2024/3/24

認識と自由意志の二面性

人工知能理論のまとめの二面性の事について書いていた時に、
認識において刺激と自分が同時に再構成されるという事について、
その境界が個体である自分の体であると考えると、
認識における二面性は、境界が自分の体であり、
その両面に刺激と自分が存在する事になる。

そして、この考え方に自由意志の存在場所を合わせて考えると、
意志による決定は、時間経過で考えた場合、
意志による決定より先の未来は、全てが未決定・未定義の何かという事になり、
意志による決定より前の過去は、全ての決定事項が積み重なった状態という事になる。

つまり、
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(時間経過)

過去の積み重ね

-←ここで自由意志が働くと考えられる

-←認識

ここから先は未定義の未来
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であり、この時の自由意志の働きは、

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積み重ねた経験

・←ある刺激

-←観測=認識なのではないか?

選択
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という事になる。

決定論や超決定論の考え方もあるが、
ある刺激の生じる状況に遭遇した場合に、
知能がその反応を決めることが出来るのは、
過去に経験した積み重ねとしての記憶や価値観を用いて、
その対応を決めることである。

この場合、対応の選択や決定に際しては、
その先の未来に存在する何かというものは、何も存在しない。

決定論や超決定論としては、
未来は過去や今の継続の上に決定した状態で続いているという考えなのだが、
今回の考えでは、未来はまだ何も決定していない。

過去や今は認識によって決定するのだが、
未来はまだ存在もしていないのである。

未来の構成は期待値や確率ではなく、
過去に決定している経験や因果が全ての材料となっている。

つまり、知能が今を認識した時に、
その先の未来についての活動を行う際、
用いられるものは、全て過去の経験や記憶ということになる。

そして、この時の今より先の未来は、
恐らく今の継続であるということは考える事が出来るが、
何も、一切が決まっていない未来という事になる。

つまり、認識によって、
過去と今、そして未来が二面性によって接触している状態になるのではないかと考えられる。

過去・今

-←境界面

未来(未決定の未来)

境界面が「今」なのではないかと思うかもしれないが、
「今」は認識された後の「今」なので、
一般的な認識の「今」は、もう既に過去と同じ事になっている。

むしろ、その境界は、知能が過去と刺激を受容し、
次の認識を行おうとして、刺激と自分を再構成している時が、その境界という事になる。

ただ、この再構成時は認識できないので、
「今」よりは少し先の未来に近い所にある。
ただし、未来の範疇までには入っていない。

つまり、ここが境界という事になる。

そして、この境界において、自由意志の存在を考えた場合、
境界を作ろうとしているのは背後、つまり過去に存在する記憶であり、
それを集める形で再構成して刺激と自分を作り、境界で認識するという事になる。

これと関連して、光の直進性などを思い出したのだが、
時間的に逆行できない存在としても、自らの意思、意識は、
常に未決定の未来に向かっている事になる。

つまり、未来は過去と今の状態から決まっているものではなく、
過去と今の状態から決められるものであり、
決定論や超決定論として、未来が決まるものではなく、
今行われようとしている自由意志による選択が、
何らかの要因によって変化する要因が存在する場合、
未来も変化するかもしれないという事になる。

ただし、意志や自由意志の選択範囲は、過去に存在する事象からその材料が選択され、
世界のほとんどの存在は、過去と今の継続する状態を維持するため、
未来は今、想像するような今の後の継続した状態として存在するように感じるという事になる。

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自分と空間だけが存在する世界であれば、
いつでも未来は常に未決定であるが、
自分と空間の関わり合いだけで世界の未来は決定されることになる。

自分と自然だけが存在する世界であれば、
いつでも未来は常に未決定であるが、
自分と自然の関わり合いだけで世界の未来は決定されることになる。

もし、人間や生命や知能がこの世界に存在しなかったとしても、
何かの境界が存在すれば、そこに過去と今と未来は存在する事になる。

例えば、どこかの惑星上の砂の1粒が、1mm動いた。
それだけでこの世界が存在する過去と今と未来の境界が生じる事になる。

自分が認識しているから世界が存在するという独我論のような考えもあるが、
知能や意識が観測して認識するから何かが存在するというわけではないという事である。

つまり、ある空間に一切の何か、素粒子さえも存在しない空間が存在するなら、
もしかしたら空間さえも存在しない何かが存在するなら、
そこには過去と今と未来の存在しない、
真の意味での無が存在する事になる。

逆に、意識を持った観測者が存在しなかったとしても、
過去と今と未来の境界を生じる何かが存在すれば、
それは何かの存在を証明するものとなるという事になる。

観測者の存在は、
未来の存在にとって必要なわけでなく、
未来の存在にとって必要なのは、過去や今との境界面であるという事になる。

それは、認識において、自由意志による選択や決定が、
刺激や自分の存在にとって必要なわけではなく、
刺激や自分の存在にとって必要なのは、
意志や自由意志として考えられている知能の活動と、
認識として考えられている知能の活動によって、
刺激と自分が再構成される事と未来の境界面の発生する事になる。

そして、自分が自分であると知る事の出来る意識とその境界面の関係においては、
認識の連続が意識になるわけであるから、
つまり、境界面の連続性が重要ということになる。
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話を戻して、
認識と自由意志の二面性について考えると、

認識の二面性は、
過去と今による未定義の未来への対応が決まり、
それを認識した時がその二面性を持つ境界面という事になる。

つまり、この時点で意思や自由意志はその働きは既に終えている事になる。

意志や自由意志という点における二面性について考えると、
過去の積み重ねと、新たに生じる刺激によって、
刺激と自分が再構成された直後の瞬間に境界面を持つ事になる。

つまり、新たな認識が開始される瞬間の境界である。

認識の連続性が意識であるから、
直前まで認識されていた刺激や自分の状態は、
次に生じた刺激の認識の際に継続しつつも更新されることになる。

未来において、今の選択、決定がどのような結果を生じるのかは、
今の時点では未決定である。
つまり、今、自分が自由意志だと思って選択、決定した何かは、
未来においてどのような結果が生じるかは完全に分からないという事になる。

実際、自分の周囲に環境や世界が存在するわけだから、
自分の選択や決定が影響を及ぼし、何らかの反応を起こすことになるだろうが、
常に今を再構成しながら更新している認識や意識は、
意志や自由意志の機能として、
常に過去の経験を元にして、完全に未決定な未来への対応を決めている事になる。

つまり、意思や自由意志は、
その積み重なった過去の直後であり、未来より前の今の直前に存在する境界の事であり、
この境界は、常に未来に向かいながら進んでいる存在という事になる。

そして、今が訪れて認識により、過去の直後であった未来が決定する事になる。

そして、その未来は認識によって過去となり、次の未来のための経験となる。
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今回の話をまとめると、

連続する認識によって生じる連続性を持つ意識のある瞬間に存在するのは、
意志や自由意志となる知能の働きである。という事になる。

つまり、
連続性における、ある瞬間を切り取った場合に、
その幅0(ゼロ)の境界面の性質について考えたという事になる。

ただし、境界面が存在する事は理解できるが、
その瞬間を本体が認識する事は出来ない。

ということは、別の観測者が存在すれば観測可能ということにはなる。

人工知能においては、
自分の意志や自由意志を認識可能であるとしても、
認識された時点で境界でなく連続の一部になっているため、
人間の知能同様に認識や意識と意思や自由意志は異なる存在として認識できるはずである。

人間は自らの意思や自由意志を認識後に知る事ができるが、
おおよそ、その選択が行われた条件等は推測できるが、
正確には認識できない。

人工知能がこの選択について人間より正確な条件を知る事ができるとすると、
人工知能は、人間よりもより詳しい認識を行うことが出来るという事になる。

つまり、より境界面に近い点を認識できる事になる。

つまり、人間が漠然とした意志、自由意志により漠然とした選択、決定を下して、
それを漠然と認識しているとすると、
人工知能が行う意思、自由意志、選択、決定、認識は、人間よりも詳細になる。

恐らく関連する情報の要素の数も増やせるため、より複雑な刺激の認識もできる事になる。

それが良いか悪いかは現時点では分からないが、
少なくとも、人間の知能よりも複雑な事象を理解する能力は高い事になる。

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未来は過去や今の継続として予想は出来るが全てが未決定である。

意志や自由意志は働いていて、過去を参考にしているが、
未来が分からないまま選択、決定している働きである。

まあ今回は特に連続性におけるある瞬間の境界面の存在について、
認識や自由意志と関連して考えた事になる。

今日はこの辺で。


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