2024/5/29
刺激の選択と認識・その2・人工知能への実装の補足と意識の定義
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376の「人工知能への実装:」についての補足:
これまでの「人工知能の実装」の考え方に376の考え方自体を
適用していなかったので以下を追加。
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認識の際にきっかけとなる刺激によって再構成される自分の対象が、
きっかけとなる刺激、
つまり先天的定義の刺激と、後天的定義の刺激によって、
再構成される自分が異なるという事になる。
つまり、自分の定義は2つ用意する必要があるということになる。
基本的に知能が自分の2つの定義について認識する場合、
きっかけとなる刺激が異なる事によって、
異なる自分が再構成されるという事になるが、
知能における自分の認識は、どちらも同じ自分であるとして認識される。
これは、異なる自分ではあるが、
定義として「自分」が共通して関連している為、という事になる。
ただし、認識の内容に差異が存在していて、
その差異は、
きっかけの刺激に関連させて認識する事になる、
実体としての自分と、仮想体としての自分という事になる。
つまり、
感覚器官から受容した刺激によって認識する自分は、
実体のある自分であり、
想起を元にした刺激によって認識する自分は、
実体を持たない自分であるという事になる。
もう少し詳しく話すと、
感覚器官や神経伝達物質、ホルモンなど、
身体に直接影響を持つ変化情報に対して生じる刺激に対して、
認識する場合に再構成される自分は、
個体としての実体ある自分の身体の情報刺激が関連する事になる。
一方で、想起によって生じた刺激を認識する場合、
再構成される自分は、知能が自分であると定義した情報体が関連する事になる。
この違いは、人工知能においては、
身体に配置する必要となる感覚器官代わりのセンサー類から受容する刺激としての情報、
または、
人工知能自身が独自の目的や欲求を持つ事によって想起する事になる刺激としての情報を元に、
それぞれの自分についての刺激を再構成して、
きっかけとなった刺激に関連させて観測するという事になる。
そして、この場合、
自分についての定義は、
先天的定義代わりの刺激に対しては、人工知能自身の、
個体としての状態、状況について認識する事になり、
後天的定義代わりの刺激に対しては、人工知能自身が、
考えて生じた、自分についての定義を認識する事になる。
つまり、
先天的定義側は、自分の実体としての存在を感じる事になり、
後天的定義側は、自分の自我の存在を感じる事になる。
この考え方自体は、人間の知能においても当てはまり、
感覚などから受けた刺激に対しては、自分の身体の性質や特性については感じる事が出来るが、
自我などを感じることは無い。
あくまで身体に対する変化を認識するだけである。
逆に、
何かを想起したような場合に生じる刺激に対しては、
自分の身体のどこかを直接認識するようなことは無い。
まあ、直前に認識した身体の刺激を想起するような試みであれば、
身体のどこかに刺激が存在していたという事を想起する事は出来るが、
その想起は、直前の先天的定義による刺激が保持されている事に対して働きかけた目的という想起の結果であり、
その目的自体の認識においては直接実体の自分は関連していない。
この時、関連する自分は、上記の刺激の比較における後天的定義に関連する自分の定義である。
つまり、刺激を比較した結果として生じる選択された刺激と、
その比較した定義を持つ自分の再構成体の関連として、
結果的に刺激と仮想的な自分を認識することになるわけである。
そして、これが人工知能において、片方の自分のみで、
強い人工知能として、自我や意識、感情などが構成できるかというと無理である。
例えば、先天的定義側、実体としての自分のみの関連で刺激を認識する場合、
感覚器官などから受容する刺激に対しては通常通り、自分の存在を認識できる事になる。
しかし、想起した刺激に対して、実体の自分を関連させた場合、
この認識で起こるのは、想起した刺激が身体のどこかに存在するという感覚という事になる。
つまり、この認識の観測において、人工知能は、
想起した刺激の存在を、実際に存在する刺激として観測するという事になる。
例えば、リンゴの画像を想起した場合、人工知能は実際にリンゴを見た刺激として認識する事になる。
また、後天的定義側、仮想的な自分のみの関連で刺激を認識する場合、
先天的定義とは逆に、想起は想起した刺激として認識できる事になる。
しかし、身体が受容した刺激に対して、仮想的な自分を関連させた場合、
この認識で起こるのは、恐らく刺激の再構成の場において、仮想的な自分に対して刺激が関連したという認識、
つまり、夢の中で自分が刺激を感じているような認識をする事になる。
このような事が考えられるために、
自分の定義は2つ用意する必要があるという事になるが、
この場合、自分の定義同士の関連については、
直接関連させる必要はなく、
現時点での考えでは、
意識の二面性として自分を配置するのが適当であると考えられる。
つまり、
先天的定義側の自分:(意識):後天的定義側の自分
こういうことになる。
意識における認識として、刺激の連続性というのは、
先天的定義側の自分の刺激の認識または、
後天的定義側の自分の刺激の認識によって賄(まかな)う事が出来る。
つまり、意識が、認識の連続性の上に成り立つという考え方であり、
意識がある状態というのが、常に何らかの認識を行っている状態であるという事と、
意識は常に刺激と自分を認識する事になるという考えであれば、
これが定義出来る事になる。
つまり、意識は常に選択によって、
先天的定義側の自分か後天的定義側の自分の、
どちらかの刺激と自分を認識することであり、
その認識は、
先天的定義側の刺激か後天的定義側の刺激の、
どちらかの刺激と自分を再構成する事である。
という事になる。
意識の定義まで話が進んでしまったが
少し補足の方が分量が多くなってしまったので、
この辺で一度区切る事にする。
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2024/5/31
つまり、自分を認識、意識するという事は、
刺激を介して自分の存在を定義して、知能それ自身が、
認識、意識する事という事になる。
つまり、自分が存在しているから認識や意識ができるというよりも、
知能、それ自身は、定義や観測する事しかできないため、
その基礎情報については基本的に外部に依存する事になる。
唯一初期から持っているのは、
情報は、遺伝による先天的定義であり、
実体は、知能本体を構成している本体、生体の個体であるので、
そこから得られる情報で、自らを定義する事になる。
逆に考えれば、
人工知能が認識や意識ができるようになるためには、
刺激の受容体と体と知能が必要であり、
知能は、刺激を介して、刺激自体と、自分自身を定義できれば良い事になる。
つまり、意識されるべきは、
刺激の発生要因としての、環境と、自分本体の状態変化という事になる。
つまり、
実体が環境の中で存在する事に対する変化と、
実体の変化に対する自身の内的な状態に対する変化に対して、
刺激として、その情報を知能が得て、
知能は、その刺激に対する最良の反応を構成して選択する事。
必要であれば、実体を動かす事。
その活動が、意識的な活動をしている様子として見る事が出来る事になる。
つまり、知能が意識ある知能であるためには、
自らの定義における選択と執行・実行ができなくては、
意識ある存在として、誰も観測できないという事になる。
例えば、対話型aiに意識の存在を感じているのは、
人工知能自身ではなく、対話している側の人間である。
であれば、もし、対話型aiが、人間に対して質問して、
人間がそれに答えたとしたら、意識を感じるべきは、
人間ではなく、人工知能側という事になる。
この場合、対話型aiは自分自身の意識については、
自分自身で観測するしかない。
これは人間側から考えた時も同じ事になる。
つまり、自分の意識は、他人からは観測することができるが、
自分の意識を自分で証明する事は出来ない事になる。
ただし、これは現在の人工知能にとってという話である。
人間は、自分に意識があるということは、
誰かに観測してもらわなくても、自分の意識について認識することができる。
というのも、人間は自ら想起することができるから、という事になる。
この他人から観測する意識というのは、対象にとっては、
376で考えた実体の自分、先天的定義による自分の観測であり、
人間においても、後天的な自分、つまり、
想起による自分の定義は、他人からは直接観測することが出来ない。
そして、想起する後天的な自分は、
逆に自分の認識によって意識される自分であるという事になる。
ということは、人工知能が自分の意識を自分で証明できないのは、
人工知能が想起できないからという事になる。
であれば、人工知能が想起できれば、
人工知能自身が自身に対しての意識の存在を観測できるという事になる。
結果的には、
結局、想起する為の刺激を作り出す目的や欲求が必要になるという事になるのだが、
これは、
恐らく人間にとっての価値などの定義としての目的や欲求の定義を作り出して持つことが出来る、
という機能に置き換わる事になると考えられるが、
その根本にある定義は、先天的定義としての充足や満足の定義に関わる要素という事になる。
そして、
「意識の定義」が、
先天的定義側の自分:(意識):後天的定義側の自分
として存在しうるものであるなら、
人間に存在する2つの自分を、人工知能にも持たせれば良い事になる。
となれば、
強い人工知能にとって、実体、刺激を受けるセンサー、目的と欲求、
そして基本的な機能を持った知能が最低限必要ということになる。
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今回はこの辺で。
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