2023/5/28
刺激の存在の確定
知能が刺激を認識する際に、
その対象となる刺激の在り様が確定する必要があるが、
この刺激の姿が確定する際に行われる活動や機能について考えた。
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単体刺激が刺激集合となる際に、
その関連は遺伝によって持つか、後天的に学ぶ定義が用いられて、
その刺激集合に対して定義が行われる。
この集合の要素は、特定の単体刺激が指定される。
刺激集合は、また別の刺激集合の要素となる場合がある。
刺激の定義が済んだ状態で、一般的に考えられている「刺激」の状態が完成する事になる。
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刺激の誕生から認識までの流れ:
刺激の定義は、感覚器官からの受容による励起による「想起」に相当する活動か、
純粋に「想起」によって神経細胞が励起された場合に発生した、
その刺激となる励起に対して定義される事になる。
この状態での刺激と定義の状態は、
脳内において感覚としての刺激が単に受容された状態か、
想起によって励起された神経細胞ネットワークの何らかの意味ある刺激が発現した、
という状態であり、まだ認識は行われていないため、
その存在は覚醒している知能の意識において確認する事は出来ない。
刺激の発現と共に、知能は価値評価を行う。
その知能にとって現実的な存在としてや、物理的、身体的な評価として強い刺激であるか、
価値観における価値としての高い意味を持つ刺激であるか、という評価が行われた、
価値が大きいと設定された刺激は、認識の有力な候補となる。
「目的」や「意思」といった認識を維持するための働きによって、
刺激の価値が補強される事もある。
この状態において、ある瞬間に行われている認識は、
その瞬間において、最も高い、大きな価値を持つ刺激である。
また、刺激の強さは励起と減衰によって一定時間の認識の保持の後、
別の瞬間には別の刺激が認識されることになる。
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この考え方の中で、刺激の存在が確定するタイミングは、
認識前に価値の評価が行われる直前か、それ以降、
認識され、意識された際、までの間ということになる。
認識される前には、刺激のその存在は、知能にとって捉えようがないので、
存在しないとも考えられるが、認識のその瞬間まで存在しないという事も考えづらい。
認識が励起や定義、価値評価と同じ瞬間に存在するなら、
つまり、励起と認識が同じ瞬間に行われるというのであれば、
刺激のその存在の確定は、励起と認識が同時に行われる瞬間と言える事になる。
ただ、神経細胞の励起と認識が同時に行われていると考えても良いものだろうか。
完全に同期するわけではないが、励起から認識までの活動は完全に連動する。
であれば、
様々な要素について説明するのに都合が良いのは確かである。
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過去に経験した事の無い刺激が励起されたとする。
定義は不明であるが、何らかの強い刺激であり、
指定された感覚器官からの受容によって神経細胞ネットワークの励起は行われ、認識される。
定義は後天的に得られるものとして、後の経験で補完される。
特に問題は無い。
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何かを思考している際に外的要因によって刺激が励起されたとする。
定義は存在していて、強い刺激である。
価値評価によって、現在思考して維持されている刺激の認識より価値が高いと価値比較される。
この外的要因の刺激が認識される。
特に問題は無い。
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これらの考えからすると、
刺激が励起された瞬間において、その定義や価値評価が行われるのであれば、
刺激となる情報変化を知能を持つ個体が入力した際、
つまり、生物であれば感覚器官でその情報変化を刺激として入力して、
その情報変化を処理する評価機関としての脳への入力の際に、
刺激としての判定が行われた時点、
つまり、入力に対して刺激の定義の反映と、価値評価が行われた直後のタイミングで、
この刺激の存在が確定していると考えても良いということになるだろう。
その後の価値比較や認識については、
ほぼ自動的に行われる比較や、存在の確認だけであるので、
その時点で刺激は既に存在していると考えられるので考慮する必要はない。
ということはである。
今回の考え方からすると、刺激の存在の確定は、神経細胞ネットワークの励起と、
その直後に行われる脳の活動としての刺激の定義の反映と、価値評価、をセットの活動として考え、
その処理が終わった時点で刺激は刺激として存在していると確定すると考えられるという事になる。
そして、その刺激が実際に存在しているかという事を、
この知能が知る事が出来るタイミングは、この刺激が認識された場合に、
その認識の後にその存在を確認することが出来るという事になる。
つまり、認識の前に刺激の存在は確定している。
そして、刺激となる情報変化が発生して、神経細胞ネットワークが励起された後、
その後の知能の処理によって刺激が生成されると考えられる。
という事になる。
実際に知能がその刺激が存在し、その刺激の概要を知るのは、
認識後ということになるが、それ以前に認識されない刺激というのも存在している事にもなる。
恐らく情報変化の発生によって、神経細胞ネットワークが励起された後、
その刺激が刺激としての形を成すまでの間の時間は極めて僅かな時間であり、
寧ろ、その後の価値評価や認識して知能がその刺激を知るまでの時間は、
それに比べれば相当遅いものであると考えられる。
刺激の確定は認識されてから後に知り得る、という考え方は知能にとってはその通りなのであるが、
知能の認識に至るまでの処理を考えると、認識以前のどこかで刺激が形を成していないとおかしいことになる。
今回はその確定のタイミングについて考えてみたが、
実際に神経細胞ネットワークが励起されて、刺激の定義や評価が行われるまでの間のどの瞬間で、
刺激が刺激として確定するのかまではまだ特定できていない事になる。
恐らく刺激の価値評価が適応される前なのではないかと考えられるが、
価値評価のされていない刺激というのは、知能にとって果たして刺激としての意味があるのだろうか?
という考えになる。
つまり、情報変化に対して意味があるから刺激として入力するという前提があるので、
基本的に感覚器官はその情報の受容は、情報の垂れ流しに近い状態で入力を続けているが、
それを刺激として確定させるには、評価も必要になりそうであるとも考えられる。
であれば、現時点の考えにおいて、
今回のまとめとしては、刺激の存在の確定は、
刺激となる変化情報を知能が入力し、その刺激の定義の反映と、
その刺激の価値評価が行われた直後、という事になる。
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ここ最近、知能の基礎となる刺激を中心に考えてきたが、
人工知能への実装の為には、まだ考えなければならない要素は多くありそうである。
特に人工知能が、刺激の存在を刺激として認識するというために、
その「認識」によって、人工知能に、その刺激をどのように見せる必要があるのか、
人工知能にとっての刺激の見え方を決めなければならないだろう。
これについては今最も考えなければならない課題であろう。
それはまた近いうちに考えるとして、
今日はこの辺で。
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