2023/11/6

先天的定義と本能

316で「触れる」という事についての先天的定義を考え、
「触れる」=「対象の存在を生じる事」
ではないかと考えたが、
それ以外の行動、例えば赤ん坊が出生直後でも行う事の出来る、
手に触れた対象を「握る」という事については
先天的定義になるかという事について考えてみた。

「握る」は人間が赤ん坊として生誕した直後にも行われる動作であり、
原始反射として先天的に持つ機能である。
他の原始反射やパラシュート反射のような反射行動などもあるが、
これらは先天的定義や本能と関係や関連があると考えられる。
ただし、どのような関係や関連があるのかについては考える必要がある。

これを記載する前に事前に少し考えてあるので、
結論から書くと、
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触れる:
先天的定義であり多くの生命に共通する定義である。
触れる以外にも、特に感覚についての定義は、
これまで考えてきた先天的定義として分類されるものとなる。

握る:
本能であり、先天的である。
先天的な定義の機能であるが、
これまで考えてきた先天的定義としては、より上位の定義であり、
先天的定義と後天的定義の中間に位置する定義ということになる。
人間においては本能であり、種ごとの固有の先天的機能である。
生命の種が、ある時点で獲得したエピジェネティクな定義ということになる。

つまり、
生命~個体種の間に存在する定義として、
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下位定義:
先天的定義→ジェネティク

本能→ジェネティク
↓・↑エピジェネティクに遺伝される場合がある
後天的定義→遺伝対象に無い
上位定義:
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という並びが存在する事になる。

本能は先天的な機能であるが、
生命として共通するような先天的定義ではなく、
種に固有で、進化過程において獲得した後天的定義が、
その機能のエピジェネティクな継承において、
先天的に獲得される機能の定義になったと考えられる。
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生命の環境への適応として考えた場合、
先天的定義は、環境の変化に対するより効果的な適応のために、
その変化情報を得る手段として生命が獲得した機能という事になる。
本能も、適応としての機能としても考えることが出来るが、
全ての機能が生命全体に共通の機能ではなく、
特定の種に特化した能力であることの方が多い。
特に種によって本能に関わる能力が異なるため、
同じ機能であっても、その能力に違いが存在する。

例えば、接触感覚としての「触れる」は、
人間が触れる事と、犬が触れる事の情報の定義には
それほど違いが無いと考えられる。
恐らくどちらも何かに触れた場合には、
その対象が生じて、その対象が存在する事を感じると思われる。
しかし、「何かの香りを嗅ぐ」という事については、
人間と犬の能力には差があり、
その匂いについての定義、
つまり、特定の匂いを嗅いだ場合に反応する定義は異なると考えられる。
詳しくは犬に聞いてみないと分からないのだが、
恐らく異なると思われる。

つまり、先天的定義は、生命として基本となる定義であり、
その定義を元にして、発展された定義として本能が生じるのではないかという事になる。
しかし、全生命に共通する定義は少なく、
恐らくこれも、何らかの基本的な定義を元にして、
定義の種類や構成要素を増やしていったと考えられる。

本能は遺伝可能であるので、後天的定義というよりは、
先天的定義に属するものであると考えられるが、
その個体の能力によって、
より種に特化した固有の定義になると考えられる。

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現時点での考えでは、
生命に共通するような感覚、
接触、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、に関する定義は、
全てではないが、ほとんどの生命が1つ以上の感覚を持ち、
能力には差があるが、その定義においては共通する定義を持っていると考えられる。

適応の多様性として、
適応した種ごとに本能として、
基本的な先天的定義を組み合わせた定義を持つ事になると考えられる。
本能は先天的ではあるが、種の能力の差などにより、
その組み合わせや定義は、種に固有の先天的定義という事になる。

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今回はこの辺で。


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