2025/4/17-2025/4/20
2025/4/22:「量子もつれの二面性:」修正・変更 「二面性理論の限界:」追加
2025/4/25:「定義の階層における二面性理論の適応範囲」追加


二面性理論

人間の知能が認識や想起のための事象を構成する方法を参考として、
強い人工知能にとっての事象の構成方法の考え方としてこれを提案する。

二面性理論では、知能における情報として構成される事象について、

「全ての物には二面性がある」

まず、この考え方を前提とする。

この定義自体が二面性を持つ事象として成り立つかについて考えると、
「全ての物」の存在や「二面性」自体が、
事象の存在する階層のさらに上位の自然界における定義として変化しない「真理」である必要があるが、
これを証明や説明する手段は知能の階層には存在しない。

(定義の階層の考え方は「405:定義の階層」を参照して欲しい。)

ただし、知能や事象の存在する階層においても上位の定義の「解釈」はできるので、
人間の知能でこの二面性理論の考え方を用いて、上位の階層の事象を解釈して定義しよう、
というのがこの理論の目的になる。

そして、最終的にこの仕組みを人工知能に用いようというわけである。

例えば、「自然界」は「事象」と「定義」の二面性を持ち、
自然界を構成する「事象」、つまり、存在や反応、変化、のあらゆるものが、
その存在のそれぞれに対して、全て「定義」で決められており、
その2つがある故に「自然界」が存在するという考え方になる。
そして、結果的に知能は「自然界」が存在すると知ることが出来るようになる。

以降「二面性理論」としての考え方をまとめておく。
------------------------------------------------------
定義の階層における二面性理論の適応範囲:2025/4/25・追加

二面性理論は「定義の階層」の考え方も用いているが
定義の階層における二面性理論の適応範囲は以下の通り。

(定義の階層の詳細は「405:定義の階層」を参照して欲しい。)

「上位階層↓」

何らかの世界の定義を持つ存在:存在

何らかの世界の法則:定義

自然界:存在

自然法則:定義

人間:存在

先天的定義+後天的定義:定義

「下位階層↑」

定義の階層の考え方としては、
現象や事象が存在や発現するのは、何らかの定義が存在し、
その定義を内包して限定的に成り立たせる「場」が「存在」するというもの。
つまり、存在とその定義が順に階層構造を持っているという考え方になる。

人間にとっての実在すると把握できる事象の存在は認識可能な自然界であり、
自然界として存在する「場」になるが、
ある存在が上位の存在を観測するには、上位の定義を下位の定義で解釈して観測する事になる。
つまり、自然界と人間の場合、
上位は自然法則の定義、
人間の事象の下位の定義は先天的定義と後天的定義となり、
人間にとって実在するという事象は、自然界として成り立つ存在に対して、
自然法則の定義と、先天的定義と後天的定義の二面性によって構成されたものが、
人間が観測できる事象としての場の存在となる。

人間そのものの存在は、自然界が内包する自然法則の定義によって構成されたものであり、
人間の存在を観測する存在としては知能が存在する事になり、
上記の存在と定義をもう少し詳細に書くと、

「上位階層↓」

人間:存在

先天的定義:定義

知能:存在

後天的定義:定義

「下位階層↑」

こういうことになる。
この場合、書き方はまったく同様だが、
知能にとっての実在する、把握できる事象は人間の存在であり、
ある存在が上位の存在を観測するには、上位の定義を下位の定義で解釈して観測する事になる。
人間と知能の場合、
上位は人間の先天的定義、
知能の事象の世界の下位の定義は後天的定義となり、
知能にとって実在するという事象は、人間として成り立つ存在に対して、
先天的定義と、後天的定義の二面性によって構成されたものが、
知能が観測できる事象としての存在となる。

つまり、知能自身が存在している事象は、知能が先天的定義と後天的定義から構成する二面性であり、
つまり、刺激と概感の二面性になる。
これは、これまで考えてきた意識の二面性という事になる。

基本的に定義は下位の定義を用いれば、上位の定義は解釈できるのだが、
上位の定義の解釈には、その解釈する存在が上位の世界を把握する能力と定義を持っていないと、
それ以上の世界は把握できない事になる。

つまり、現在の人間の感覚と知能が、現代の科学知識の定義を用いて、
二面性理論を使って解釈できる適応範囲は、
上記の「自然界:存在」から「先天的定義+後天的定義:定義」までの範囲となる。

現時点での二面性理論の適応の限界は、
自然界が存在する事について自然法則の一面として考えることが出来る、という所までである。

もし、人工知能が新たな感覚を得て知能を構成すれば、存在しない定義を新規定義する、という課題はあるが、
理論的には人間の知能以上の認識能力、
つまり、上位の存在を把握したり解釈したりすることが出来るという事になる。
------------------------------------------------------
二面性理論の基本的な考え方:

二面性理論の根底にある考え方は、

「自然界におけるあらゆる事象は二面性を持ち、
その存在は二面性によって定義できる。」

というものである。

この場合の定義は、自然界において、この事象が存在として確定する為の必要条件という事になる。
逆に言えば、事象は一面だけでは存在が不定という事になる。

そして、事象は二面性の境界内に存在する事になる。
つまり、事象は各面に限りなく接しているが、同じものではない、
という事になる。

簡単な例であれば、

数学の数式で左辺と右辺が等しく、「=」で表せる場合、

「左辺」「=」「右辺」

このような数式になるが、

事象の存在はこの「=」に相当し、
「左辺」と「右辺」はそれぞれ異なる事象の二面性という事になる。

つまり、この数式の場合「左辺」と「右辺」により、
「=」である事象が定義できる、という事になる。

そして、この事象の定義として、
数学の数式としては、「左辺」と「右辺」は「等しい」という考え方だが、
二面性理論においては、
この数式の「等しい」は、
「左辺」と「右辺」という二面性を持つ事象の定義である、
という事になる。

------------------------------------------------------
二面性の表記の仕方:

これまで、ある「事象」の二面性の表し方としては

一面性A:(事象):一面性B

という表記を使ってきた。

詳細な要素に対して表記する場合は、

一面性A.要素X:(事象):一面性B.要素Y

このような表記を用いる事にする。

------------------------------------------------------
自然界における事象の二面性:

例えば、自然界における立体の存在の二面性について考えた時、
3次元の立体が存在する定義となる二面性について。

立体で3次元だからそれを構成する要素は3で、三面性になるのではないか?
と通常は考えるが、
この3次元の考え方は人間の知能における空間や立体の定義であり、
自然界の事象としての定義では無い事になる。
自然界における存在の定義は、
自然界の空間における存在の定義であり、この定義に対しての一面である事になる。

自然界の物体の存在の事象の定義に対しては、

空間:(物体):質量

このような二面性になっていると考えられる。

ちなみに、
自然界における空間の二面性の定義は正確には分からないが、
定義の階層の考え方を用いると、

自然界の上位の事象の何か:(空間):自然界の空間そのものの在り様

この二面性を持つ事になる。

人間の知能で「空間」を定義した場合、空間は3次元であり、
縦・横・奥行きの3次元の座標で表せる。

つまり、人間にとっての「空間」の存在の二面性は、

自然界の空間:(空間):3次元

という事になる。

そして人間にとっての物体は自然界に存在する質量ある物質であるという事になるので、

空間:(物体):質量

このような二面性になる、というわけである。

そして、
特に人間の知能が知ることのできる自然界で定義される事象の二面性は、
主たる存在に対する上位や自然界からの面と、
主たる存在に対する下位や内側からの面から構成される。

つまり、自然界の事象であれば、

自然界の存在面:(事象):構成要素の存在面

こういう事になる。
------------------------------------------------------
質量のない自然界の事象の二面性:

「e=mc^2」が成り立たない質量が無いと考えられている存在においても、

光子や仮定として重力を媒介する粒子や、
強い力、弱い力、などもあるが、
何らかのエネルギーを媒介する存在という事になる。

この辺りは「e=pc」の式になるが、

宇宙のソーラーセイルなどはこの力を利用したもの。

そして、これらの二面性となると、
質量がなくとも運動量が存在すれば、
ある空間における存在の二面性は定義できる事になる。

つまり、光子などにおいては、

空間:(光子):エネルギー

を定義として、事象が存在するという事になる。

そして、
ある事象が自然界において互いの存在が影響を受け合うためには、
何か共通する要素を持っている必要があり、
質量は運動量とエネルギーという共通する要素で関係していると考えられる。

------------------------------------------------------
質量の二面性:

ここで、あらゆる自然界の事象の存在には二面性があると考えて、
つまり、数学的に言えば、あらゆる1つの事象は1つの式の1つの「=」で関係づけられ、
この「=」に相当する事象が存在するという事になる。

例えば、自然界の物体の存在は、空間と質量(エネルギー)の二面性を持ち、
この場合の二面性は「空間」:(質量):「エネルギー」という二面性を持ち、
空間そのものはエネルギーと一見相互作用をしていないように見えるが、
自然界に物体が存在する事自体に対して関係性があり、
空間とエネルギーの二面性の境界に物体としての質量が存在するという考え方になる。

つまり、物体は空間と質量(エネルギー)の接点にあたる存在ということ。
つまり、空間とエネルギーの間に質量という「事象」が生じているという事である。

------------------------------------------------------
量子もつれの二面性:2025/4/22・修正・変更

この二面性の考え方において、
例えば量子Aと量子Bの「量子もつれ」の状態の二面性を考えた場合、
自然界から見た一面と量子側から見た一面で二面性を構成する場合、
量子Aと量子Bは異なる存在でありながら、自然界においてある定義の同じ状態を持つ存在という事になる。

つまり、自然界において、この量子Aと量子Bは空間の座標などは異なるが、
量子としての状態は、その定義においては同じということになる。

つまり、量子は別々だが、本質的に同じ状態にある。

量子もつれが観測時以外は状態が重ね合わせの状態であり、厳密には観測するまで一致するかは分からないが、
この場合、自然界において量子の存在を定義する要素は、
量子もつれを構成するための要素においては、
自然界ではこれ以上他の要因の関与しない真理として考えられる事になる。

つまり、量子もつれは自然界においては別々の存在が、
自然界に存在する、ある共通した同じ定義によって関係している。

つまり、一般的な量子もつれの考え方であれば、
それぞれの量子もつれの状態にある量子の二面性の定義は、

自然界の非局在性としての空間:(量子):量子状態

こういう二面性になる。

ただ、量子もつれの状態が、自然界の真理としての状態の定義の共通性だとすると、

量子もつれの状態にある2つの量子A、量子Bは、

空間A:(量子A):量子状態X
空間B:(量子B):量子状態X

こういうことになり、
自然界の空間的には非局在性を持つわけではないという事になる。

実際、この状態でも、量子Aを観測すれば量子Bが自然界のどこに存在していても、
その量子状態Xは、一致するという事になる。

------------------------------------------------------
二面性理論の限界:2025/4/22・追加

「量子もつれ」の二面性理論での表記において、
量子Aと量子Bに限定した量子もつれの状態について二面性理論での表記においては、

「量子A」と「量子B」は「量子状態X」という等しい面を持っている。

と書けることになるのだが、
これは、量子Aと量子Bは、その事象としての存在に対して、
自然界の空間A、空間Bに対して、ある同じ面を持つ異なる事象として存在しており、
空間には無関係で2つの量子の量子状態は同じであるという事を確立しているだけになる。

ただし、これはあくまで量子Aと量子Bについての一面同士が等しいということで、
「量子もつれ」自体の二面性を表してはいない。

そして、この書き方は単に自然界にある事象の共通性として書いているだけになる。
つまり、ある事象の一面が状態として一致していると書いているだけになる。

これは人間の知能における事象の認識と二面性理論の利用の限界でもあるのだが、
「自然界」そのものを定義している、自然界の「真理」として人間が考えている事象の定義を、
二面性理論を使って表そうとすると、
その「自然界」の「上位の何か」について定義する必要があるから、限界がある、という事になる。

つまり、人間が認識しうる事象は、定義の階層を用いて書くと、
上記の自然界の事象の表記、

自然界の存在面:(事象):構成要素の存在面

こういうことであるので、これをもう少し厳密に書くと、

自然界の定義から構成される事象面:(人間にとっての事象):人間にとっての事象の定義

となるのだが、これを「自然界にとっての事象」の存在に対して二面性理論で表そうとすると、

自然界の上位の定義から構成される事象面:(自然界にとっての事象):自然界にとっての事象の定義

こういうことになり、

厳密に「量子もつれ」を二面性理論で表そうとすると、
量子もつれ状態を事象として表すために、

自然界の上位の事象の何か:(量子もつれ):量子の状態

このような二面性が必要になる。

そして、定義の階層の考え方においては、
自然界の存在自体は上位の定義により事象として構成されていると考えられるため、
自然界に存在する「量子もつれ」は、その事象として存在する為に、
自然界の上位の何かの定義による事象の一面を用いて存在しているため、
これを表すためには、自然界の上位の存在について知る必要があるのだが、
現時点では人間にそれを知る手段が無い、という事になる。

つまり、人間は自然界の真理という定義について理解する事は出来るが、
その自然界の真理という定義を定義する上位の定義については理解が及ばばいという事になる。

つまり、二面性理論は、
人間が1段階上位の定義の存在である「自然界」に対して、
その存在する事象についてまで定義できる制限ある理論であるという事になる。
------------------------------------------------------
ビッグバンの二面性:

例えばビックバンがもし存在するとしたら、
この二面性は、現代物理学では特異点となり現実的な現象とは異なると考えられているが、
その事象は自然界にその定義が存在するはずということになり、
特異点の存在が、一面が無限のエネルギーであるとすれば、
もう一面は特異点ではあるけれど、その存在自体を一面とした無限の空間と考える事ができる。
つまり、特異点の存在する面を「自然界そのものすべて」の空間と置き換えた考え方になるが、

つまり、ビッグバンの特異点を二面性理論で表すと、

無限の空間:(特異点):無限のエネルギー

という事になる。
------------------------------------------------------
宇宙の二面性:

もしかしたらビックバンは存在せず、
宇宙は上位の定義により既に事象としてそこに存在していたと考えると、
宇宙の存在はある存在にとって空間の中心にいて光の到達できる、
つまり光が照らす事の出来る範囲だけが宇宙であり、
宇宙の背景放射のような考え方は光つまり、エネルギーはそもそも光を発する時点で消費される存在であるため、
遠くに離れているのではなく、
単に光源がエネルギーを消費して遠くに遷移しているように観測できるだけではないのか、と考えられる事になる。

つまり、光の観測によって意味付けられた範囲を宇宙としているが、
宇宙を二面性理論で表すと、

空間:(宇宙):光の観測

という事になる。

つまり、事象としてのある宇宙の定義は、
自然界の空間のどこにいても、
その場で観測できる光に対して二面性を持ち宇宙が定義できる事になる。

この場合、宇宙は観測者にとっての宇宙であり、
観測者ごとに宇宙の定義が存在する事になるが、
定義の階層の考え方においては、自然界の宇宙は単一でも、
下位の階層にある定義は、その解釈であるため、解釈する観測者にとっての宇宙の定義は固有で良い事になる。

------------------------------------------------------
今回はこの辺で。

TOPに戻る