2023/3/5

感情と自我についての考察補足

244までの内容において、
感情と自我の関係や、その発現のきっかけ、
個体差による違いなどについて考えてきた。
今回はその考えの補足として、その説明を追加しておく。

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・感情は知能にとってどのような存在となるか?

簡単に考えると、感情は、刺激に対する反応として現れる状態という事になる。

刺激に対する反応は、刺激の認識においてその刺激の価値判断が行われ、
その認識によって、その価値が自分にとってどのようなものであるかが感じられ、
その感じ方を知った後に起こる反応ということになる。
つまり、刺激を認識した際に、その刺激がどのようなものであるかを自分が知り、
その自分はどのように感じるか、感じたか、というその感じ方に対する自分の反応が、
この場合においての刺激に対する反応となる。

その反応の仕方は、自分が持つ価値観によってその刺激に対する評価が異なり、
この自分が持つ価値観は、感情だけでなく、自我にも関係することになる。
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・感情が自我に関係しているということはどういうことか?

自我は自身が持つ自分に対する価値・価値観として考えられる。
つまり、自分はどのような存在であるかをその刺激の記憶、価値観として持ち、
自我として自分を認識する際にはその価値観から構成されることになる。

感情も刺激の認識の際には価値判断が行われるが、
この価値判断で用いられるのが価値観となる。

自我についても感情についても、自分に対する価値評価、刺激に対する価値評価として、
どちらも自身が持つ価値観を利用することになる。

つまり、自分という存在の認識における反応結果が自我であり、
入力した刺激に対する認識における反応結果が感情ということになる。

どちらも自分らしさに関係するものであり、
価値観の構成にしたがって成長・変化するものである。

ただし、現時点で特に感情においては、その感情の認識に際しては、
一定の強さ以上の刺激に対して感情が現れるものとして考えられる。
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・感情という刺激が存在する事について。

感情が認識されるということは、感情という刺激が存在する事になる。
感情の特定の状態において名称がつけられて自身で今感じている感情の状態を認識する事ができるが、
その名称が無かったとしても、その認識された状態において、
感情に分類される状態になっている事は自分自身で知ることが出来る。

もし、その状態が感情であるのなら、その感じている感情を構成する要素は、
自身がもつ刺激の記憶、価値観から構成されることになる。
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・自我や感情と自由意志と因果との関係。

少々自由意志と因果についての情報に偏るが、
思いついてしまったので掲載しておく。

自我や感情において、自身が価値評価を行い、
自身が選ぶ行動や活動において、
その自由意志はどれだけの力を持っているか考えてみた。

その結果としては、自由意志はかなり制限を受けているという事になった。
例えば受験において、その志望校を選択するという選択について考えてみる。
完全なる自由意志で選択するのであれば、自身が最も価値のあると判断した志望校を選ぶことになる。
しかし、実際は、自分の学力や、家庭の経済状況、他にもあるだろうが、それらの要因において、
自分が選ぶ選択範囲というものは狭められる事になる。
少なくとも自分が最も価値がある志望校を選ぶということにはならない場合が多いと考えられる。
しかし、例えば、この要因の中でも自分の学力というものは、自身の学習によって向上するはずであり、
その選択の時点における自身の学力というものは、そこに至るまでの時間の中で、
自分が学習にあてた、自らが選んで学習した結果として、今の学力があるという事になる。

これは、今の自分の学力は、それまでの過程における自由選択の結果であり、
その選択の幅を狭めたのは自分自身の自由意志の選択の積み重ねの結果という事になる。

自分が選択できない、自身の考え方、選択によって変えようのない要因、
今回の例であれば家庭の経済状況などは、因果に属する要因となる。
自身の選択によってその要因が自由意思による選択の対象になることは無く、
その最終的な選択の時点で既に決まっている事になる。

ということは、自我や感情の構成においても、遺伝による自身の身体的能力や、
家庭の経済状況、環境としての国家や社会、世界情勢についてなども含め、
その自我や感情を成長させるための環境や状況については生命として誕生した時点で、
ある程度の因果として決定されているという事になる。

つまり、自分が生きていくその環境において、自由意志は出来る限り自由であり続けるが、
その選択の範囲や幅というものはある程度決められているという事になる。
つまり、決められた範囲において自由であり続けるという事になる。

そして、それは自我や感情の構成においても言えるという事になる。
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・自我や感情の個体差の影響。

自我や感情はほとんどが個体差によってその構成内容に違いを生じる。
身体の感覚器官による刺激の受け方、つまり感覚器官の能力差による刺激の認識の違い、
成長する環境による、自身が持つ、得る事になる刺激の記憶、価値観の違い、
つまり、先天的な要因、後天的な要因のあらゆる要因において、
個体差と同時に自我や感情にも個別の差が生じるという事。
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今日はこの辺で。


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