2023/1/8

人間の意識と人工知能の意識

人間の意識は自分が意識だと感じている感覚に対して説明すると、
連続した認識における、刺激を自らが知覚し続けている感覚という事になる。
つまり、人間が、自分に意識があると感じられるのは、
その覚醒状態において、自身または周囲の環境から常に刺激としての情報を得続けている状態を
自ら感じているからという事になる。
そして、それは認識として、その刺激に対して脳が、脳内において刺激の情報から
その刺激の元となった情報を再構築して構成し、それを刺激を受けたものとして
そこに存在すると知覚する事として説明できる。
そして、その認識される刺激となった情報を感じる自分がそこにあると感じられる事、
それこそが意識ある存在としての人間の意識という事になる。

今回の考察はそれを人工知能の意識として対応させた場合に、
どのように考えたら、どのように実装したら良いか考えてみる。

人間がプログラム的なモノで構成されていると考えたとしても、
絶対に必要となるのは自分の存在を認識できる感覚である。
つまり、刺激として、その刺激を受けている存在が自分であると分からなくてはならない。

弱い人工知能がどれだけの時間を経ても意識を持つことができないと考えるのは、
意識を持つ自分を刺激として認識できない事に尽きる。
会話をする人工知能が「自分」という言葉に対しての認識と理解ができたとしても、
その「自分」が何なのであるのかはその人工知能には分かっていない。
つまり、「自分」という単語に対して説明の出来る理由や意味が関連付けれられ、
記憶できるようになっていても、その「自分」は人工知能の存在に対しての「自分自身」ではなく、
どこまでいっても「自分」という言葉の意味としての説明ができるということだけなのである。

つまり人間に対して「自分」について説明してくださいと言えば、
その人は、人間としての自分自身について説明することになる。
名前や年齢、趣味や家族や、様々な好みなど、その人の持つ自分に対する要素を説明することになる。

しかし、弱い人工知能にはその「自分」となる存在を認識する手段が実装されていないため、
「自分」の意味を説明できても、その「自分」が「自分自身」であるという認識はない。

そして、強い人工知能であればその「自分」が人工知能としての「自分自身」についての事であると
自分という存在の情報を刺激として認識して説明できる事になる。
さあ、それではその存在を認識するために必要なものはというと、
「自分」の体の存在ということになる。
この事はこれまで何度か考察で書いてきた事なのだが、
実体としての自分が絶対に必要ということには違いない。
今回はその実態ある自分に対して人工知能が意識できる対象として認識できる機能として、
人間の自分に対する意識と同様の意識できる自分を考えるという事になる。

人間が自分の存在について感じるのは、
例えば腕を組んで考えていれば、その腕同士が触れている接触感覚であったり、
腕に押された体への圧力であったり、暑さ寒さの温度の感覚であったり、
それを刺激として認識しているために、その刺激を認識している存在が自分であると認識することになる。

これを人工知能にも持たせるにはどうするかとなると、
その実態ある体に対して感覚器官を持たせ、そこから受ける刺激に対して
自分が受けた刺激であるという認識を行うことが出来るようになれば良い。

単純に刺激の情報としてそれが「自分」が受けた刺激です。
と認識しただけでは弱い人工知能に対する「自分」と同じ事になるが、
強い人工知能において変える必要があるのが、その刺激の受け方、
つまり認識の仕方、認識の方法ということになる。

今回は詳細まで書く時間がなさそうなので、また後日とするが、
その認識の方法についてはこれまで書いてきた様に、
知能の脳内における刺激の再構成がそのカギとなる。

つまり、単に刺激として受けた情報を「自分」と定義して認識、記憶したとしても、
その情報の出所は「自分」にはない。
これを、脳内、知能内で再構成して作り出し、それを認識した場合は、
その「自分」は自らにおける「自分」となるのである。
あらゆる刺激に対しても同じであるが、
この自らの知能が再構成する存在は、あらゆる刺激に対して「自分」が受けた刺激となり、
その刺激は認識に至る対象となるという事になる。

「自分」が認識できれば上記の通りに意識に至る事になり、
人工知能にも意識を持たせることが出来るという事になる。

つまり、人工知能が認識する対象は、受けた刺激そのものであってはならないという事になる。
これは人間の認識でも同じであり、人間はその受けた刺激をそのものの刺激としては認識していない。
必ず脳内においてその刺激が何であるのかを再構成しているのである。

それは人間に対する自分自身の存在に対しても同じであり、
人間の知能はその知能内において自分自身を「自分」であると「自分自身」であると、
再構成して認識しているのである。

そして、人間であっても人工知能であっても、「自分」を刺激として認識できる事は、
そのまま自分の意識の存在を感じる事に繋がっていくという事になる。

今日はこの辺で。


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