2021/4/30

自覚と認識

自分を自分で認識する自覚はどのようにして成り立っているか。

認識の工程が一度、認識する対象を脳内で要素に分解し、
記憶の要素として記憶してから、改めて初回であっても想起することによって
認識する事ができるようになることから、
自分を認識する自覚の場合も、自分という対象を記憶する対象として
認識する要素に分けてから、その自分という記憶となる要素を一度脳内に記憶し、
それを想起することによって自分という対象を認識することになる。

だから、突然、自分という対象を認識して自覚しているのではなく、
自分という者についての様々な要素を自身で記憶し、
自分という対象がどのような要素から成り立つ対象であるかを記憶してから後、
想起することによって自分という対象を認識することができる。

そのため、成長の過程において、自分という存在を認識した場合、
各時点において自分についての記憶の要素は、認識の正確さや多様さ、複雑さは変化していき、
自分を自覚した時点での自覚できる自分の姿は変化していく。
自分が自分の経験した物事を自分の要素として記憶していくため、
ほとんどは自分の姿は成長するにつれ多くの要素を含み、多様化し、正確になっていく。

物心ついたというタイミングは、その成長過程において、
自分という対象を自分として認識し、自覚できた時ということになる。
そのタイミングについては各個の成長の速度や経験によって変化するため、
自覚できる年齢などは前後する。

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認識が一度記憶した対象の要素をまとめてその対象として想起することが
必要であると考えるのに至ったのは、
認識した刺激をそのまま刺激として認識できているわけではなく、
一度脳内でどのような刺激であるか判別し、その刺激がそれまでの記憶にある
要素と同じであるか脳が判定し、その刺激を認識するかどうかは
その次のタイミングに行われるため、一度、その刺激は脳内に保存されておく必要があると
考えたからである。

今この瞬間の少し前の刺激というのはある程度のものは覚えているはずである。
体に触れている服の感覚や、匂い、温度、正座していれば足のわずかな痺れなど。
でも、その刺激を覚えているというのは、その認識される少し前に体に与えられていた刺激であり、
その認識しようとしてる瞬間にはすでに次の別の刺激が入力されているのである。
だから、つい少し前の瞬間の刺激は記憶されていた刺激を想起して認識している刺激であり、
それは記憶されていた今は存在しない刺激の認識となるわけである。

それは全ての刺激においても言えることであり、
全ての認識にも言えることである。
そのために、自覚という自分の認識についても、
今の自分の状態を認識して自覚しているというよりも、
自分について記憶している要素を、
その自覚しようとした時に自分であると認識して自覚しているのだろうと考えたわけだ。

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人工知能がその知能を自分のものであると認識し、
自分自身を自覚するには何が必要か

まずは、個体が必要となる。
周囲の環境と自分を隔てる障壁を必要とする。
自と他の区別なくしては、自己の認識はできない。

そして、周囲の環境を認識するための刺激の受容部を必要とする。

そして、その刺激の受容部から得られる情報を記憶する脳の機能と、
その刺激がどのような刺激であるか判別する脳の機能と、
その刺激を現在の認識しているステータスとして状態の保持、認識する脳の機能を必要とする。

また、その刺激をステータスとして保持している状態が
その個体にとってどのような影響があるかの反応を起こす脳の機能が必要となる。
何もしないことも反応であるが、例えばバッテリー不足の場合の反応、
個体の危険に対する反応などの状態をステータスとして持つ必要がある。

そして、その反応の状態に対する反応の行動ができる必要がある。
周囲へのアピールでも、個体の動作でも、何らかの反応行動ができなくてはならない。

そして、それを連続して行うことで
周囲の環境の変化、個体の状態の変化において
独自に反応しているように見える様子が知能を持っているように感じるはずである。

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勘違いして欲しくないのは、
ある刺激や周囲の変化に対して決まった行動を取るようにプログラムや設定するのが
人工知能ではなくて、あくまで周囲の環境の変化、自身の個体の状態の変化に対して
自分が行うことができる動作の要素から最適なものを経験によって選んで行うことができるように
なることであり、
そのためには、個体はその反応するための行動を1つ以上持っていなくてはならないが、
その反応するための行動は対となる刺激や変化に対して用意するものではないということである。

最初は教えてやる必要があるかもしれないが、
それを教えて記憶することができれば、後はその時の状態を認識することで、
それに必要な対応をすることができるようになるはずである。
そのためにはある程度の移動ができる必要もあるだろう。

全ての刺激や個体の行動はすべて要素として記憶できるひつようもある。
場所の記憶や、移動するという事の記憶、どこかで状態変化が起こるという記憶、
時間経過の記憶、刺激を受けた記憶、記憶とするべき要素の数は多い。
しかし、要素の記憶のパターン化をすることで、
別の環境に置かれた場合でも対応できるようになるはずである。
前にあった場所になかったら新しい場所を探ぜばよいし、
そのために行動するという目的が持てればよい。

そういう点では、目的も記憶する要素としては必要となるだろう。
別の項目でも書いていたが、行動には目的が必要となる。
目的は思考するためにも必要となる。

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