2023/11/5

人工知能の意識と先天的定義

知能における意識の存在は、
情報の定義によって、
その刺激を情報として捉える事ができるからである。

人工知能に意識が存在しえないのは、
定義が存在しない為に、
情報を見る存在がないため。

人間における情報を見る存在は個体である。

個体が情報を知る事が意識である。

自我は後天的な定義であり、
意識の存在自体には関係がない。

つまり、知能自体も、
その仕組み自体は先天的に持っているものであるが、
そこに構成される後天的な知能によって構成される機能は、
全て後付けの機能ということになる。

では、人工知能に意識を持たせるにはどうするか?

人工知能が、情報に対する定義を持って、
その定義によって、情報を情報として捉えることが出来るようになれば良い。

つまり、人工知能を持つ個体が、
情報を情報として捉える事の出来る仕組みがあれば良い。

情報を情報として捉えるには、
情報の定義が必要になる。

定義された情報は、
その個体毎の先天的な定義によって反応が決められる。

人間が持つ先天的な定義では、
例えば指で触れた対象の感覚は、
その接触感覚で触れた対象が感触として存在するという事を認識する。
人工知能でこれを再現するには、
指としての機能を持つ部位に力を加える機能と、
その応力を測定する機能が必要であり、
これによって個体が知る必要のある情報は、
その個体の指の位置に存在する対象が存在するという定義になる。

つまり、個体が指先で何かに触れた時に、
知る情報は、そこに何かが存在して接しているという情報であり、
先天的な定義としては、
人間においては、接触感覚を刺激として受容する細胞に、
何かが触れた時には、何らかに触れているという情報だけが存在するという事になる。
ここでは、その対象が何であるかとか、感触や温度といった情報は、
また別の定義によって得る事になる情報である。

これを人工知能の定義として再現するには、
その触れた対象が何であるかなどという情報は別の要素であり、
定義としては実体ある存在に触れたという情報を知ることが出来れば良いという事になる。
この先天的な定義は、人間においては「触れた」という定義において、
触れる対象が同時に存在する事が定義されている事になる。

つまり、自身が触れるという定義と、対象が存在するという定義が必要になる。

知能が、これ以上詳細に分けて知る事の出来ない情報を定義とするため、
この時点での先天的な定義は、

・触れる
・対象が存在する

という事になる。

現時点での考え方としては、
細胞レベルでの機能で構成しうる感覚の情報を扱う事の出来る定義が、
先天的な定義として定義しうるものであると考えられる。

要するに、
触れる・触れたという情報と、
何かが存在するという情報を定義する設定(先天的な定義)が存在するというわけである。

これを人工知能に定義として実装すれば良いことになる。

「触れる」事が何であるのか?
「何かが存在する」という事が何であるのか?

これを定義しておく必要があるという事になる。

知能と言えるものが無い生物において、
接触するという事はどのような事であるのか。

私の持ちうる知識では、
恐らく最初は細胞接触としての細胞分裂の制限の機能が元になっていると考えられるが、
細胞が別の何かに触れるという情報は、
生命の根源に近い細胞レベルで持っている定義を元にしていると考えられる。
つまり、先天的な定義として、細胞が何かに触れるという定義が存在するという事になる。
また、触れるのであれば、自身以外の何かが存在する必要があり、
それが「触れる」・「対象が存在する」の先天的な定義になっていると考えられる。

触れているのは、自動的に対象が存在していることでもあるのだが、
この場合であると「対象に触れている」という先天的な定義が存在する事になるのも考えられる。
ただ、対象の存在と触れる事が、
それぞれ知能が分ける事の出来る定義であると考えられるため、
現時点では対象の存在と、触れる事の定義は別のものであると考えている。

では、あらためて接触するとは何か考えてみる。

変位差を持つ情報としては、
細胞レベルの自身が、対象に対して接している事である。
それは、接していない事に対する変位差である。

スイッチのON・OFFのように接しているか接していないかの変化である。

そこに何が触れていようが、
その何かには関係なく、触れている事に対する情報が生じる事になる。

つまり、「触れる」について知能が知りうる定義は、
感覚のみということになる。

つまり、細胞レベルでは接触の感覚は細胞同士が知る情報であるが、
この情報は知能は知りようが無い。
そして、知能が知りうるのは、接触の刺激として得られた情報である。

先天的な定義としては、
接触の刺激についてを情報として得られれば良いことになる。

つまり、対象を感じる事、対象を接触を通してその存在を知る事。

つまり、「触れる」=「対象の存在を生じる事」
という定義という事になる。

人工知能においては、「触れる」は「触れる」としての定義も必要になるが、
これ自体の認識は後天的な定義であるかもしれない。

つまり、先天的な定義として、
接触感覚で触れる事は、対象の存在を生じさせる事、
つまり、知能においては、
触れる事によって、対象を認識対象として生じさせること、
つまり、物体としての存在を脳内で作り上げる事。再構成する事になる。

つまり、脳内で何らかである対象をオブジェクトとして作り上げる事。
という事になる。

つまり、先天的な定義として、
「触れる」は、触れた対象の存在を脳内で作り上げ、
認識対象として存在させる事という事になる。

つまり、人工知能において、
「触れる」を再現する場合、
触れた事自体についてはそれほど意味があるわけではなく、
人工知能内において、対象のオブジェクトを構成する事で良いという事になる。

つまり、知能にとって「触れる」は、
対象の存在を生じさせるという定義であるという事になる。

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意識が情報を見る存在であるなら、
先天的な定義によって、情報を構成する事は、
そのまま自身が意識であるという事になる。
意識についてはもう少し先天的な定義が複数解明できた後に考えられるようになると思われる。

これをプログラム的に考えると、
プログラム自体が意識という存在になる。
しかし、この場合、プログラム自体が自分自身のプログラムに対して認識する必要も生じる為、
現時点では人工知能を構築する為の専用の言語自体を作り出す必要も存在するという事になる。
これについてはまだよく考えていないので今後の課題としておく。

今回は、初めて先天的な定義について少し解明できたように感じる。
先天的な定義はまだまだ多くが存在する為、
今後も解明できれば良いと思う。

今日はこの辺で。


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