2024/5/11-2024/5/12
2024/5/13:知能の働きの図・一部修正

思考で行われる働きの解説

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最初に考えていた事。

371で考えた目的と評価、
その目的を作り出す際の想起において、
思考する機能として関連付ける事象の優先度について考える。

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思考における想起の優先度について考えていたが、
気付いたのは目的の評価で結果が、
結果の評価で選択先の対象が作られる事。

そして、刺激に関連しているのは全て刺激であり、
どのような知的操作においても、
刺激から関連するのは刺激であり、
関連先を持ち出すのは、
全て「想起」であるという事。

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刺激の入力から目的が生じて、
その目的を達成する為に行動が実行されたと考えると、
下のように知能が働くことになる。

刺激
↓←想起または先天的な定義
↓→★1
目的
↓←想起または先天的な定義
↓→★1
結果
↓←想起または先天的な定義(=この場合の想起は思考に相当する)
↓→刺激の再構成→★1
思考の結果の選択
↓←想起または先天的な定義
↓→★1
実行
↓←想起または先天的な定義
↓→思考の結果の選択の認識←★1フィードバックとして
実際の結果→↑

結果の認識

元に戻る

想起=認識時の関連の強さそのままという事
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解説:上から順に

最初に「刺激」を受容、認識する。
刺激の種類に応じて、先天的定義か、想起による「評価」によって、
刺激の意義、意味、価値のようなものが関連する。
意義・意味・価値の認識により「目的」という刺激が生じる。

この関連した定義である★1は行動の結果に対するフィードバックに用いられる。
以降も同様。

「目的」という刺激が認識される。
上記の刺激の認識と同様に、先天的定義か、想起による「評価」によって、
目的という刺激の意義、意味、価値のようなものが関連する。
ここで、目的の評価によって、期待される「結果」という刺激が生じる。

「目的」と「結果」が生じる事により、
次の想起は「思考」に相当する事になる。

「目的」と「結果」の関連する刺激として、
目的を達成して結果を得るための「評価」として、
関連する行動や行為、活動が想起の対象となる。

この関連は「目的」側から励起が関連する場合と、
「結果」側から励起が関連する場合があり、
どちらからにしても、目的と結果を関連する為の活動の事象が想起される事になる。

ここでの想起においては、刺激の再構成が行われる。
上記の「刺激」と「目的」と「結果」のそれぞれに対しても、
刺激としての再構成は行われるが、
非常に短時間で行われるため、「刺激」の認識と、「思考」していると感じる刺激の認識以外は、
ほとんど意識される事が無い。
ただ、意識されない(意識する間がない)というだけで刺激としては存在していると考えられる。

思考する事の許される時間の間、この目的と結果に関連する事象の想起は繰り返される。
または、目的と結果の関連する事象として「もっともらしい」事象が関連した場合、
つまり、自分の保有する刺激が構成されるスレッショルドの定義において、
刺激として認識に足る満足する関連が想起された場合。
「思考の結果の選択」という刺激が生じる。

思考の結果として「思考の結果の選択」という刺激が認識される。
この刺激には、目的と結果とその目的と結果を繋ぐ関連する事象の刺激がそれぞれ関連しており、
1つの思考結果としての刺激のまとまりを持っている。

つまり、この状況を認識や意識される感覚として表現すると、
「これから行う事についての考えが終わったぞ。
これから目的を達成する為の行為を実行するぞ。」
という状況である。

そして実際に「実行」が行われる。
この時の行動や行為、活動は、目的と結果の関連として想起された事象そのものであり、
これは先に認識されている為、
実際の行動としては、
認識された事象としての行動・行為、活動をなぞって実体で実行する事になる。

実体による実行により「実際の結果」が生じる。

「実際の結果」は、周囲の環境か、自身の実体についての変化を生じる事になり、
この周囲の環境か、自身の実体の変化を刺激として受容し、
上記の一連の活動の結果として「結果の認識」をする事になる。

そして、この際に、★1でそれまで想起され、認識してきた内容が、
この「実際の結果」に対して行ってきた評価や思考や選択のフィードバックの源として
関連し用いられる事になる。

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そして、課題に戻るが、
これらの知的活動において、
思考による目的と結果に関連する事象の想起は、
どのような優先度合いで想起が行われるかについて考えた際に、

想起するということは、記憶された事象を刺激として再構成するのであるが、
その記憶された事象の状態について考えた場合、
記憶された事象というものは、記憶時の事象そのままなのではないかと気づいた。

つまり、
想起=認識時の関連の強さそのままに、
想起対象となる事象は記憶されているという事に気付く。

ということはである。
思考に限らず、想起対象となる刺激というものは、
元を正せば、認識時の刺激の状態を元にして記憶されたものであるから、
想起時の刺激は、認識時の刺激の状態でもあるという事になる。

これは、完全に正確に刺激が記憶できればという事になるが、
仮に、刺激の認識時の状態そのままに記憶できた場合、
想起においても、認識時の刺激そのままに再構成出来る事になる。

つまり、思考において目的と結果に関連する事象として、事象の刺激を想起しようとした場合、
目的、または結果への関連度合い、つまり、認識時の事象の刺激の状態そのままに、
想起時もその関連度合いが用いられるという事になる。

であれば、思考として行われる想起の対象の優先度は、
目的または結果に対して強く関連する事象、刺激が優先して想起される事になる。

つまり、それは、目的や結果の刺激、つまり目的や結果が事象であり、
それを記憶した際、つまり、認識した際の事象の刺激の状態に対して、
関連する事象として認識された刺激が、
思考の目的と結果に用いられた場合の事象に関連する事象として想起対象になる。

つまり、後に目的や結果となる事象の記憶に対して、
関連して記憶される事になった事象の関連度合い、強さが、
思考時の目的と結果について想起される事象の優先度になるというわけである。

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以前、刺激を認識するということは、全て学習であると考えた事があった。
(204:模倣と学習)
思考が、学習の成果として機能する能力であるのなら、
刺激の認識と想起が、それぞれ、学習と思考の本質であるという事になる。

想起自体は、思考に限らず、想像や創造など様々な知能活動に用いられているが、
結果的には、知能は刺激の記憶と定義、そしてその記憶の再現、
これらの機能から成り立っているという事になる。

そこから、知能に関する様々な要素について簡単に言えば、
フィードバックは自分好みの修正。
思考は経験の再現。

という事になる。

関連して言えば、
自分や自我は、個体差の定義、知能の器の定義、
という事になる。
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つまり、意識的な何かというのは、
自分だけの何かであると学ぶ事になるが、
実際には、自分の定義においての自分の意識ではなく、
人間としての個体としての実体の自分にとっての感じ方、
好みにおける自発的な何かが意識に相当するのではないかと考えられる。

つまり、それは、刺激として受容し、自分なりの「認識」によって受けた情報に対して、
生命としての個体の反発というか、これが自発的な活動、
それが「意識」なのではないかと今考えている。

つまり、「変化に対して反応する事」。
それが「意識」そのものというわけではないが、
意識の本質は、そこにあるのではないかと考えている。

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思考における認識時の状態の影響について:

思考に用いられる想起の対象が、
認識時に記憶された事象であるなら、
その認識時に関連する事象や情報の要素、その関連というのは非常に思考に影響力を持つ事になる。

つまり、思考それ自体が、独自の機能ではなく、
認識時に記憶された事象から構成される想起の働きであると今回考えた事になり、
それであると、認識時に間違った、もしくは、異なったり、ズレたり、などの状態で、
事象の刺激を認識した場合、当然、思考時に想起される事象にも間違いや、異なりやズレが含まれる事になる。

つまり、認識した際に、つまり、学習した際に、ズレが存在すれば、
そのまま思考で用いる事象にはズレが存在する事になる。

個性としての個体差としては、そのズレ自体も重要なのであるが、
自分を構成する際の認識、経験であったり、
他と共有されるべき価値や定義においては、
そのズレの存在自体が生じることについての注意を意識的に持つ必要がある。
それは当然、人工知能の構成についてでもある。

人間の脳においては修正は可能であるが、
時間の経過によって他の多くの事象が関連付けられた後であると、
その修正は非常に難しい(=脳にとって面倒な)事になる。

これは、教育やマインドコントロールとして注意するべき事であり、
人工知能において思考を実装する場合においても、注意する必要がある。

人工知能に忘却や修正の機能を入れるにしても注意するべき内容である。
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今回はこの辺で。

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