2023/5/5

認識に至るまでの刺激の取り扱い

270で刺激の出現までは考えられたが、
その後、この刺激が認識に至るまでの間に行われることについて考えてみる。

現時点では、刺激が認識に至る際に行われることは、
価値観による刺激の価値評価と、この価値評価による価値比較であり、
価値比較の結果、最も高い価値の刺激が認識されると考えている。
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ある瞬間における刺激の認識は、
1つの刺激だけについて認識されていると考えているが、
この1つの刺激というものは、
ある対象についての1つという意味であり、
五感における単体の刺激の1つという事ではない。

例えば、ネコを認識するのに、
その輪郭だけ、色だけ、顔だけ、を認識する事は無い。
認識はある対象について連続した特徴的な刺激を認識することになる。

あ、今思いついた。
今、ネコを想起しながら思いついた。
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認識はある対象についての刺激単体の連続的な励起によって行われるという事。

つまり、ネコを認識する際に、形状、立体構造、色、顔、といった順に想起した気がするが、
ネコという対象の刺激に至るまでに必要な刺激が連続して励起されたという事になる。
つまり、ネコを想起しようとして、ネコについての要素が1つ1つ励起されていったというわけである。
関連する想起の速度は速いが、おそらく、最初に形状を想起しただけではネコの認識には至らないはずである。
その関連する要素として、色や顔、その他の特徴的な要素が想起されるはずである。
そして、関連する刺激が、ネコという対象として、認識可能な刺激となった時に初めてネコとしての
刺激が完成し、それが認識されるというわけである。

刺激の記憶の構成として、シナプス結合の構成として、
順番ができているという事は当然、考えられる事である。
ある起点となる励起から、関連する刺激の想起が行われることによって、
特定の対象が想起されるという事である。

例えば、「赤」は赤色だけの刺激で記憶されているわけではないという事である。
「赤」には思い当たる、つまり、私が今、関連して想起できるだけでも
漢字の「赤」、ひらがなの「あか」、音声の発音の「あか」、視覚の可視光線の色の「赤」、があり、
想起時には特に音声の発音の「あか」と可視光線の色の「赤」が優先的に想起されて、「赤」が
認識された。

この件は、認識の対象となり得る刺激の単位として、
刺激の要素の記憶形態という事になる。
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認識には想起されやすい速度・順序というものがある。

関連の度合いとして、多くに関連している刺激の方が素早く励起されると考えられる。
神経細胞であれば、強化度合いが強い事や、シナプスの結合数が多い程、
励起されやすい刺激であるという事になる。
これは人間であれば、その情報をどこに頼るかという事になり、
通常は視覚の情報に頼ることになる。
例えば、目の前の椅子を見た場合、色や材質を想起するよりも先に、その形状に目が付く。
先ほどのネコの例でも、一番最初は「ネコ」という名称、発音、文字が思いついたが、
その後、最初に想起されたのは形状であったと思われる。
刺激の記憶の関連の順番が存在するか、
先に挙げた、強化度か、関連としてのシナプスの結合数が、この速度というか、励起の順番となる、
優先度が存在していると考えられる。

この件は、価値観の構成、つまり価値の記憶と、価値観の利用時の機能であると考えられる。
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情報が多い刺激ほど、情報を収束させる機能を持ち、
収束外の刺激はあいまいに扱われる。

視覚は焦点の位置から離れると急激に視力が落ちる事から、
特に情報の多い刺激については視点や意識を向けるというような
カーソル的な指し示す要素が存在していて、
特定の感覚の多くの情報の中から、認識するための情報のふるい分け、集約が行われる。
視覚であれば焦点であり、
聴覚などにおいても、意識を向けるとその方向の音が聞き分けられる。
嗅覚は普段は匂いがあいまいだが、意識を向けるとその匂いが嗅ぎ分けられる。

つまり、感覚において、様々な刺激は瞬間毎に多くを受容しているが、
その刺激の価値において意識が向けられるだけの価値を持つ刺激については、
優先的に扱われ、それ以外の刺激については曖昧に扱われる。という事になる。

優先的である=価値が高い、曖昧に扱われる=価値が低いとも考えられる。

この件は、おそらく価値評価から価値比較の間の機能であると考えられる。
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人間の知能は、全てを順序立てて行う必要がある。
つまり、思考においても、認識においても、想起においても、
並行して複数の機能を働かせることはできないと考えられる。

であれば、その順序、順番を決める要素が存在し、
それを比較する機能が存在しているはずである。

この要素が価値であり、その価値に従って比較して順番を決めていると考えている。

そして、その順番を決められる機能、知能の活動が認識であると考えている。

思考は何か、つまり、論理に従って想起できる記憶の対象を、
その論理の順序に沿って記憶の関連の順序を決める、再構成するという事になるか。

今回は刺激の認識に至るまでの機能について考えてみたが、
まだ各要素が思い付きの段階であり、
今後しばらく考えてみようと思っている。

今回はこの辺で。


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