2022/7/26

睡眠中の刺激と意識

夢を見ている、夢を見ていない、
もしくは睡眠中の刺激について考えてみる。

脳が睡眠中である時、
意識は無いと考えている。
ただ、脳に対して刺激は存在するし、
夢見る間の夢として認識している想起された刺激もあるため、
睡眠中であっても刺激とその刺激の認識は存在している。
意識が無いと考えられるのは、
これまで通り、刺激の認識に際しての自己の認識が行われていないためである。
つまり、夢の最中に刺激の認識を行っている事は夢を見ている状態として分かっていても、
そこに自己の存在を確認できないためである。
つまり、夢を見ている際の刺激の認識は場当たり的で、
映画を見ているように
その刺激に対する認識後の判断がまったく行えないという状況にあるからである。

つまり、連続して刺激を認識はしているが、
それが強制的にVRゴーグルで映像を見せられているような状態だというわけである。
まあ自分がその夢の映像を見ているというのは分かっているが、
その夢の最中に自分自身を認識することはあるかどうかということである。

でも以前、私が夢を見ている最中に
この夢は内容が面白いから記録に残しておかないとなと思った事がある。
夢を見ている中でである。
たしか電車か何かの座席に座っていて
窓の外の様子が変わっていて面白かったか、
その前にあった出来事が面白かったか、そういう内容だった。
そして記録しないとと思って目が覚めた。

当時夢の内容を覚えている時はそれを記録に残していた時期があり、
印象的だったので覚えているが、
夢の中で自分の判断が影響されることもあるのではないか?
もしかしたら半覚醒状態で思った事かもしれないが、
確かにそういう事はあった。
あと、夢を見ていて内容が何か安心できる内容に変化して、
目覚めた瞬間に「ああ良かった」と言いながら目覚めた事はあった。

夢を見ている自分について意識が存在する可能性もあるのではないか?

脳内の刺激について覚醒中に認識して処理する刺激は
体外から受ける刺激と、想起する体内の脳から生じる刺激がある。
睡眠中に認識する刺激は主に脳で想起される刺激である。
これまでの考えから、睡眠中であっても体外から受ける刺激も存在し、
それが認識されないだけの事であるが、存在はしている。
もちろんその体外からの刺激によって脳内の記憶のネットワークに影響はしているはず。
気温が暑い中で寝ている時や、風邪などで熱があるときに見る夢は
何か苦しい要素の夢を見たりする事が多い事からもそう考えられる。

となると、睡眠中に脳内だけの想起された刺激だけでも
その認識によって自己の認識が行えるのであれば、
まあ覚醒中と状態は異なるが、睡眠中のそれ用の意識という考え方もできるのではないか。
覚醒中の想起は意識して行う事ができる。
というか、意識して認識を誘導することができる。
その刺激を思い出したいと誘導する事ができるというわけである。
これが睡眠中の場合は、刺激の想起を誘導することはできないが、
勝手に想起された刺激の認識を連続して行っている夢を見ている最中などに
そこに自分の存在を認識、自分を感じる事ができるかどうか考えてみれば良いことになる。

夢を見ている最中の自分は
何か思考する事が出来ているようには感じられない。
上記の夢の最中にこの夢を記録しておかなければと思ったという事は
自分の存在を認識しているとは現時点では言えない。
つまり、前から大きな岩が転がってきて、それを避けなければと考える事と同じで
別にそこに自分がいようがいまいが、その状況ではそう思うというだけである。
ではその状態に意識の存在は無いのかということになるが、
そうして考えると意識は存在している事になるが、
そうすると夢の中で場当たり的でもああしなければ、こうしなければと考えることにも
意識があると言えることになる。

シンプルに考えるとすると、
つまり覚醒中であろうが、睡眠中の夢を見ている最中であろうが、
その知能を持つ個体が刺激を連続して認識している間は、
意識があると言えるのではないか。
夢を見ている間は、夢自体が常に連続した刺激を認識できる状態ではない、
夢は割と場面場面の切り替わりが起こり、
突然違う場面に移ることもあるからである。
ただ、その1場面の最中においては睡眠中の夢を見ている間だけの意識が
存在していると考えても良いのではないかと思われる。

つまり、想起された刺激を連続して認識している間隔の間のみ
夢を見るのは、その間隔の間のみ意識があるからという事である。
つまり、睡眠中の脳内だけに存在する意識という事である。

夢を見ていない間は、意識がないというのは変わりないが、
夢の最中のみはその夢の中でのみ存在する意識があるという事である。

とすると、意識というものは
覚醒中であっても脳内でのみ存在するということになる。
つまり、覚醒中であっても想起される刺激に対してのみ意識が存在するという事である。
つまり、刺激を想起するという事に意識の存在するきっかけがあるのではないかという事である。

とすると、脳が刺激を想起する事、これが意識の正体なのではないか。
覚醒中であっても体外から受けた刺激を認識するのは
脳内でシナプス等を励起した後、その刺激を脳が知ったのちに想起の形で
刺激を知ることになるというわけであるから、
これが睡眠中に想起だけの刺激であったとしても意識の存在を確認できるのも同じ事になる。

つまり、
脳が刺激を想起する事、想起する時に意識を感じる事ができる。
ん、つまり、連続した刺激の認識の中で、自分を感じる事というのも、
刺激を認識する事自体が、刺激を想起する事とも言えるわけだから、
連続して刺激を想起する事に意識が存在すると言えるのではないか。
つまりそうすれば、その意識とは自分を、自分の存在を感じる事とも言えるわけだから、
意識とは
「連続して刺激を想起する時に存在するように見えるモノ」
という事になるか。
客観的にはこれでいいことになる。
つまり人工知能を客観的にみて意識の存在を見るにはこれで良いという事になる。
そして
主観的に見た場合の意識は、その連続した刺激の想起において、
主体的にその想起する自身の存在を、主体的にかつ客観的に見て認識したときということになる。

ちょっと中断。

では再開。

客観的に見てその知能に意識があるかどうか見た場合、
その知能を持つ個体が覚醒中である場合は、
その個体が自身で自身の刺激の認識を自覚し、
それを自覚している存在が自分であることを認識している必要がある。
それを他から見た場合に客観的に見てその個体に意識があると言える。
そして、
主観的であれば自身に意識があることを認識できていること、
つまり自身で自身が受け取っている刺激を認識している事を知っているなら
それもその個体に意識があると言える。
また、
覚醒中でない場合においては、
客観的にはその個体は睡眠か昏睡かという状態にあるので、
その時点で意識の確認はできない。
この状態では意識は無いと言える。
しかし、覚醒中でない場合においても、
レム睡眠中などにおいて、夢を見ている事が分かる場合、
この場合は対外的な客観性においては意識が無いと見て取れるが、
夢を見ている状態における個体の脳の状態においては覚醒と同様に
夢を見ているという意識がある状態であると言える。

意識が覚醒状態である必要があるという定義であれば、
夢を見ている状態を意識がある状態であるとは言えないが、
実際夢を見ている最中には想起の形で刺激を認識しているわけであるし、
先の夢の例にもあったように実際に夢を見ながら自分を必ずしも認識しているわけではないが、
それを言うなら覚醒中であっても常に自分を認識しながら活動しているわけではないので、
断続的にであっても夢の中で一時の連続した刺激の認識・想起された刺激の認識を行っている間は
意識があると言えるのではないかというわけである。

シンプルに意識は
「連続して想起された刺激を認識している状態」
という事もできる。
表現する言葉で本来そこに込めたいはずの意味や意図が制約されている感じもするが、
現時点でもっとも分かりやすく表現するとそういう事である。


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