2021/4/10

思考と記憶の関係

思考の際に利用される要素は
記憶から想起されるという事について考える。

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まったく記憶にない要素は想起できないように
まったく記憶にない考え方は思考する要素には使用できない。

何か別の要因を周囲の環境から刺激として受けて認識し、
思考の要素として利用することはできる。
しかし、周囲からの刺激の認識なしに
記憶の想起からのみの要素で思考した場合、
記憶の中にある思考の要素のみで思考しなくてはならない。
こればかりはどうにもならない。

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思考する上で
何らかの問題に対して回答を導き出そうとした場合、
どのように思考するか。

まずは問題の認識を行うために
問題を要素に分解して認識しようとするだろう。

これは、問題がどのような意味で不都合があり、
回答を必要としているのかを認識する必要がある。

問題を知能が問題として認識するために知能が最初に行うことである。

例えば、温暖化による海面の上昇が問題になったとする。
この問題を知能が認識する際に想起すること。

温暖化
海面
上昇
問題

温暖化→(海面&上昇)×Δ時間の変化=問題
ということになるだろうか。

温暖化→ :温暖化によって
(海面&上昇) :海面の上昇が
×Δ時間の変化 :海面の上昇が時間変化、ここでは時間経過により大きくなる
=問題 :これが問題である

ということになる。

記憶から想起された内容としては
「温暖化」によって想起される内容は人によって異なるだろう。
環境問題に詳しい人もいるし、覚えたての子供達もいるだろう。
まだ「温暖化」を知らない幼子もいる。
それらの各知能において「温暖化」を認識した際に想起された
記憶の要素は各人において数も量も質も異なる。

また海面の上昇についても同様で、
普段から潮汐によって変化するような海面の高さを知っている場合もあるし、
海面の平均高さとして認識している人もいる、
海面はただ海面として認識している場合もある。

そしてそれらの要因が今後の時間の経過によって変化した場合に引き起こされる
問題として認識される問題についても各個人の知能の記憶の量によって個人差がある。
一般的な海面の上昇による問題としての
陸地の減少や、諸島の消失、
それによる生活圏の減少、食物の作付面積の減少や
津波等の影響の広域化や被害の増大、
海流の変動とそれに伴った気候変動、
これらが認識されるかどうかも知能が持つ記憶によって異なる。

何らかの問題を認識しようとしただけで
知能は自身が持つ記憶からこれだけの要素を想起する。

そして、これが問題である、
問題とは不都合が生じる状態に変化する事、
もしくは不都合が生じている状態の事と認識し、
このままの状態では価値の低い状態に変化または定常化していってしまうと
認識することになる。

何らかの問題を知能が認識するとはこういうことになる。
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問題の認識の内容

問題を問題として認識した後は
問題として認識した際に想起された各要素について
それぞれの要素が問題であると認識することになる。

温暖化が問題である
海面が問題である
上昇が問題である

というように、問題となった各要素について
思考する対象としての問題の認識がされる。

思考する際には、各記憶から想起された要素は
問題としては複合された形で1つの問題としてセットで認識していると
知能は認識しているが、
実際は想起された各要素がそれぞれ思考の対象としての問題として
認識されている。

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問題の認識後の解答へ続く思考

問題を認識した後は、その問題を解決するための解答を得ようとして
思考することになる。

問題は単に「温暖化が問題である」というような

1つの要素=問題

というような単純なものであっても、
「温暖化による海面の上昇が問題である」というような

ある要素によって起こる別の要素=問題

というような要素が複数に関係しているものであっても

それぞれの要素=問題という認識になる。

ここで行われる思考は

「温暖化が問題である」という場合では
温暖化に関する知能の記憶から解決策を想起することになる。
温暖化の問題の要素を想起して認識し、
各要素毎の解決法を記憶していればそれを想起して認識することになる。

また、
「温暖化による海面の上昇が問題である」という場合では
各要素毎の解決方法を記憶していればそれぞれの解決方法を想起して認識し、
ここからが、単純な問題との違いになるが、
要素が複数に渡るある命題に対しての解答を得ようとする場合、
各要素に対する知能が持つ解答までの解決方法を
組み合わせて新たな回答方法として認識しようとすることがあるという事である。

これが「思考する」という事なのだろうと考えた。

つまり、何らかの思考を行う際に、
命題の要素として想起された要素、それぞれが思考する対象として認識されていて
それらの要素に対する解答を1つ以上から複数に渡って組み合わせた記憶の想起を
新たな解答として認識する。
それが「思考」であるということ。

温暖化だけの解決だけでも他の要素の解決の解答として成り立つし、
海面の上昇の解決だけでも解答として成り立つ。

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温暖化の解決:二酸化炭素の排出制限、太陽光の遮光、空気中のちりの増加
海面の上昇の解決:海中生活、高地での生活、海上生活

現実的であっても非現実的であっても
問題の認識された要素毎の解決方法であっても思考した結果の解答として成り立つ
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何か別の要素がそこに加わることで新たな解決方法として認識されることもある。

万有引力のリンゴの話でもそう、
実際に知識として持っていた物体の挙動の記憶に、
リンゴが落ちる様子を認識したことで、記憶の要素が追加され
その思考の要素として組み合わせた際に、
新たな物体の挙動の様子が新たな要素として認識され
新たな発見に繋がったということになる。

新たな発見といっても自然界に元々存在した仕組みを
人間の知能が認識できる形で表現することができるようになったというだけであるが、
説明できなかった問題を説明できるように思考の結果。解答を得たことになる。

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問題を認識する以前の知能の思考

問題を問題として認識する以前の知能の段階で、
最初に遭遇することになるのは欲求に対する対処だろう。

生きる事に対する対処法を作り出す事が
最低限、生命が存続するために必要な知能ということになる。
この場合では、本能であっても構わない、
まず生命としての個体が持つ機能を使って
生き続けるための対処法を体が持っている事が重要である。
そしてその機能を使うための記憶であっても本能であっても
そういう事ができる手順を体内に持っている事。

そこから始まることになる。

生命が持つ機能を、その機能が機能するように働かせる事。
これが最初の知能とも言えるべき機構である。

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言っておくが知能といっても
初めから知能というものが存在していて
それを知能と呼んでいるのではなく、
知能として機能している様子の機構を全て含んだものが知能であるという事が
今日、分かったため、そのように書いている
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話を元に戻して、
原始的な知能の機構は単に生命を維持するための機構だけなのであるが、
これが環境の変化によって機構自体が適用できなくなったときに
新たな機構が必要になるという所が重要であり、
この段階で、知能は新たな生命維持の機構を生み出さなくてはならない。

高度な知能を持たない状態であれば、
体自体を変化させるとか、突然変異を待つ、
移動する、別の種にとって代わられる、ということになる。

高度な知能を持っている場合は、
ここで思考する事によって変化を作り出すことができる。

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知能を持った生物が優位に生物界で繁栄できたのは
やはりこの環境の変化に対する適応力ということになる。

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それと知能に限界はあるのかということについては、
人間の知能であっても人工知能であっても、
自然界に存在する全ての事象以上の知能には発達しえない。

自然界に存在する全ての事象が有限であれば、
その組み合わせた結果についても有限であり、
それ以上の知能には発達しえない。

それは、仮想や空想、想像が、現実に存在する認識しえる事象の
組み合わせに過ぎないためで、
人間が認識できない数の事象が存在したとしても、
それは有限である。

ただし、もし、宇宙に無限という要素が存在しえたなら
知能も無限に発達しえると言える。

宇宙が無限であることに期待したいものである。
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