2023/5/2

刺激の情報の解明・その2・刺激の定義

267で、ある事象の存在は、その刺激の関連によって生じうると考えた。

そして今日考えていた事は、
刺激がその刺激として認識されるために必要な情報はどこにあるのかという事だった。

感覚器官は存在する、神経細胞も存在する。
感覚器官と神経細胞の連携によって刺激の信号が脳に到達するが、
そこの神経細胞で、その刺激が刺激として存在するためには、
何が必要になるか考えていた。

最初は、
神経細胞が刺激の情報を記憶できるのか考えてみた。
しかし、神経細胞にそれだけの機能は無いだろうという考えに至る。
基本的に神経細胞が持っている機能は励起とその励起を他の神経細胞に伝達する機能である。
では、励起を0と1と仮定して、神経細胞ネットワークで、デジタルデータの様に記憶できるか考えてみた。
しかし、それでも励起と関連だけで様々な情報を記憶できないだろうという考えに至る。

感覚器官からの刺激の情報としての信号、それによって神経細胞が励起される事、
そして、神経細胞同士の関連での再現。
感覚器官の存在自体が、刺激の存在と同期することによって、
その存在が刺激として成り立つ要因になっているのではとも考えたが、
想起の場合は、感覚器官自体の存在は不要となる。

想起によって生じた刺激が感覚器官にフィードバックされ、
その同期によって刺激が生じるのかとも考えたが、
この場合、幻肢の説明がつかない。

267の右手の人差し指の接触感覚の例について考えていて、
接触感覚が存在する位置や、その感覚の受容器官が刺激を受けたという情報を得る事、
それらの情報を持つ刺激の存在を神経細胞に送り、そこで刺激が認識されるのだが、
この時の情報は、神経を伝達する信号でしかない。
インターネットなどの回線を伝達するような信号ではなく、
単なる刺激の存在の信号というだけである。
これを受け取った神経細胞が、何らかの情報を持った刺激として受け取るためには、
どうしても必要なものがあった。
その刺激が何であるかの「定義」である。

感覚器官が刺激の定義を持っているわけではない。
刺激の情報に対して選択する能力と、
その存在の有無に対して反応する能力をもっているだけである。
神経細胞も伝達された信号に対して反応して、その存在を確認・認識する能力だけを持っている。
であれば、その刺激が何であるのかをどこかに情報として持っていないと、
刺激が存在する事が分かっても、その刺激が何の刺激であるのか分からない事になる。

感覚器官が、刺激の情報の選択は行ってくれる。
その刺激にしか反応しない事で、逆にその情報が選択され、
励起の信号が情報に対して限定されている事になる。

神経細胞では、その励起が行われるための信号を受ける事で、
刺激が存在している事を受け入れる事になる。
つまり、刺激の存在を認識できることになる。

この時点で不足しているのが、刺激の情報、刺激の意味、内容である。

感覚器官が決まっているのだから、
そこから受ける信号は、この情報をもっているのかと考えると、
信号自体にこの情報は含まれていない。
刺激が存在しているかどうかだけの情報である。

そして、神経細胞自体が、この信号に対して意味ある情報を付加するのかと考えると、
神経細胞がこれらの情報を持っているということは考えられない。
また、情報を記憶するのかと考えると、神経細胞自体が何かを記憶するようなことは無い。
あるのはシナプスの関連の形成や強化くらいである。

であれば、どこから刺激に対する情報を持ちだすのかである。

それが何の刺激であるのか意味付けを行うための情報源である。
どこかにその定義を持っていなければならない。

つまり、右手の人差し指に接触感覚の刺激を受けた。
右手の人差し指の接触感覚から刺激の存在の信号が脳内に伝達された。
だから、その信号を受けた神経細胞は、右手の人差し指に接触感覚の刺激があったと認識できた。
ではないという事である。
これを成り立たせるには、神経細胞と感覚器官が、情報を共有して同期していないとならない事になる。
この場合、想起の説明がつかない。

実際は、ある刺激を受けたという信号を脳内で受けた。
この刺激は特定の神経細胞の励起によって、定義によれば右手の人差し指の接触感覚の刺激であると認識された。
つまり、右手の人差し指の接触感覚に刺激が存在している。
となるわけである。

そして、最終的に考え付いたのがこれである。
「刺激は本能によって定義されている」
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例えば、空腹はなぜ空腹だと分かるのか?
空腹の刺激や中枢神経の反応ということになるが、
その刺激が空腹であると分かるためには、その空腹であるという定義が必要になるというわけである。

この感覚が空腹の感覚であるためには、その定義が必要となる。
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運動野や、言語野などの
脳の特定野が存在するのもこの事が理由になるだろう。
そして、脳の特定の場所を電気刺激する事で、特定の刺激の存在が認識されるということも言えるだろう。

例えば第1第2色盲などの色覚異常の赤や緑が見えづらい、見えないというのは、
後天的の場合、網膜に赤や緑の受容能力が存在しても、脳内における神経細胞にその赤や緑の定義に
損傷が起こった場合に起こりうるという事になる。

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この刺激の情報についてはもう少し考えてみる。

今回はこの辺で。


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