただし、
人間が自身で持つ「定義」によって、自然界を理解することが出来るのなら、
人間が自然界の上位の世界を理解しようとした場合、
もし、人間が自然界の存在と定義を全て理解し、定義できれば、
さらにその1つ上位の自然界の上位の世界の存在を理解可能になる「可能性」は生じるはず、
という事までは言える。

ただし、現時点で言えるのは、
自然界の上位の世界も存在するかもしれないが、
人間にはまだ理解が及ばない。
そして、現時点で人間が、その全てではないが理解が及ぶのは、
人間にとっての直接の上位の世界である、自然界までであるという事になる。
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疑問:定義の階層の下位の限界はあるか?

人間の知能の能力としての限界によって、
人間の知能にとっての定義の階層の限界はある事になる。

ただし、自然界において人間が自身の定義で知能に類する存在を定義し構築した場合、
その知能に類する存在が自ら新たな定義と存在を構築する可能性が生じる事や、
自然界自体が仮想的世界を構築している可能性も無いとは言えないので、
下限の定義の明記は難しい。

ただし、知能が構築する仮想的世界は、
知能が定義できるのは知能を持つ実体が受容可能な情報によって定義できる存在、
つまり、上位の世界の存在に対してのみ定義できるので、仮想的世界の定義の下限は存在する。

つまり、知能が保有する定義の上限があるなら、その定義の組み合わせのみ新たな定義として構成できるので、
この定義から構築される存在は有限という事になる。
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疑問:ある存在にとって上位の定義が不変でなく可変である可能性はあるか?

もし上位の定義が可変である場合、下位の存在はその定義の変化に対して、
その定義で存在する事象や現象に対して関連するあらゆる事象や現象が動的に変化して対応しているか、
下位の世界そのものが上位の定義の変化により崩壊する事になると考えられる。

自然界と人間の関係において、現時点では定義と存在の関係に崩壊は起こっていないが、
動的に変化している可能性はある。ただし、絶対にあるとも言えない。
つまり、人間もその定義の変化に動的に対応している可能性があるので、
現時点では、その変化に気付いた記録が無い為、人間には分からないとしか言いようがない。

例えば、人間が気づかないだけで、時空が膨張や収縮を繰り返していても良い事になる。

下位の存在は、その下位の存在が独自に持つ定義でしか上位の定義や存在を理解するしか方法が無く、
さらにその上位の定義や存在を理解する為には、
下位の存在が関係する直近の上位の定義や事象の全てを定義して理解できない限り、
ほぼ不可能であるため、
この考え方を定義している私自身が言うのもおかしな話だが、
「分からない」としか言えない。
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疑問:「上位の定義→下位の定義」や「上位の存在→下位の存在」が直接関係する可能性はあるか?

仮定で言えば、
例えば「自然界に生命が発生した理由と、生命が知能を持った理由」において、

自然界(存在)→生命の定義(定義)→生命(存在)→知能の定義(定義)→知能(存在)

このような定義の階層がある場合、

「生命の定義(定義)→知能の定義(定義)」を「発生した理由→持った理由」の関係性として、
生命や知能抜きにして定義する事や、
「生命(存在)→知能(存在)」を「生命の発生→知能の保有」の関係性として、
理由抜きにしてこの事象が起こる事になるが、

ある定義を別の定義として直接変化させる事や、
ある存在を別の存在として直接変化させる事はできないと考えられる。

後述するが、情報の形態が異なるため、直接関係することは無い。
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定義の階層の考え方の例:

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自然界の中の人間の存在は、
自然界(存在)における自然法則(定義)に従って、
生命として構成された1つの種として人間が存在する事になる。

この場合、

自然界(存在)→自然法則(定義)→人間(存在)

このような階層となる。

そして、存在や定義は、その対象毎に特定の存在と定義で構成されることになるが、
それらの1つ1つの要素は、階層をさらに細かく分ける事もできる。

自然界(存在)→自然法則(定義)→人間(存在)

この人間の存在を定義する自然法則であれば、
人間を構成する主な要素として水、有機化合物、無機物質、として考えれば、

自然界→定義→水→定義→人間にとっての水
自然界→定義→有機化合物→定義→人間にとっての有機化合物
自然界→定義→無機物質→定義→人間にとっての無機物質

であり、

自然界(存在)→自然法則(定義)→人間(存在)

は、

自然界(存在)→自然法則(定義)→水+有機化合物+無機物質(存在)→生命(定義)→人間(存在)

このような定義の階層が考えられることになる。

そして、有機化合物の内、タンパク質を個別に考えれば、

自然界→定義→素粒子→定義→原子→定義→分子→定義→アミノ酸→定義→タンパク質→定義→人間にとっての有機化合物

として考える事もできる。

つまり、

自然界→定義→有機化合物→定義→人間にとっての有機化合物

この自然界と人間の間の関係を結ぶ定義の階層の「有機化合物」は、

自然界→定義→素粒子→定義→原子→定義→分子→定義→アミノ酸→定義→タンパク質→定義→人間にとっての有機化合物

における

素粒子→定義→原子→定義→分子→定義→アミノ酸→定義→タンパク質

この部分と一致する事になる。

つまり、

自然界→定義A→有機化合物→定義B→人間にとっての有機化合物

とした場合、

定義Aは自然界の内にあり、有機化合物を構成するための要素の定義であり、
定義Bは有機化合物の内にあり、人間を構成するための要素の定義という事になる。

また、
「素粒子→定義→原子→定義→分子→定義→アミノ酸→定義→タンパク質」
これは、
定義の前にある「存在」は、
それぞれが定義の後の「存在」を構成するための要素を含む「存在」であることになる。

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存在と定義の関係:

定義は存在を構成する決まりであるという事。
つまり、定義→定義にはならないという事。

定義は上位の存在に属するものであり、

(存在→定義)これが1つのまとまりであり、

この定義から下位の存在が構築される可能性があり、
そして、実際に下位の存在が構築された場合、

存在→定義→存在

この関係が成り立つ。
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世界の階層の差と定義と存在の関係:

上記の通りだが、「世界の階層」は、
知能が定義を用いて世界を構成する時に世界の階層の位が変わるという事。

つまり、世界の階層と定義の階層は意味が異なるという事。
ただし、関係が断絶して分離するわけではなく、
イメージとしては上位の世界を集合とした場合、
下位の世界は部分集合という事になる。

つまり、

上位の世界に属する、下位の世界を構成する定義がある場合、
下位の世界を構成する定義により、下位の世界が構築される可能性があり、
実際に、下位の世界が存在として構築された場合、

上位の世界→下位の世界を構成する定義→下位の世界

この関係が成り立つ。

そして、世界の階層位において、
下位の世界を構成する定義により、下位の世界の事象や現象が存在として現れる場合、

下位の世界を構成する定義(定義)→下位の世界の事象や現象(存在)

この関係が成り立つ。

また、下位の世界の事象や現象(存在)が、定義が生じ、
この定義によって存在が構築される場合、

同じ世界の階層位において、

下位の世界を構成する定義(定義)→下位の世界の事象や現象(存在)→定義→存在

この関係が成り立つ。

つまり、世界に属する定義は、世界の境界(定義)を跨ぐことが無い限り、
同じ世界の階層位に属する事になる。

この場合、同じ世界の階層位に属する存在は、
互いの存在を別の定義で関連付けることが出来る。

つまり、世界の同じ階層位にあれば、
存在が定義を用いて存在を構成するだけでは階層位は変わらないという事になる。


図で表すとこのようになる。

階層(上位)→→→→→→→→→→→→→→→→→階層(下位)
世界の存在(上位)→→→世界の定義→→→→→→世界の存在(下位)
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
定義A(上位)□□□□□□□□□□□□□□□□定義C(上位)
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
存在A(上位)□□□□□□□□□□□□□□□□存在C(上位)
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
定義B(下位)□□□□□□□□□□□□□□□□定義D(下位)
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
存在B(下位)□□□□□□□□□□□□□□□□存在D(下位)
以下続く

つまり、ある世界の階層位には、世界を構成するに足るだけの事象や現象の定義が属しており、
この定義に従って世界は事象や現象から構成され、「存在」する事になる。

また、上位の世界が下位の世界を直接定義するのではなく、
下位の世界は、上位の世界に属していた「存在」が、
自ら上位の世界に対する定義を得る事で、世界の階層位が分かれる事になる。

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この下位の存在が上位の世界の存在を定義する事は以下で説明する。
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下位の世界の存在が、上位の世界の存在を定義して理解・解釈することはできるという事。

例えば上記の表の場合、

階層(上位)→→→→→→→→→→→→→→→→→階層(下位)
世界の存在(上位)→→→世界の定義→→→→→→世界の存在(下位)
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
定義A(上位)□□□□□□□□□□□□□□□□定義C(上位)
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□存在C(上位)
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
存在A(上位)←←←←←←←←←←←←←←←←定義E

存在Cは、定義Eを用いて、上位の世界の存在Aを定義することが出来る。
ただし、上記の表のように直接定義ができるわけではなく、

階層(上位)→→→→→→→→→→→→→→→→→階層(下位)
世界の存在(上位)→→→世界の定義→→→→→→世界の存在(下位)
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
定義A(上位)□□□□□□□□□□□□□□□□定義C(上位)
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
存在A(上位)□□□□□(観測)←←←←←←←存在C(上位)

下位の存在Cが上位の存在Aを観測する事によって、
存在Cが自ら構成した定義Eによって、下位の世界の階層位に、
上位の存在Aに対する仮想的な存在A(像)を存在Eとして構築することで、
存在Cは存在Eを上位の世界の存在Aとして理解・解釈することになる。

つまり、以下の図のようになる。

存在A(上位)→→→→→(観測)←←←←←←←存在C
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□定義E
↓□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□↓
存在A(上位)□□□□□□□□□□□□□□□□存在E

この時の下位の世界の存在が、上位の世界の存在を「観測」するという事は、
下位の世界の存在が持つ、「観測する視点」と「上位の世界の存在の定義」が必要になる。

人間であれば「観測する視点」は感覚器官と受容体、
そして「上位の世界の存在の定義」は刺激を構築する為の先天的定義という事になる。

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存在と定義の関係:

存在が定義を持つ場合、
(存在→定義)として、
定義が存在に属すると考えると、
この「(存在→定義)」のセットから、
下位の存在が作られる事になる。

つまり、

(存在→定義)→存在

というように、定義から直接存在が構築されるのではなく、
あくまで上位の存在と、その存在に属する定義によって、
下位の存在が構築されるという事。

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存在と仮想の存在の関係:

存在A→定義A→存在B→定義B→仮想存在A

通常の存在と定義の関係から言えば、
存在Aと定義Aから存在Bが構築される。
存在Bと定義Bから仮想存在Aが構築される。

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観測とは?:

ある存在Aが異なる存在Bの情報を得る方法や手段を持ち、
この対象・存在Bの「情報」を得る事。

この「観測」の結果得られる情報は、
存在Aに属する定義によって、存在Bを定義で分解し、
存在A自身が再構築した情報塊(定義の関連)という事になる。

つまり、存在Aが存在Bを観測した場合、
存在Aは、存在Aが持つ定義を関連させた情報で、
存在Bの仮想的な存在の像・姿の「定義」を持つ事になる。

つまり、この「定義」を用いれば、
存在Aは観測した存在Bの仮想的な存在を構築できる事になる。
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後天的定義も観測の結果であるか?:

後天的定義は観測の結果であると言える。

存在Aが事象や現象に接する事で、
存在Aにとっての情報の変化が生じた場合、
この変化は存在Aにとっての事象や現象によって生じた「変化の事象や現象」
という事になる。

この「変化の事象や現象」は、存在Aが観測の方法や手段を有していれば(感覚を持つなど)、
存在Aにとって観測の対象となり、その結果を新たな定義として獲得する事になる。

この獲得した定義が、後天的定義という事になる。
つまり、この後天的定義は、存在Aが体験した定義である。
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事象や現象は情報の集合体?:

存在が1つ以上の定義によって生じる結果であるなら、
事象や現象は、定義によって構築された
情報の「結束点」と考えることが出来る。
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観測する存在が世界としての存在を作れる?:

自然界の上位の存在は観測できる存在なのか?という事になるが、
自然界が仮想でなく実体であるなら、観測による結果ではなく、
単に定義の組み合わせの結果。

観測はあくまで仮想的な世界の構築の手段・方法に過ぎない。

基本的に実体化する存在は、定義の組み合わせに過ぎない。
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要素の変化と定義の結束点としての存在:

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気づいた点:

・ある情報としての要素は定義とセットになっていて、
要素の変化について定義されているという事。

・要素の変化が、ある結束点で結実した場合、
それが存在となるという事。

・要素は、その要素により構成される以下の存在において定義が変化することはない。
もし、要素の定義自体が変化するとすれば、それは要素の上位の定義によってのみ変化する。

・定義は存在に対して要素を変化させる決まりである。
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・ある情報としての要素は定義とセットになっていて、
要素の変化について定義されているという事。について。

解説:


■:要素1

とした場合、要素1の変化は要素1の定義に従って変化する事になる。

つまり、以下のような変化の図であれば、要素1の変化は、
要素1の定義に従って変化している事になる。

123456789ABCDEFGHIJKLMNOP:時間→
→→→→→→■■■■→→→→→→→→→→→→→→■
→→→→→■→→→→■→→→→→→→→→→→→■→
→→→→■→→→→→→■→→→→→→→→→→■→→
■■■■→→→→→→→→■→→→→→→→→■→→→
→→→→→→→→→→→→→■→→→→→→■→→→→
→→→→→→→→→→→→→→■→→→→■→→→→→
→→→→→→→→→→→→→→→■■■■→→→→→→

ある要素が要素の情報において変化する際の、
この「変化」は要素を定義する決まりとして定まっている。

この時点では要素は存在とはなっていない。


例えば要素1の定義として、
要素1が「+1」と「-1」の間の値を行き来するという定義を持つ要素であれば、

要素1は、「+1~-1」の情報を持つ要素という事になる。

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・要素の変化が、ある結束点で結実した場合、
それが存在となるという事。について。

解説:


■:要素1
□:要素2
とした場合、

123456789ABCDEFGHIJKL:時間→
→→→→→→■■■■→→→□□□□→→■■
→→→→→■→→→→■→□→→→→□■→→
→→→→■→→→→→□◆→→→→■■□→→
→■■■→→→□□□→→■■■■→→→□□

この図の「◆」は、「■+□」が結束点として情報が合わさり、
存在として結実した状態という事になる。

この「◆」が存在として結実するかは、上位の定義により決まるが、
この上位の定義が存在し「◆」が存在として結実した場合は、
時間軸の「C」を含む以降は「◆」が存在し、この要素として「■と□」が含まれるという事になる。

つまり「◆」は「■と□」から構成されている事になる。

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・要素は、その要素により構成される以下の存在において定義が変化することはない。
もし、要素の定義自体が変化するとすれば、それは要素の上位の定義によってのみ変化する。
について。

解説:


これは定義の階層における制限ということになるが、
ある階層位に含まれる情報の要素は、上位の階層位の定義によって構築されたものであるので、
情報の要素自体は、自身の階層以下においては情報の定義自体は改変されることは無い。

つまり、自身の下位の定義や存在において、それ自身の情報は改変されない。

例えば、要素Aという情報があり、この要素Aを含む存在として存在Bが構築された場合、
この存在B以降の定義や存在において、要素A自身を構成する定義は変化しない。

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・定義は存在に対して要素を確定させる決まりである。

解説:


上記の疑問にもあった、「定義→定義」や「存在→存在」の関係が起こらない理由の答えになる。

まず、「定義」は、存在に対して要素を確定させる決まりであるため、
定義に対して定義を変化させることはできない。

このため「定義→定義」はあり得ない事になる。

また、「存在」は要素の結束点において要素が確定する事であり、
異なる存在となるためには、定義により、要素の数や種類が変化する必要がある。

このため「存在→存在」もあり得ない事になる。

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情報を構成する「要素」について

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知能を中心に据えて定義の階層について考えると、
知能が身体を経由して観測できる情報というのは、
存在を構成する際の情報の「要素」という事になる。
この場合、さらに、この「要素」に含まれる「要素」について考えると、
この要素を構成する要素は、情報として変化可能な可塑性を持っていて、
この可塑性の変化の範囲を制限する決まりが「定義」という事になる。

つまり、ある事象や現象、物体などの「存在」は、

存在=情報(要素)+情報(要素)+情報(要素)+・・・

から成り、この1つ1つの情報(要素)は、
この情報を成り立たせる、さらに細かい情報(要素)から成り、
これ以上分けられない基底の情報(要素)は、
ある変化の可変範囲を持つ。

つまり、

情報(要素)=細かい情報(要素)+細かい情報(要素)+細かい情報(要素)+・・・

細かい情報(要素)=基底の情報(要素)+基底の情報(要素)+基底の情報(要素)+・・・

基底の情報(要素)←ある変化の可変範囲(情報の可塑性)

ある変化の可変範囲(情報の可塑性)=「定義」

このような構成になっているのではないか、というわけである。

つまり、知能を持つ身体が感覚を使って変化情報を受容すると考えると、
感覚器官の受容体で受容可能な情報の対象と情報の上下限の範囲の決まりが「定義」であり、
感覚器官では、上記の「ある変化の可変範囲(情報の可塑性)」という変化情報を受容する。

この受容した変化情報は、知能が持つ先天的定義において、

「ある変化の可変範囲(情報の可塑性)」:「基底の情報(要素)」=1:1

の関係で「基底の情報(要素)」に翻訳し、

「基底の情報(要素)」:細かい情報(要素)=多:1

で変換(翻訳?)し、

細かい情報(要素):情報(要素)=多:1

で変換(翻訳?)し、

情報(要素):「存在」=多:1

認識対象としての「存在」に至る、という考え方になる。

そして、この変換(翻訳?)における、
基底の情報(要素)以外の情報の関連が、後天的定義という事になる。

つまり、知能において認識可能な情報は、
基本的には、感覚器官の受容体が受容できる情報と「1:1」で保有する、
先天的定義についての情報だけである。

そして、その情報を組み合わせた情報が経験となり、
この「情報の組み合わせ」のパターンがそのまま、
概感を構成する際に用いる「後天的定義」という事になる。

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今回はこの辺で。

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