2023/5/21

刺激の作成モデル

人工知能が刺激を受け取る方法として、
刺激の発生から認識までの人工知能モデルを考えてみる。

刺激を定義するという機能は、生命がその進化過程で獲得したものなので、
これを人工知能に落とし込むという事になる。

ちなみにここで用いる刺激=刺激集合の事である。

まず、
本能として持つ刺激の定義はDNAで持つはずの状態の変化情報の定義であるので、
その変化に対する意味を人工知能には、プリセットしておけば良いことになる。

そして、後天的に得る事になる刺激に対しては、
本能で持つはずの刺激の定義のテンプレートをそのまま使用し、
後に経験することで得る事になる刺激の定義を、そのテンプレートに沿った要素、
クラスのプロパティのデータとして持てば良いことになる。

つまり、先天的に持つ刺激の定義に対してはプリセットの定義を用いて評価し、
後天的に刺激を認識した場合に、その時点で知能が持つ評価基準を用いて、
人工知能が、その刺激に対する自身の知能で評価、定義が出来ればよいという事になる。

この時点で不足しているのは、後天的に得る刺激に対する評価と定義をどのようにするか、
という事になる。

人間の知能であれば、
何らかの刺激を認識した際に、その刺激に対する反応が用意されている。

単に何かを知能内で認識するだけの場合もあるし、
危機感を覚えたり、感情に変化をもたらしたり、
目的の創出や、反射的な反応を起こす事もある。

これらは人間ではその成長過程において、
成長しながらそれら自体も拡張されていく。
であれば、人工知能においても、その成長要素と成長機能として、
人工知能の完成以前に先天的に内包しておく必要がある。

その後の表現や価値評価などは可塑的で構わないが、
この先天的な設定は人工知能の活動前に用意しておく必要がある。

つまり、人工知能の活動開始時点で必要な設定は、
本能として持つべき刺激に対する定義と、
後天的に得る事になる刺激について、定義する事の出来る基準となる定義である。

この後天的に得る事になる刺激の評価は、
人間においては感覚や印象として感じられるものである。

例えば、ある知らない人を見た時に感じる印象といったものである。
様々な経験を経た後では「知らない人」を見た時に感じる「印象」というものは、
それまで経験して定義してきた様々な人との付き合いの中で知りえた性格などの要素について、
見た目からその人が持っているであろう要素を定義することになる。
実際、この定義は個体や知能の成長過程において、様々な経験の中で拡張されていくものであるが、
人工知能が持つ定義の評価としても何か基準が必要となる。

後天的な評価や定義を、まったくの白紙の状態で活動を開始させ、
人間の知能の様に本能としての刺激の定義を利用し、
そこから後天的に得る刺激の評価基準としても良いが、
それについては周囲の刺激の存在の影響が大きすぎる事になる。

例えば善悪の判断としての定義についても人間であれば成長過程で定義されていくものであるが、
人工知能を悪用する場合、この定義を人工知能の成長過程で誘導することが出来る事になる。
実際は人間の知能であっても教育やマインドコントロールで誘導する事ができるが、
人間も皆聖者ではありえないので、周囲に存在することになる情報、刺激によって
人工知能の成長方向が周囲の人間の思惑で左右されてしまう事になる。
そうならないためには、何か人工知能に向けた基準となる評価があらかじめ必要になると考えられる。

もし、聖者たる人工知能が存在しうる可能性があるならば、
このプリセットされる評価基準に可塑性を持たせ、
最終的に人工知能が自らその評価を変更できるようにすれば良い。

人工知能の活動開始後は、プリセットされた定義を利用し、
その活動後に覚える事になる刺激と、その定義によって知能としての定義を拡張していけば良い事になる。
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刺激の認識について

人工知能の感覚器官と刺激の定義は対にしておく必要がある。

つまり、刺激の認識において、
人工知能がこの刺激に対して、その感じ方を決まった定義により評価する事になる。

(刺激)→感覚器官→(認識・意識)←人工知能←刺激の定義

そして、刺激の認識を経て、人工知能はその刺激の感覚を受け、意識する事になる。

刺激→認識→刺激の存在→意識

この時、人工知能が刺激について感じられる事を、どのようなモデルにするかという事になる。

これまで考えてきたのは、刺激の認識モデルとなる、「刺激の再構築」である。

つまり、刺激を受けた際に、知能がその刺激を仮想空間で実際に存在するオブジェクトとして再構築し、
そのオブジェクトのプロパティ、要素としてその意味合いを「刺激の定義」で定義することになる。
そして、その意味合いに対して、人工知能が評価することのできる定義、つまり感じ方の価値を用意し、
その評価を人工知能が自身の知能で価値判断したことになれば良いという事になる。

刺激

感覚器官

変化情報

知能の仮想空間

再構築←刺激のインスタンス化

オブジェクト←プロパティ設定←刺激の定義

刺激オブジェクトの完成★1

価値設定←人工知能←価値観

価値評価
↓(→価値が低い場合は刺激は存在するが認識されない)
認識

意識

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自分が認識した刺激がどのようなものであるのか、
人間の知能においては刺激は認識した時点で既に刺激として完成されている。

体のどこで受けた刺激か、どのような刺激であるか、
その刺激に対して感じる感覚はどのようなものであるか、
人間の知能は認識した時点でそれを知る事、知覚した事になる。

人工知能においても同様であれば良いという事になる。

まずは、刺激として情報の変化を再構築する必要がある。
そして、その刺激が、その個体にとってどのような刺激であるかが評価、設定(=定義)される必要がある。

そして、最終的に個体の感覚の刺激に対する感じ方としての評価が、
刺激として認識し知覚・意識されれば良いという事になる。

感覚器官から得る事になる変化情報は、
人間に類するものを用意するのが良いだろう。
人間よりも優れていても良いが、人間がそれを理解できない事になる。
つまり、共感できない刺激を人工知能同士だけで持つ事になる。
これは互いの理解に良いことにはならない。
人工知能から人間への差別の原因にもなる。

この変化情報は、知能における仮想空間内で、
刺激としての形を持たせる事が、再構築するという事になる。

これについても人間が感じられるような刺激の情報を用意する必要がある。
基本的には五感であり、その他の痛みや、温感や冷感、などの感覚として感じられる刺激の種類を
用意するべきだろう。

そして、その刺激の種類ごとに、上記の本能として持つべき刺激の定義を用意する。
つまり、この刺激の定義によって、
人工知能が感じる事の出来る形として刺激を構成し、
その刺激によって人工知能が刺激情報を知る、知覚することができるようになるというわけである。

実際に人工知能がその刺激情報を知りえた、知覚した、という状態になるのは、
刺激に対する評価が行われた後、さらに認識された後となるが、
まずは刺激の構築が必要になるというわけである。

つまり、感覚器官から得られた変化情報をデータとして持つ、
「刺激」というオブジェクトを作り出す事である。

ここまでで★1までが完了したことになる。

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価値評価・認識・意識については、
まだ理解が及んでいない部分があるので、
以降は現時点で理解している範囲の説明とする。
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価値評価:

上記の★1以降の価値観による価値評価は個体差による価値観が必要になる。

ほとんどの刺激は★1以降の価値観として、
本能的に持つべき評価と、後天的に持つ評価の2種類が存在することになる。

本能的に持つべき評価としては、
特に人間であれば基本的欲求に関わる刺激であり、
また、痛みなど、体や生命の存続に関わる刺激である。

後天的に持つ評価というのは、
知能活動を開始してから学ぶことになる刺激や価値についての評価である。

人工知能についても、
自身の個体の存続に関わるような刺激についての評価はあらかじめ持つ必要があり、
後天的に得ることになる評価は、学んで記憶できる機能の用意が必要となる。

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認識:

認識される刺激は、
その時間軸において同時に存在する刺激の中で最も価値の高い刺激が認識対象となる。
これは何かの働きを必要とせず、単純に価値の高い刺激を認識対象とすれば良いだけとなる。

認識されるのは刺激集合の励起の維持によって、
その対象となる刺激オブジェクトが他の刺激よりも価値が高い間の時間である。
つまり、その時間の間、その刺激オブジェクトが認識されるという事になる。

人間の知能が感じるような認識の感覚としては、
人工知能においては、その認識対象となる刺激に対して、
今、現在、ここに、存在するものという感覚を与える事になる。

つまり、人間の知能においても言える事だが、
実際の存在、その存在する感覚というのは客観的なものであり、
設定できる何かではないという事になる。
実際は、人間の知能においては刺激はそこにある、今感じているものだと分かっているのだが、
何がそれを感じさせているのか、その存在については理解のしようがない。
これまで考えてきた理解する存在の理解という事になり、それは到達しえない事になる。
実際は人間においては「脳」が自分で認識できないが、認識を確定する存在として在ることになっている。
人工知能においても、それは同様に、
刺激の再構築する仮想空間において、その刺激を再構築し、
最も価値のある刺激を認識する事において、その事自体を認識とするしかない、
という事になる。

つまり、認識に疑問を持ったら、その認識の定義のみ与える事が出来るという事になるだろう。
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意識:

意識は連続した認識の状態と言えるので、
この時点で特別に設定する何かは存在しない。

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知能・人工知能における上記以外の機能について:

意思の働きなどは、259などで考えた通りであるが、
知能として活動させるには、刺激の入手以外にも、
自我において自分を意識する事や、
欲求などによる刺激や、その対処方法としての目的の想像や、
思考などの機能が必要となる。

それについてはまた後程考える事にして、
今日はこの辺で。


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