2024/9/8-2024/9/17
事象と情報の区切り
396で認識対象としての事象の情報を区切るために、
自分の情報の再構成が関係していると考えたが、
398での認識対象としての情報量の上限などについても併せて考えると、
認識する際の情報のまとまりとして、
神経細胞ネットワークにおける、ある定義として関連を持つシナプスの結合において、
その励起の伝達が、特定の情報を構成するには、
その始点と終端を必要とする事になる。
396でその終端については、
事象の変化情報でない部分として、認識する為の自分の情報の再構成が、
その変化情報に合わせた情報の要素として構成されることによって、
認識可能な状態の刺激か概感になり、その変化情報と自分の関連によって、
その事象が完成する事になるため、変化情報に対する自分の再構成が、
この終端としての意味を持つと考えた。
つまり、変化情報に対して後付けで自分の情報を終端としてくっつけるイメージである。
であれば、この時、始点として普通に思いつくのは、
終端の後に行われる新たな刺激の変化情報の受容か、
その終端までに行われた関連した想起による概感の構成の始まりか、
どちらかが、次の事象の構成の始点という事になる。
刺激の場合は、事象の再構成中においても感覚器官はその変化情報を継続的に受容しているので、
事象の終端が現れようが、お構いなしに受容は続いているので、
どの変化情報に対しても、どれを始点であるとすることができる。
また、
概感の場合も、事象の再構成中において、各神経細胞は、その関連の存在に対して、
想起と同様の働きを行っているため、
どの想起対象についても、どれを始点とする事もできる。
ただ、どの認識対象についても、自分の情報は不可欠であるので、
唯一、覚醒した際の開始の始点は、覚醒時の刺激の受容という事になる。
逆に、覚醒から睡眠に至るなどの意識を失う際には、
その覚醒期間における唯一の終端も存在する事になる。
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393~395で定義について考えたが、
この中で情報の要素の定義には向きが存在するという考え方をした。
つまり、自然界の定義を用いて生命の知能は自然界の事象を定義しなおし、
先天的定義として活用し、
先天的定義の定義を用いて、知能は後天的定義として定義しなおし、
後天的定義の事象として活用している。
それらの定義は不可逆的であり、向きが存在すると考えた。
であれば、知能における事象の定義も、
自然界から受容する変化情報の定義を元に先天的定義を定義し、
その先天的定義を元に後天的定義を定義すると考えられ、
さらに、それらが不可逆的であるなら、
神経細胞ネットワークにおける定義、つまり、事象の情報の要素の記憶にも、
同様の向きが存在すると考えられる。
つまり、光の波長の定義から色が定義されるように、
光の波長の刺激に対する神経細胞から、色の定義を構成する神経細胞への関連は、
不可逆的な向きを持って記憶されているという事になる。
つまり、刺激として光を受けて色を構成する事と、
色を想起する場合においても、突然、色の定義を想起するのではなくて、
その想起は、始点ではないが、光を受けたという神経細胞の励起を経由しているのではないかという事になる。
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少し話が逸(そ)れるが、
つまり、それは想起においても、ということである。
つまり、想起においても、刺激を再構成する経路をなぞるように、
刺激を受けた際の神経細胞の励起の経路を辿(たど)っているのではないかという事である。
この場合、想起は想起の経路として、再構成する自分の情報が、
実体の身体性ではなく、自我の後天的な方の自分の情報を辿る事になる。
感覚器官→変化情報→変化情報の再構成+実体の身体性→刺激
想起→変化情報→変化情報の再構成+自我の身体性→概感
この時の「変化情報」は、
実際の感覚器官で受容した変化情報も、
想起で励起される変化情報も、
「同じ」であるが、
始点の感覚器官か想起のこの部分が異なるために、
再構成時の自分が、実体側であるか、後天的であるかの違いとして、
シナプスの関連する励起が実体側の自分と後天的定義側の自分に振り分けられるのではないかというわけである。
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そして、
事象としての情報の区切りは、感覚器官による変化情報の定義が再現された時点で、
一度、区切りを迎えると考えられる。
つまり、光のある波長を受容して赤の事象を再構成した場合、
この赤に関連する他の事象を想起する事は、次の事象の区切りであり、
一度、赤のみを事象として構成する事が、区切りになっているのではないかという事である。
つまり、認識においては、自分が赤を認識したという状態である。
つまり、赤は知能における定義なのであるが、上位の自然界の定義においては、
それ以上分割する事の出来ない素粒子の振動、
ここでは光子の波長620~770nm近辺の振動としての定義である。
知能においても赤い色は、感覚としては先天的定義として、それ以外の定義は存在していない。
本来の基底の赤に関連する定義以外の定義は全て新規に関連した後天的定義という事になる。
つまり、知能において、赤は赤い色で一度区切りを設けるべき事象、情報という事になる。
つまり、人間が赤い色を見た場合、認識として赤い色の情報とそれを見た自分の視覚(目)の再構成によって、
事象を構成した時点で、一度終端を設置する事になる。
その後の関連の想起は、また別の事象という事になる。
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神経細胞の励起の信号の伝わり方:
感覚器官の受容細胞から、その変化情報の励起の信号が脳へ送られた場合、
脳までの信号については、まず、一方向で先天的定義を持つ神経細胞まで送られる事になる。
変化情報
↓
感覚の受容細胞
↓
励起信号
↓
神経細胞(先天的定義保有)
この先天的定義を持つ神経細胞は、恐らく1つではなく、
事象を再構成する為に必要な情報の要素毎に応じて、
複数が関連していると考えられる。
この段階において、先天的定義を持つ神経細胞の段階的な励起が起こると考えられる。
神経細胞(先天的定義保有)
↓
神経細胞(先天的定義保有)
↓
神経細胞(先天的定義保有)
↓
・・・
ここまでの働きは、
基本的に生体である間、つまり生きている間は常に連続して、
励起の信号の伝達は継続して行われている働きとという事になる。
変化情報の再構成
↓
自分の情報の再構成
↓
変化情報+自分=刺激
これは遺伝的に継承された機能として脳が持つ定義であり、
この時点で脳には変化情報と自身の身体性の存在までが認められる事になる。
つまり、この時点で最低限の「刺激」が再構成されることになる。
398の覚醒中と睡眠中で、
刺激と概感として再構成される自分の情報の対象が変化すると考えたが、
脳の活動状態によって、変化情報を刺激として観測するための、
その変化情報の所有者の再構成対象が異なる事になる。
しかし、いずれにしても、
認識する為には変化情報に関連付けられる自分の再構成を必要とする。
そして、この時点で、
自分が先天的定義の自分であれば主観的な刺激として、
自分が後天的定義の自分であれば客観的な概感として、
認識対象となる事象が構成されることになる。
つまり、この時点で、身体にある感覚に、
変化情報が存在するように「感じられる」準備ができる事になる。
ただし、この時点では、まだ刺激を認識していない。
ここまでの働きとしては、
変化情報を先天的定義として再構成する際、
それに付随する「自分」の情報は、
脳の活動状態によって励起の信号伝達の対象が切り替えられる事になる。
つまり、
先天的定義の再構成体
↓
脳の活動状態→後天的定義の自分の身体性の再構成
↓
先天的定義の自分の身体性の再構成
実際、シナプスの構成からすると、
励起してしまうとその後の関連に従って励起して情報が再構成されてしまうので、
脳の活動状態によって、
対象となる自分の身体性の定義を持つ神経細胞への信号を明らかに切り替えているという事になる。
脳によって励起対象を切り替える事自体は、
覚醒状態であっても、刺激を再構成する場合と、概感を再構成する場合があるので、
睡眠状態のレム睡眠中、ノンレム睡眠中で、切り替えが存在しても不思議ではない。
この時点で、刺激か概感が再構成され、
その後は、刺激か概感を構成する情報の要素に関連した神経細胞に対して信号が伝わる事になる。
これらは全て想起という事になる。
つまり、信号の伝わり方、関連として、
感覚から始まった神経細胞の励起の信号は、
脳で、先天的定義を持つ神経細胞に対して伝わり、
先天的定義を持つ神経細胞から、
身体性の情報を持つ、
先天的定義としての身体性の定義を持つ神経細胞か、
または、
後天的定義としての身体性の定義を持つ神経細胞に対して伝わり、
以降は後天的定義を持つ神経細胞に伝わる事になる。
特に、
先天的定義としての身体性の定義を持つ神経細胞か、
または、
後天的定義としての身体性の定義を持つ神経細胞に対して伝わる場合の選択においては、
脳の活動状態によってその対象が変化する事になる。
ということは、一連の神経細胞の励起の信号の伝わり方からすると、
感覚器官の受容細胞の励起は、
継続して連続して脳に伝わり、
そこから扇状・扇状地の様に脳内で広がりながら伝達していくイメージとなる。
つまり、神経細胞の励起の起点に近い定義と、遠い定義が存在する事になる。
まあ当然、起点側は先天的定義、遠い側は後天的定義が占める事になる。
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「事象の情報の区切り」との兼ね合いから考えると、
事象の再構成が完了した時点が、区切りの終端であり、
定義に対する再構成を始めた時点が始点という事になる。
つまり、知能の観点からすると、
感覚器官から脳への信号の伝達は、
特に関係がなく、脳内で行われる神経細胞による定義の再構成の開始と終了が、
この事象の情報の区切りの始まりと終わりという事になる。
知能としては、結果である事象の再構成に対して観測する事で、
認識することになるのであるが、
つまり、認識自体は結果に過ぎず、
その再構成で用いる励起の経路が事象の定義として重要なものとなる。
つまり、事象の情報は、この神経細胞の励起の経路という事になる。
そして、経路は1本の道ではなく、関連する対象が複数あれば、
扇状に広がる経路の繋がり全体という事になる。
つまり、事象には想起も含まれているという事になる。
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疑問点:
刺激の再構成に想起の概感も含まれているということになるのか?
つまり、刺激を再構成している際に、関連して励起される情報の要素によって、
想起も並行して再構成されている事になる。
であれば、刺激と並行して想起も行われることになり、
認識対象の事象としては、刺激と想起した概感が関連した事象として、
再構成されるので、刺激に概感も含まれるのではないか?
という事である。
しかし、実際の認識においては、刺激は刺激であるし、概感は概感である。
どちらも、実体の自分か、想起の自分かで、認識している事象に含まれる自分は異なる。
励起は関連して決まった経路を自動的に伝達する事になるので、
この場合は、刺激と概感では、再構成する自分の経路は異なる事になる。
その事自体は上記でも
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感覚器官→変化情報→変化情報の再構成+実体の身体性→刺激
想起→変化情報→変化情報の再構成+自我の身体性→概感
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として書いているので、
刺激の場合と、概感の場合は、励起の経路が異なっていると考えられる事になり、
刺激の再構成には、想起の概感は「含まれていない」という事になる。
つまり、あくまで、刺激の再構成と、概感の再構成においては、
経路と再構成される事象は異なるという事になる。
ただし、396以降で考えている、想起から想起への連続性において、
延々と想起が終わらなくなる事にならないのは、
刺激が割り込むからと考えたが、
脳内で連続的に行われる刺激の再構成と、概感の再構成において、
連続性にある程度の繋がりが存在するのは、
認識や意識における何らかの働きや制御、制限が存在するためであるとは考えられる。
つまり、延々と連続的に行われる刺激と概感の再構成であるが、
認識が、つまり、知能の事象の観測が一本道、
つまり、1つの事象毎しか認識対象としないと考えれば、
認識の連続性の維持をしつつ、想起の再帰を回避できることになる。
つまり再帰ではなく、単に対象が変化し続けているに過ぎない事になる。
まあこれは、知能が認識プール内の事象の、
ある瞬間における最も高い情報量を持つ事象を観測する事になるから、
当然と言えば当然という事になる。
ただ、認識に至るような概感が、その関連として高い情報量を持つ概感を想起するのかどうか、
という点を考えると、想起の連続性の問題が再び浮上する事になる。
つまり、変化情報を連続して受容するのと同様に、
想起としての概感の再構成も連続して継続し続けるのではないかという事である。
再構成において近しい事象を関連した事象として構成するか?という疑問である。
少なくとも、実体の身体性における刺激は、
その認識において実体の身体を感じた時点で一度完結する。
別の刺激を認識したとしても同様である。
これが概感の自分の認識であった場合、
概感は再び概感を想起して認識させようとするかどうか?
確かに概感に含まれる情報の要素の関連として、
想起される情報の要素は存在する。
その優先度や定義は自我として定義されるものであるが、
その定義はあくまで、その個体の知能が優先するべき情報の要素として定義し、
記憶したものであるため、想起対象として励起するのは当然である。
その励起によって概感が再構成されるのは、自我の定義として当然でもある。
つまり、ある概感とそれに関連した概感の認識に対して、
延々と想起が連続し、認識が囚(とら)われる事があっても不思議ではない事になる。
ただし、その定義は経験と記憶によって左右されるが、
その定義の記憶は個体固有のものである。
つまり、個体によって概感から想起によって概感を延々と想起する場合もあり、
そうでない場合もあるが、その定義は個体によってまちまちという事になる。
つまり、知能の定義次第でどのようにも定義されるという事になる。
であれば、刺激と概感はその再構成の経路や、
再構成した事象については常には関連していないという事になる。
つまり、刺激は刺激として再構成され、想起は起こるが、
刺激についての認識においては、刺激は刺激としてのみ認識される。
また、概感は、刺激か概感からの想起として再構成されるが、
概感についての認識においては、概感は単体の概感としてのみ認識される。
つまり、連続性を発現させているのは、再構成ではなく、
再構成以外の機能、
再構成の前か、
認識以降の機能という事になる。
再構成の前は、変化情報の受容であるが、
これは認識に関わらず連続性の上に成り立つ機能である。
ただし、想起に関連してはいるが、概感からの想起には関連していない。
つまり、刺激や概感の再構成は、単に連続して、関連して再構成を行うが、
終端が発現して事象が完結した場合、それは単体の事象として構成された後は、
後から関連が生じる事は無いという事になる。
むしろ、連続性を生じているのは、認識以降の機能であり、
つまり、最も連続性に近接しているのは、知能の観測が連続していることにより、
連続性が生じている事ではないか、
という事になる。
つまり、事象の再構成は連続的であるが、
連続性を生じさせようとして連続しているのではなく、
単に、延々と再構成しているから連続している様に見えるというだけである。
それよりも、知能が自身にとって重要であるとする、
その瞬間に最も高い情報量を持つ事象の観測をする事。
連続的に事象の観測をする事、これによって認識の連続性が生じているという事になる。
結果として、認識に付随する意識も連続的であるという事になる。
つまり、刺激や概感の再構成が止まるか、
刺激や概感の再構成が連続していても、
認識が止まれば意識も止まるという事になる。
つまり、認識対象が全て消失すれば、意識も消失する。
つまり、認識可能な刺激や概感の再構成を止める全身麻酔や、
ノンレム睡眠中の脳の活動状態としての認識が止まれば、
意識は止まるという事になる。
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今回のまとめ:
認識対象としての事象は、
刺激であっても概感であっても情報塊として独立していると考えられる。
再構成を行っている間に、関連して想起される情報の要素というのは存在するが、
この関連は後天的定義であり、自我として自身が優先度などを定義した関連である。
また、刺激も概感もその再構成の経路は可塑性はあるが決まっていて、
あるルートを不可逆的に進むものである。
関連の定義に従う限り、その刺激か概感の再構成においては、
その知能の脳が記憶している定義に従い、
その想起→想起に連続性が存在していても、認識とは異なる定義として機能している。
連続性を生じているのは、認識以降の機能であり、
認識それ自体における認識対象の連続性のみが、
その連続性の正体であるという事。
今回のまとめを簡単に説明すると、
刺激や概感は定義に従って決まる認識対象の事象を再構成し、
その励起毎に情報は区切られている。
連続性を生じているのは認識であり、
知能が刺激か概感を連続的に観測している事に起因している。
という事になる。
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今回はこの辺で。
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2024/9/17
アイデア
:人工知能に対する先天的定義の付与
つまり、現在の人工知能は、定義として自然法則の定義、
人間の知能における先天的定義を持っていないので、
知能として事象を言語のトークンの定義として扱う事は出来るが、
自然界に存在する事象の定義として解釈・理解することが出来ない。
であれば、人工知能に自然法則である定義、
人間の知能で言う所の先天的定義を与えれば、
その定義を用いて、それ以外の事象の定義を定義する、
つまり、後天的定義としての定義を定義できるようになり、
感覚の代用のセンサーの観測データを事象の存在として認識できるようになるのではないかという事。
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