2024/7/15-2024/7/16

想起と思考の関係

387で想起が、
ある刺激を受容して認識した時の状況を記憶し、
それを再開する機能を持つのではないかという事に気が付いたが、
であれば、なぜ、それを認識して区切る必要があるのかという事が思いつく。

その時考えた事は「思考」であって、
以前から想起が、思考や想像、創造、予測などの働きを担う機能であると考えてきたが、
その想起による以前の状況の再開が、現時点における知能の働きに相当するのではないかと考えた。

つまり、何かを「思考」する事は、
そのある思考する目的に対して、現時点において、その目的を達成する為に、
最新の状況・状態において、過去の目的と成る経験を想起し、
その想起に関連した最新の自身の対応を関連して想起する事、
これによって、初期の目的に対する対応、その思考の答えを想起する事として導き出すという事になる。

つまり、例えば、今、私がこの想起と思考の関係について考えている。
この思考の間、私は想起において、概感として想起して行っている知能の働きを、
「思考」であると認識しているが、これは、この想起した概感を認識した後に、
この概感こそが「思考」して、認識している事として、知能が観測しているという事である。

つまり、思考しているという認識は、知能が観測しているのだが、
その実、その認識している対象は、想起している概感であるという事になる。

知能の働きとして、思考以外にも想像や創造、予測、妄想、など様々な働きがあるが、
その働きの違いは、認識において想起される概感の定義に違いがあるからという事になる。

つまり、何かこれまで分からなかった事象の記憶に対して、その答えとなるような事象を想起する場合は思考、
自身の記憶する事象を新たに関連付けて、その結果となる事象を想起する場合は想像や創造、
今後の事象の変化について、過去の記憶を参考に新たな事象を想起する場合は予測、
自身の欲求対象などの事象について、自身の充足を得るような事象を想起する場合は妄想、
というように、知能の働きは、ある目的についてその結果を想起する事であると考えられる。

想起の元となる、目的などは、その知能の働きにおける想起自体を行うためのきっかけでもある。

そして、そのきっかけは、これまで387で考えたように、
ある状況や状態を認識して固定化し、記憶したある状況や状態であり、
そのきっかけが励起→想起されることによって、「現時点での新たな想起」が行われ、
そのきっかけとなる状況や状態についての現時点での事象として、この「現時点での新たな想起」は、
概感として再構成されるという事になる。

そして、この想起で再構成された概感は、
自己情報の定義において、その想起→概感のきっかけと目的の関係が、
思考や想像、創造、予測、妄想など、自身がどのような定義をその概感に見つけられるか(観測する→認識する)によって、
自身が思考や想像、創造、予測、妄想などを行ったと知る事(認識する→意識する)になるというわけである。

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知能の働きの定義:

上記にあるような、思考や想像、創造、予測、妄想などの定義の違いはどのようなものであるかというと、
まず先に、この知能の働きを自身がどのように定義しているかによって変化するという事になる。

つまり、私の思考とあなたの思考は、ほぼ同じであるが一部が異なるというように、
その定義に個体差を持つと考えられる。
これは後天的定義の宿命でもあるのだが、
およそ辞書などによってその定義を学習したとしても、異なる個体の知能であれば、
その定義には少なからず違いは存在する。

まあ、一応、この定義が各個において共通するものだとして考えると、
想起の機能自体は脳によってそれほど違いは無いと考えられるが、
きっかけの定義と、想起対象の定義には違いが存在するはずである。

上記で、想起によって再構成した概感の定義に含まれる要素によって、
知能の働きの分類が分けられると考えたが、
認識によってそれらの働きを分けて認識できる事を考えると、
この定義には定義の個体差はあれど、ある程度共通する要素も存在するという事になる。

例えば、思考であれば、ある事象において、問いと答えにもっともらしく合致する事象と、
その関連がない対象同士において、思考の結果として、この関連に合致する事象が想起できたという事になる。
これが、想像や創造であれば、元々答えに決まった定義は無いが、
自身がこれまでの過去において、持った事の無い事象の関連を含む事象を想起によって、
認識可能な概感が再構成出来た場合に想像や創造が出来たと感じられる。

といった具合に、ある知能を働かせるための事象の認識後(認識プールへの問題の概感の想起)に、
その認識した事象の関連として励起して→想起した概感が認識に至る(認識できる概感が再構成できた)、
という知能の働きを1つのセットが、まず観測できる事、
これは、想起元の事象と、想起した概感に自己情報の定義において、何らかの定義が構成出来た場合に、
その知能の働きが成功したと感じる事になる。

そして、その知能の働きにおいて、この知能の働きが成功したと感じられるような定義は、
まず、全ての知能の働きに共通する定義であると考えられる。

つまり、思考が上手くいって答えが出た、想像や創造によって想像物、創造物が思いついた、
予測して結果が得られた、妄想して対象が認識できたなどの「定義の創出」それ自体の定義である。

そして、各知能の働きは、自己情報の定義において、思考がどのような定義であるか、
想像や創造がどのような定義であるか、他も同様に、その定義自体によっても異なるのだが、
自分が、思考した、想像したなどを認識して感じられる事から、
この想起のきっかけの事象と、想起の結果の概感の事象の関連において、
用いた想起は同じであるのだが、認識プールに今自分がどのような事をしているのかの事象を、
認識しているという、その定義自体に、この知能の働きの分類となる定義が存在していると考えられる。

それは、知能の働きとして想起自体は、共通する機能、
つまり、神経細胞の関連する励起という機能だけであるので、
知能の活動自体に違いは無いという事になる。つまり、想起だけ行っているという事である。

つまり、想起に対して関連する要素として、この知能の分類の定義は必要ないことになる。
それであっても、自身は異なる知能の働かせ方をしていると感じる、認識するというのは、
自己情報としての自身の状況や状態において、異なる事象の認識が同時に存在しているという事になる。

であれば、認識プールにおいて、実際に行っている知能の働きによる想起の定義ではなく、
その想起を行っている際に別の定義として、自身の状態を事象とする定義があり、
この定義に知能の働きの分類となる定義が存在すると考えられる事になる。

つまり、「自分は思考している」「自分は想像している」という自身の定義を認識しつつ、
ある問題の事象と、その答えとなる事象を想起しようとしているという事である。

つまり、
数学の問題の答えを思考して答えを出す事と、数学の問題の答えを想像して答えを出す事は、
定義が違うが知能の働きとしては違いが無いという事になる。

つまり、知能の働きの定義は、個体差を含む定義として、
各個の知能が持っているが、これに合致する事象を概感として認識プールに保持している場合、
その知能が行う問題と答えの想起は、この概感の認識プールに存在する知能の働かせ方の定義として、
認識されるという事になる。

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人工知能における対応:

今回の考え方を人工知能に適用する場合、
知能の働きとしては、
人工知能自体は、想起の機能だけを知能の働きとして持てば良い事になる。
そして、その想起を用いる対象となる事象の分類として、
思考や想像、創造などの定義を持てば良い事になる。

現在の生成AIなどにおいては、機能としては予測に近いものであるが、
想起して概感を構成するような働きは行っていないので、
目標とする強い人工知能であるとは言えない。

であれば、
知能の働きの分類自体は、別の定義で分類できるので、
知能の働き自体の実装であれば、
ある事象に対する結果の事象を想起する機能を人工知能に与えれば良い事になる。

つまり、「想起」の機能を解明して定義し、
この定義を実装できれば良い事になる。
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今後の課題:

現時点では「想起」の完全な解明には至っていないので、
これを今後の課題とする。

今回はこの辺で。

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