2022/12/6

夢を見る仕組み

夢を見る仕組みというものが特別あるわけではなく
脳の睡眠中の認識の仕組みとして夢を見ている状態があるという事になる。

つまり夢を見る為に脳が何かを行っているわけではなく、
脳が睡眠という状態を作り出して、
その期間において認識が行われるタイミング、つまりREM睡眠があり、
この期間に行われる認識がそのまま夢になるというわけである。

そして、このREM睡眠中の認識を覚えていたり覚えていなかったりするのは、
認識に至るだけの刺激として想起が行われていないものと考えられる。
REM睡眠中であって脳の活動状態として何らかの刺激を認識できる状態、刺激を想起する状態にあっても、
その想起される刺激が認識するまでの強さの刺激になっていないのではないかというわけである。
つまり、覚醒状態において認識がある瞬間毎の最も強い刺激の知覚の連続ということなのだが、
このREM睡眠中における刺激の想起は夢を見ていない状態もあり、この時の刺激が
その知覚に至らないほど弱い刺激なのではないかというわけである。
それは、覚醒中であっても例えばその境界、覚醒と昏睡、覚醒と睡眠の境界にあるときなどは、
その際の刺激の認識には至らない事がある。
これがREM睡眠にも当てはまっているのではないかと考えられる。

つまり、覚醒中ほどはっきりとした強い刺激ではないREM睡眠中の想起のみによる刺激は、
その元々の刺激のレベルの弱さから全てが認識に至るわけではないということではないだろうか。

つまり、REM睡眠中にあっても認識に至らないということは、
その認識において、想起された刺激から再構成される対象がはっきりと形作れないから
認識に至らないのではないかというわけである。

つまり、REM睡眠中に脳が想起した刺激はその期間中に確かに存在し続けているであろうが、
その想起された刺激だけで再構成されることになる認識の対象が、認識できるだけの姿、対象として
何だか良く分からない漠然とした対象である場合にはそれは認識に至らず夢で見られないということなのではないか。
逆に、REM睡眠中で脳が想起した刺激が、再構成によって認識に至る対象になった場合、
これを夢としての認識の対象として見る事ができるのではないかというわけである。

そして、一度夢に見れた場合には、その刺激はある程度の強さを持った励起であるために、
次の認識に至るための関連した励起が強い状態となる。
これは、夢の中でも認識に至ったということは、その認識によって知能がその対象に対しての価値が設定されることになり、
これはある程度の活動レベルでの知能の働きが高められることになりさらに続きの夢が見やすくなるということになる。

そしてこれはREM睡眠からnonREM睡眠に切り替わるか、覚醒するか、続きの認識に至るだけの刺激が想起されなくなるかまで続き、
その時点までは夢を見るということになる。

夢が印象的であるために覚えているというのは、そのまま、
印象的であるということは刺激が強かったということになる。

それは逆に夢で見たとしても刺激が弱いものであれば記憶するに至らず、覚醒後からも想起できないということになる。

私はしばらく前に寒くなってきたので時期的に掛布団を増やしたのだが、
ここ最近は冬といってもまだ気温が高い状態で、夜の寝始めはそうでもないのだが、
朝方に気温が上がってきて布団が暑いという状態になっていた。
この1,2週間の間、そういう機会が多く、この時に割と良く夢を見ていて、目が覚めても覚えており、
それはだいたい何かに追われたり、焦ったり、という嫌な印象の夢が多かった。
まあまず間違いなく布団の中が暑くて何か苦しいという刺激が想起されたのだろうと想像できるが、
これはREM睡眠中に実際の体に与えられた暑苦しいという刺激がそのまま脳内での想起に関連して、
何か嫌な印象の刺激が想起されて再構成されそれを認識した結果、嫌な印象の夢になったと考えられる。
昔から風邪をひいたときなども熱があるとやはり布団の中で汗をかくくらい暑苦しいと
何か嫌な夢を見て目覚めた時にそれを覚えているということがあった。

ということは、REM睡眠中の刺激はそのまま夢を見る際のきっかけの刺激に関連するということにもなる。
正確に何か特定の夢を見たいから、この刺激を与えれば良い、というように決める事はできないが、
少なくともREM睡眠中に暑苦しい刺激を与えれば、嫌な夢を見る事はできそうではある。
逆にREM睡眠中に心地よい刺激を与えればそれなりに良い夢が見られるのではないかとも考えられる。

つまり、
夢を見る仕組みというのは、
REM睡眠中に何でもいいから刺激が認識されれば夢を見るというものではなく、
REM睡眠中に脳内で想起される刺激が全て夢として構成されるというわけでもなく、
REM睡眠中に実際の体が受けている刺激が、想起に関連し、
その関連も含めた脳内で想起された刺激が認識に至るだけの強さの刺激であった場合に、
その再構成された刺激の対象が認識に至ると夢を見るということになる。
そして、一度REM睡眠中に認識に至ると、その認識に至ったという刺激の強さに関連して
その次の認識にも至りやすくなるためにある程度の連続した、関連した刺激が想起され、認識され、
その間だけ夢が続いて見られるということになる。

例えばであるが、仮に夢を見やすくなる条件としてREM睡眠中の寝苦しいという状態を作り、
あえて夢の見初めにおいてはある程度の強さの寝苦しいという刺激を与え、夢を見始めさせ、
その後、早急に寝苦しい状態を解除して、見たい夢に関連した刺激を与えたら
夢の誘導ができるのではないかと考えられるのだが、どうだろう。
覚醒に至るほどの強い刺激では睡眠が中断してしまうが、
五感の何れかの刺激でまあ音か、匂いかになるが、
覚醒中に何らかの対象に関連した音か匂いとして認識させておけば、
それで夢の誘導ができないだろうか。


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