2022/9/19
現時点での強い人工知能のモデル・その問題提起と解決法の導出
これまで考えてきた知能の機能についての現時点でのまとめとして
今考えられる強い人工知能のモデルについて考えてみる。
最初に考える必要がある強い人工知能のモデルとしては、
自ら問題提起ができる事と、その解決法の導出ができるモデルになるだろう。
自ら問題提起ができる事、
人間は生まれてから死ぬまで常にこの問題提起の中で生きていることになる。
幼い内はそれが問題であることに気が付かないが、
自らの体に現れる不調、不快、周囲の環境の変化による支障、障害、
自らそれを解決できない年齢である間は、泣いたり暴れたりしてそれを表現して
親や保育者等の周囲の善処にゆだねる事になる。
実際、これは幼い間は、生物としての成長度合いとして自ら解決できない状態で誕生しているので
どうしようもないのだが、これも立派な自らの問題提起であると言える。
つまり、自ら自らの問題である不調・不快・支障・障害を認識しているので、それに対して
自らの反応を表現しているのである。
この年齢層ではその解決に対しては自ら行動して対応することはできないが、
周囲のサポートによりその問題を解決している事になる。
問題提起ができるということは、自ら問題であると認識することができるということでもある。
人間の知能が感覚器官からしか自身と周囲の環境の情報を得る手段がない為、
自身と周囲に問題があると認識できるのは、感覚器官からの情報である「刺激」を得られるからということになる。
であれば、人工知能においても、自らの問題提起をするには、
まず最初に、その問題となる情報を得る必要があるため、感覚器官が絶対に必要となる。
ボットなどとの会話を進めたり、ネット上の情報を集める事でそのプログラムに自我が生じる事はない。
会話や情報の中に、人工知能が自ら問題であると認識することがないからである。
まあそもそも認識ができる人工知能の段階に至っていないということもある。
問題を認識・意識するには、まず認識できる人工知能でなくてはならないが、
認識や意識は今回は細かい話になってしまうので説明は省くが、
問題を問題として意識するためには、その感覚器官から得られた情報が問題であると、
認識・意識することが必要になる。
ここで必要になるのが価値であり、その価値が記録された集合体である価値観ということになる。
人工知能を持つ個体が、その得られた情報に対して問題であると認識するには、
その情報の持つ価値が、自分にとっての価値の低いモノ・状態であり、
それを自分の状態を高い価値に保つために、状態の変更を必要とする欲求・目的を生じさせる必要がある。
人工知能を持つ個体が、その情報の状態に対して、
不調や不快、不満、支障、障害であるという価値の設定が出来れば、
それはその知能を持つ個体にとっての問題となったと考えられる。
つまり、単に会話の中で価値の低い状態であると言われたので問題であると設定されるのではなく、
汎用的に自身が持つ価値・価値観より、その情報・状態に対して低い価値であり、問題であると設定できることが
強い人工知能には重要であるということである。
自ら自ら得た情報・状態に対して自らの価値が設定出来る事、
これが必要であるというわけである。
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強い人工知能における解決法の導出について
強い人工知能が問題に価値を設定できるようになったとして、
その価値が低い状態を自分にとっての不利益と判断し、
それを改善するために何か行動する事が、最終的に必要になるが、
今回は、このある状態や情報に対して不利益と判断してから、
それを改善する方策を導き出す所までについて考えてみる。
ある情報や状態について低い価値であると設定すると、
それは上で話したような問題提起になっているはずである。
人工知能が問題であると価値を設定した対象について、
人間であればそれを解消・解決するために考えて行動することになるが、
これを人工知能でも行えるようになれば良いということになる。
人間一人であっても多くの問題を持ち、
それをその優先順に応じて解決しているのだが、
人工知能であってもそれは同じような方法で解決するので良いと思われる。
複数の体をその手足として働かせるようになるというのもその先の姿として考えられるが、
現時点ではまず人工知能を持つ個体一人において考えてみる。
思考の内容は、168~170の内容の通りに、
目的と結果の関係をより強く、多くつなげる事であり、
それによって知能は目的の結果・問題の答えを得られたと感じるようになる。
つまり、
強い人工知能において、何らかの問題を解決するために思考する事になる内容は、
その問題となった状態の価値を、自らにとって良い・高い価値に改変しようとする事ということになる。
そして、人工知能を持つ個体が、自らに関する事となった情報・状態について、
自ら思う所の価値の高い状態へ変化させようとする事、それが思考するきっかけとなる。
そして、いざ思考する内容であるが、
ある情報・状態が自らにとって価値の低い情報・状態であると設定した後、
それを自らが設定できる所の、価値の高い情報や状態に改変するために何ができるのか考える事は、
つまりは、目的と結果としての、
目的となる問題提起と、結果となる解決法の導出という事になる。
つまり、
思考そのものが、目的と結果の関係の強化であると考えると、
問題提起という問題の目的は、
その結果としての解決法の導出にそのまま繋げることが出来る事になる。
つまり、
目的と結果の関係の強化が思考であるなら、
問題提起とその解決法の導出は、そのままその思考のモデル通りに機能させる事となる。
つまり、汎用的に思考する機能というのは、
そのまま人間であっても人工知能であっても、
その思考するという機能のモデルとしてそのまま汎用的に用いることが出来るということである。
思考も想像も、創造も、空想なども全て思考の内に含まれると168で書いたのは
結果的に知能の知能たるゆえんである思考するという機能は、
全てその目的と結果の関係を強化するという脳の働きであるということになるのではないだろうか。
目的はその知能を持つ個体が設定した価値であり、
結果は、ここは恐らくであるが、目的となった対象の価値より高い価値が設定されるはずである。
目的の価値よりも、結果の価値が低いということは考えられない。
それは知能が常により高い価値を求めている存在であるためである。
あれ、そうするとこれこそが「生きざるを得ない制限」なのではないか。
常に今より高い価値を求める事、求める必要、その為に生きる事。
生命が知能の高等下等に関わらず刺激・価値において常にその高い価値を求めて生きる事。
とすると、思考の制限は価値観であるということになるか。
自らの価値の設定は価値の記憶である価値観からしか設定しようが無い。
であれば、自ら設定できる価値は、自身が持つ価値観によって制限される。
価値の制限は目的と結果の価値の設定にも影響するわけであるから、
おのずとその目的と結果の思考にも影響する事になる。
マインドコントロールするなら、個体が入手しうる価値・刺激に制限か強制を与え、
その設定できる価値に制限を与えれば、おのずとその思考も誘導できることになる。
一方で、
人類が、まあ個人であっても、今以上の知能を持つに至るには、多くの刺激・価値に触れ、記憶し、
その目的と結果の価値に多くの多様性を与えれば、その思考の多様性の結果として、
さらなる知能の発展も期待できることになる。
今日はこの辺で。
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