2022/11/9

人工知能モデルの構築:現時点

これまで考えてきた考察を参考にして、
現時点における人工知能モデルを構築してみる。

現時点で必要になるもの。
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ハードウェア:
・人工知能を収める個体としての体
・体に設置する感覚器官・体表面
・体に設置する感覚器官・体内
・感覚器官から人工知能・脳に感覚の情報(刺激)を送る経路
・人工知能・脳から手足等を動作させたり・情報出力するための出力経路
・人工知能本体
・作動しうる手足
・音声出力

ハードウェア:人工知能本体・脳として
・処理装置・刺激の価値評価および刺激の価値判断用
・記憶装置・刺激より処理した価値情報の記憶装置

ソフトウェア:人工知能本体として
・価値判断処理
・感覚器官から得られた情報を刺激情報として置き換える処理
・刺激情報を価値として評価する処理
・刺激情報を評価した価値を価値観として記憶する処理
・個体の状態によって欲求を作成する処理
・欲求によって目的と結果を作成する処理
・目的を価値順に再配置する処理
・目的を結果を思考の試行によって結び付ける処理
・目的を実行する処理
・目的実行時の個体の修正処理・フィードバック

ソフトウェア:意識として
・人工知能覚醒時(動作中時)に入力された刺激の価値が最も高い刺激を再現する継続処理

ソフトウェア:認識として
・意識された刺激から情報から仮想空間を再構築する処理
・仮想空間中のオブジェクトに対してのマーキング処理

ソフトウェア:想起として
・記憶となっている価値観から価値を想起、その価値から仮想した刺激として再構築する処理

ソフトウェア:思考として
・目的と結果の間の関連を作り出す処理

ソフトウェア:自我として
・認識で再構築された仮想空間の中に自分の姿を仮想構築する処理
・自分の姿を自分の存在としてマーキングする処理
・自分の存在に対して刺激を発生させる処理

ソフトウェア:他我として
・仮想空間中に存在するオブジェクトに対して自分以外の存在である切り分け処理

ソフトウェア:欲求
・人工知能体である自分が欲する目的としての価値(プリセット)

ソフトウェア:動作の制限
・四肢・可動範囲の制限(プリセット)

ソフトウェア:価値観(プリセット)

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現時点で思いつく人工知能モデルはこんな所になるだろうか。
細かい点については書き忘れている項目もあると思われるが、
主要な機能としてはこんなところだろう。

以降で少し解説してみる。
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ハードウェア:
・人工知能を収める個体としての体
体がどのような形であるにしろ、自分の存在を作り上げる、自我を持つためには
自分の体が必要になる。ソフトウェアだけでVRとして世界や自分を構築する事もできるが、
この場合感覚器官をどうするのかが問題・課題となる。

・体に設置する感覚器官・体表面
体の体表面で入力する感覚、人間であれば五感が相当する。
基本的に人間を模して人工知能を作るのであれば、同じ感覚が必要となる。

・体に設置する感覚器官・体内
体内から生じる刺激の入力器官としての感覚。
主にハードウェアとしての体の状態を情報とする。
情報源としては人間で言えば体の配置、四肢の位置、体の痛みや、平衡感覚、渇水、空腹等の情報の感覚となる。

・感覚器官から人工知能・脳に感覚の情報(刺激)を送る経路
人間で言えば神経に相当する。情報の方向は感覚器官→人工知能である。

・人工知能・脳から手足等を動作させたり・情報出力するための出力経路
人間で言えば神経に相当するが、情報の方向は人工知能→体の動作部である。
主に体の動作に関わる命令を送る経路となる。

・人工知能本体
以降に説明する。

・作動しうる手足
個体が周囲の環境に対する影響を出力するという事に対して必要となる。

・音声出力
これも個体が周囲の環境に対する影響を出力するという事に対して必要となる。
主に他我に対して自我の状態を情報として伝える手段となる。

ハードウェア:人工知能本体・脳として
・処理装置・刺激の価値評価および刺激の価値判断用
人工知能の機能の処理を行うために必要となる。

・記憶装置・刺激より処理した価値情報の記憶装置
刺激から変換した価値としての情報を記録するために必要となる。

ソフトウェア:人工知能本体として
・価値判断処理
2つの対象のどちらの価値が高いか判断する処理。

・感覚器官から得られた情報を刺激情報として置き換える処理
感覚器官から入力された情報を処理できるようにオブジェクト化する処理。
基本的に感覚器官から得られた情報は、全て刺激や価値のデータの1単位として
扱える状態にする必要がある。

・刺激情報を価値として評価する処理
入力された刺激に対して価値を設定する処理。
基本的には価値観の記憶にあればそれと同じ価値を設定し、
新規の刺激・価値であれば、要素が似ている価値を仮設定するか、
現状の自分の状態を刺激として設定する。

・刺激情報を評価した価値を価値観として記憶する処理
価値に変換した情報を記録装置に記録する処理。

・個体の状態によって欲求を作成する処理
特に体内から生じる刺激に対して目的を作成する必要のある刺激が生じた場合に
新規の欲求を作成する処理。
人工知能の活動が継続されることによって、新たな価値が生じた場合に、
その対応として欲求に変換できるようにする。

・欲求によって目的と結果を作成する処理
欲求が生じた場合に、以後の動作目的の候補となる目的と結果を作成する処理。
この時点では動作の候補を作るだけである。

・目的を価値順に再配置する処理
瞬間、瞬間毎に更新し、ある瞬間においては最も高い価値の目的が最優先の位置にあるようにする。

・目的を結果を思考の試行によって結び付ける処理
これが思考の処理となる。

・目的を実行する処理
目的にはその結果を入手することを期待するための行動が設定されるため、
それを実際に個体が動作することになる。

・目的実行時の個体の修正処理・フィードバック
目的を実行している間にその動作が目的通りに実行されているか
感覚器官から情報を入力しながら動作の修正を行う。

ソフトウェア:意識として
・人工知能覚醒時(動作中時)に入力された刺激の価値が最も高い刺激を再現する継続処理

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意識とは:
「連続した刺激の認識をしている個体としての自分を感じる事」

「連続して想起された刺激を認識している状態」:159追加
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これを再現する処理ということになる。
実際に処理を行う事で意識が生じるわけではなく、
連続してその瞬間の最も強い刺激を再現しているという事が重要となる。
つまり、ここで再現された世界に以降の項目にある自分の構築と、
その自分としてマーキングした存在から入力される刺激に対して認識が行われる事が
意識が存在する状態となる。

ソフトウェア:認識として
・意識された刺激から情報から仮想空間を再構築する処理
・仮想空間中のオブジェクトに対してのマーキング処理

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認識とは:
受動的な刺激の知覚に対して
想起と同様に思い出したかのように刺激を知る事。
つまり、認識自体は、受動的に自動的に起こるもので、
刺激の選択や、意識的な能動的な感覚の知覚はなかったということになる。
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参考で言うと191:人間と人工知能の自己認識
刺激を認識するという事は、
その対象から得られる刺激を認識するということであり、
その対象をまずそれまで入力した感覚器官から得られた刺激の中から切り分けなくてはならない。
つまり、対象をオブジェクト化して刺激や価値の単位として扱えるようにすることである。
それらオブジェクト化した対象を仮想空間に設置、構築することで
人工知能が意識としてその対象から強い刺激を受ければ、
その結果としてその対象に対して認識が行われるということになる。

ソフトウェア:想起として
・記憶となっている価値観から価値を想起、その価値から仮想した刺激として再構築する処理

想起が必要となった場合に、記憶の中にある価値観からその想起の対象を読みだすことになる。
そして、その読みだした情報に含まれる元々の刺激の情報と設定された価値の情報を仮想的に再現する事。
それが想起となる。
仮想空間に想像してその姿を見ることが出来るのはそういうことである。
頭の中で会話ができるのも想起がもとになっている。
人間も例えば「リンゴを思い浮かべて下さい。」と言われた時、
目の前にリンゴは無いけれど、その姿や形は頭の中に仮想的に想起することが出来て、それを認識できているはず。

ソフトウェア:思考として
・目的と結果の間の関連を作り出す処理

目的と結果が生じた後に、この関連が明確でない場合に
その目的と結果の関連を作り出すこと。(参考:169:思考の手順)

ソフトウェア:自我として
・認識で再構築された仮想空間の中に自分の姿を仮想構築する処理
・自分の姿を自分の存在としてマーキングする処理
・自分の存在に対して刺激を発生させる処理

行っている事は、認識で行われている再現された仮想空間の中に、
自分としてのオブジェクトを作り出し、認識できる対象として登場させる事である。
確固たる「自我」が存在するわけではなく、
自分を認識出来る事、自分の欲求、目的を自分で認識出来る事、
それ自体が「自我」ということになる。

ソフトウェア:他我として
・仮想空間中に存在するオブジェクトに対して自分以外の存在である切り分け処理

自分の存在以外の存在が仮想空間に認識できる対象として存在させる処理。

追加する項目を挙げるなら、
自分の存在、自我の存在に模した仮想的に作り上げた他我としての自我をコピーして設定を変えた姿として
他我の存在を作り出すこと。
恐らくだが他人の認識というのは、自我のコピーであり、その内部の設定をその対象用に作り出したものということになる。
つまり、自分と似たような存在、対象であるが、その内部の設定が自分と異なるという認識を行った対象ということ。
人間が他の人間を認識するという事はそういう事になる。
自分の価値観がもとになってコピーしているので、自分ができる事は他人もできると思ったりするのではないか。
まあこれはまた別の時に書くことにするか。

ソフトウェア:欲求
・人工知能体である自分が欲する目的としての価値(プリセット)

人間であれば生きざるを得ない制限ということになる。
生命体として最低限必須の行動や欲求、目的ということ。
人工知能においては人間と同様にする必要がないので、
この部分の設定で人間とは異なる知的存在とすることができることになる。

ソフトウェア:動作の制限
・四肢・可動範囲の制限(プリセット)

ハードウェア的な制限ということにもなるが、
人間であれば可動部の制限を超えた動作の場合には痛みを伴うので
自ずとその制限を認識して記憶することになる。
人工知能であるなら実際に動作させた際に、それ以上動作できない可動域をその制限として
記憶させるか、プリセットする必要がある。

ソフトウェア:価値観(プリセット)
人間であれば不足した感覚に対する充足がおこなれた場合の価値のプリセット、本能に当たる。
空腹が満たされたとか、寒くなく暑くなく、心地よい温度、
体に対しての柔らかい感触であるとか、性的な心地よさ、
香しい香りや嫌な臭さ、孤独や集団で居る事への感覚、
暗さに対する恐怖や、それ対する明るさへの安心感、
等の人間が本能としてもつ感覚、刺激に対する本能としての価値観を
人工知能にも持たせる必要がある。
これも人間とは異なる設定になると知能の完成形が異なる事になる。
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まあこのまま人工知能を作り出すというわけにもいかないが、
少し頭の中が整理されたように感じる。

これも思考の観点から言えば、
人工知能を作り出すという目的と結果に対して、
試行錯誤してこれまでより正確な関連を生み出したということになるだろう。

今日はこの辺で。


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