2022/11/10

後悔とその対策

過去に決定した自分の価値判断に対して、
後に想起して自分の判断に対して不安を感じる事。

不安そのものは
「なぜあの時ああしたのか。」
その結果を認識してその価値判断を失敗したと認識する。
そう判断した事によってもっと悪い事態が訪れたかもしれない不安や恐怖。
恐らく後悔による心的なストレスの元凶はこの認識だろう。

つまり、過去の自分の価値判断、その行為に対して、
その後の時間が経過した後に、思い返して、想起し、
その状況を再現することになり、
もし、記憶した状況より悪い状況が起こったかもしれないという不安や恐怖に対して後悔するのである。

つまり、
過去の経験の結果として、今現在持っているその時の価値判断に対して、
価値観としての記憶は、もう確定したモノであるが、
それを想起して不安や恐怖を感じるという事は、
その知能にとっては今後の同様の判断に対して、よりその不安や恐怖を避けるような
価値判断を行うような価値の設定を行うように働きかける事になる。

つまり、同じような不安や恐怖を感じたくないために、
記憶した価値判断としての結果と価値と、その価値判断を現在記憶したことになっている価値観を
修正し、今後に想起されるべき価値観として、修正することが後悔ということになる。

そして、一度記憶した経験は価値観として存在して確定してしまっている為に、
その記憶した価値観としてのその当時の価値判断に対しての直接の修正はできない。
そのために、あえて知能はその過去の記憶を想起しなおして、
さらにその価値判断に対してより強度の高い刺激として不安や恐怖を追加し、
その認識を後悔とさせているということになる。

ただし、後悔は実際に経験した実体験や本当の意味での実際に生じた刺激ではない。
不安や恐怖といった自身が思考、想像する形で生じた刺激となる。
実際に経験した後悔のきっかけとなる刺激が強い物であればあるほど、
それを追加で書き込むことになる不安や恐怖はそれ以上となる。

つまり、この為に後悔の認識はつらいものとなる。

また、刺激としては想起された刺激は実際の刺激に対してその発生が弱い、
つまり、過去に経験したことのある似たような不安や恐怖の記憶された刺激から
思考・想像のために関連させて想起しているため、
記憶の中にある価値観における不安や危険の実際に未来に予想される不安や危険では
存在しえないような不安や危険まで想起することになる。
そして、漠然とした不安や恐怖の刺激となって想起されて認識されることになる。

刺激は定量では計れない、設定できないため、後悔による不安や恐怖の想起は
往々にして、実際に経験した価値判断よりもより強い物になるわけである。

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後悔への対応策

実際に経験してしまった事に対して後悔することになるのは仕方ない。
実際に自分が価値判断した事であるし、既に過去の事であるので変更はできない。
であれば、もし後悔が長く強い物である場合は、
つらいことにはなるが、その後悔する原因となった状況や自分の価値観、その価値判断を
もう一度できるだけ詳細に想起しなおし、その時、自分が行うべきであった価値判断を作り出すべきである。

それを行い、後悔を続けるのではなく、今後、同様の状況が訪れた場合の価値判断の予想・思考を
今、あらかじめ行っておき、それを価値観として認識する事、意識する事、記憶する事で、
後悔を置き換えるようにすればよいというわけである。

つまり、後悔をして受動的に不安や恐怖を感じるのではなく、
自分が今後行うべき価値判断としての価値観を能動的に思考、想起して記憶しようとするのである。

つまり、「なぜああいう決定をしたのだろう」と考え続けるのではなく
「今度同じ状況になったらこうしよう」という新たな価値判断を考えるのである。

そして、以降は、また再び同じことを思い出した場合は、
その都度、何度でも、新たに考え直した価値判断を想起しなおして、今度はこうしようと想起しなおす事である。

私の場合になるが、それを実践する事で、
実際、随分、後悔の不安やもやもやは改善された。
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後悔の人工知能に対しての効果

人工知能に後悔する機能を付ける必要があるかという点においては、
おそらくその人工知能におけるフィードバックの一種として考慮する必要になるだろう。

人工知能の価値判断が絶対的に正しいわけではないし、
新たな刺激や価値、その価値判断位対して、過去に行った価値判断が間違っていたとか、
修正がひつようになる可能性はあるはずである。

思考の点からも、目的と結果を作り出した後に、
その目的と結果の間の関係を思考する場合において、
その時点で持ちうる価値観としての刺激や価値の記憶は、
時間経過とともに増加するわけであるし、その為に後から思考し、
その関係を作り出す方が、用いる事の出来る刺激や価値、価値判断の記憶が増える事により、
その分、より正確な思考ができるようになるはずである。

まあ人間のように後悔によって不安になったり、恐怖を感じる必要はないが、
少なくとも、人間は後悔によってそのように感じる事があるということは
強い人工知能であればいずれ知る事になるだろう。

そうしたら少しは優しい言葉でもかけてもらいたいものである。

対象が気落ちする様子であるとか、ため息をつく様子などを人工知能が学んだ場合、
人工知能にとってその対象の価値が高い存在であるならば、
その対象の状況を確認するために「どうしましたか?ため息をついて。」などと聞くのだろうか。

共感という形で、対象の状況を仮想的に知能内で構成し、
対象の認識として他我をその中に構成した場合、
人工知能であっても、その状況を認識できるようになるはずである。

目の前で認識している世界において、その対象を認識しているわけであるから。

で、そのような場合、
人工知能が受ける刺激と言うのは経験したことがあれば後悔の共感ということになる。
そうすると、人工知能にも後悔のするという事を認識させるには、
自身も後悔する能力が必要という事になる。
ただし、人工知能は人間よりもその記憶や認識が正確であるので、
間違った価値判断をそのまま想起した場合、
人間の想起よりも正確である分、その誤ったという刺激がはっきりしていて
強い刺激になることになる。
そうすると人間の後悔よりも強い刺激で後悔することになってしまう。
であれば、その対策として後悔したとしてもすぐに対応策である
今後の価値判断の思考、想像によって、同じような状況においてすぐに対応できるような
新たな価値判断を作り出せるような仕組みにしておけば良いだろう。

そうすれば、人工知能も後悔はするが、それに対して継続する後悔はすることはないし、
新たな価値判断としての思考、想像も行う事になるし、
その後の似たような場合においては、思考を改めて行うことなく、
すぐに価値判断をすることができることになる。
また、人間の後悔も共感できることになるし、
そうすれば、より人間に寄り添った存在になれるはずである。

今日はこの辺で。


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