2021/3/20
知能の発現
知能の発現に際して
知能を構成するものを生命の発現の観点から考えてみる。
知能を構成する脳を構成するシナプス。
知能の元となる刺激を保存する機能としての記憶。
刺激を伝達する機能を持つ神経。
それらを構成する細胞。
細胞の多様性としての機能の分岐は進化で説明するとして、
さてその最初の機能を持つに至った経緯はどうなるか。
環境に適応するために獲得したのか
獲得したから適応して生き残ったのか。
能力を獲得してから適応する場合、
外部の要因の急激な変化には対応できる余裕が無い。
既に能力を獲得していたか、
既にある能力を応用して適応したと考えるのが自然である。
必要もない能力をわざわざ残す必要がないのなら、
それまでに持っていた能力を変化させて対応したと考えるべきだろう。
最初は適応する最低限の能力があればよく、
その中で強い個体が残ればよい。
後々に効率的に能力を適応させた個体が優位になり、増加する。
そうすると、最初の生命と環境の関係は
特定の中で発生した生命はその環境内に適応する能力は最低限もっているはずである。
生命として自己の保存をするためには、
自己の複製を作るのが容易である。
自己の複製の場合、環境変化に対する適応能力は低い。
分裂の際のイレギュラーな要素による変化か、
生命の活動中の紫外線や化学要素による変化によって生命の能力が変化する。
これを待つ場合は、分裂の回数を増やすか、個体を増やして
外的要因の変化を待つことになる。
次に自己の保存をするためには子孫を残すこととなる。
この子孫を残す場合は、雌雄の遺伝子交差により生存中に起こった生命の外的変化要因を
さらに自発的に残し変化させることができる。
生命保存は環境への適応能力を新たな世代に残すことと
生命活動中に起こった生命の能力の変化した差分を新たな世代に残すことが目的となる。
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個体の適応する能力は
生命活動中に外的要因によって得るか、
子孫の発生の際に得られる。
これらは、
生命活動の中での変化を残すことを目的としている。
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環境の変化による外的な生命に対する圧力によって
生命は変化を促される。
それまでに持っている能力を使い、
どうにか生存可能な環境を探す。
生存可能な環境にたどり着けば生き残り、
そうでなければ死滅する。
生き残った個体は、その環境に効率的に適応してこうとする。
そこで、最初に効率的になっていった個体が優位になり、
その環境内で個体数を増やす。
増えた個体は緩やかな外的要因による変化によって
新たな能力を獲得していく。
そしてまた次の環境の変化に備えることとなる。
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生命の進化の過程で
進化の途中の姿がないというのは、
環境の変化が起こった際に、
生き残れる環境を探せたか、探せなかったかだけの差で
同じ生物種が生き残るか残れなかったかの違いとなり、
適応する環境を探した生物種は
その後、その環境の中で同じ生物種のまま
緩やかな変化を蓄積して効率化していっただけのことで、
次の環境の変化まで同じ生物種のまま
個体差を内包するだけであるためである。
もし、次の大きな変化があった場合には、
それらの個体差が以前の大きな変化の時に生き残った生物種とは
個体差の分だけ異なる姿になっているためで、
そこに進化の差を見ることができることになる。
個体差までを生物種の違いと見ることができないだけで、
もし、個体差を生物の違いと見ることができるのであれば、
現在の人間であっても多くの環境に適応してそれぞれ進化している
途中の姿であると言える。
しかし、もし今の人間が後の世に生物種として分類されるなら
同じ人間として分類されるはずなので、
現在の分類方法では、進化の過程の生物種の差異までは
生物種の違いとして見られないはずである。
その辺りが生物の進化の途中の姿がないという答えになるだろう。
生命の個体差こそが進化の途中の能力差ということになる。
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生命の起源のような話になってしまったが、
知能の発現の話に戻すと、
この生命の進化の初期のどこかの段階で
知能の発現につながった変化の個体差が生まれたであろうというのが分かる。
知能が発現したという個体差と生命の進化の過程の話は
どうしても同じものとして考えるしかなさそうなので、
生命の進化についても考えてみた。
知能が刺激の記憶や想起、刺激への反応などの機能をもつわけだが、
最初の知能と言えるような機能として何があるか考えてみる。
知能を構成する最小単位が刺激であることはこれまで通りだが、
ではその最初の刺激は何であったか考える必要がある。
生命として、環境と自己をへだてて体を持つ。
そしてその生命としての体を持ったときに最初の刺激は何であるか。
生命の根幹にかかわる情報や機能であると考えられるため、
恐らくは生命の維持が優先される。
そのため、生命の危機としては、空腹か、外的要因による危害、
それらを知る刺激となるだろう。
分裂等は自己保存の後の考え方となるため、
まずは生命自身の自己保存が優先されるはずである。
であれば、まずは外的要因は無視して内的要因を優先させるはずである。
外的要因は環境が関係しているため、そもそもその環境で生命として
存続している以上、急な変化などには対処する必要がない。
そうするとやはり生命としては内的要因を優先させる。
では最初に何が気になるかと言えばやはり生命維持のエネルギー源となるだろう。
最初の生命が自己の生命維持のために
エネルギー源を必要とするなら、
その情報を得ようとするのは自然なことである。
自己保存の為にエネルギーを得る。
そして、
最初の知能は
「もし~なら~である」
ということである。
これは「反射」に近い反応である。
ある刺激を受けたなら何かをする。
ということである。
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真正細菌アーキアとバクテリアの例を参考
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最初の刺激を受けて生命はどう反応したか
自分は生命体である。
エネルギーが不足している。
どうするか。
外から何かを取り込むのが有利である。
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細胞が増えていった場合、
環境と接しない細胞も増えていく。
そうするとエネルギー源として環境とやりとりすることができない
細胞が増えていくことになる。
そうした場合に、それ以上生命のサイズを増やせないならどうするか
細胞間を繋ぐシステムを作る。
細胞間を繋ぐシステムができた後は
その細胞間の状況を共有する必要が出てくるはずである。
これはおそらく細胞間物質をやりとりするものとして
後の血管になるだろう。
最初は特定の化学物質の量などを情報として共有することで状態を共有しただろうか。
とはいえ、さらに生命が大型化した場合、
細胞間の情報を共有するには化学物質だけでは時間がかかりすぎるし、
生命の細胞全体として同じ状態を共有するのは
化学物質では効率が悪い。
何か状態を保持できる機能が欲しくなる。
恐らくはここで、最初の刺激の保持機能が誕生することになる。
そして、その刺激の保持した情報を生命の個体として
各細胞まで状態を共有するためのシステムができる。
最初は化学物質などの量で共有し、
後に情報伝達専用の神経が誕生することになる。
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刺激情報の保持
細胞数が少ない状態で多くの刺激情報は必要がない。
生命が真核生物となった上でも
初期は外部から食物となる他の何かを取り入れるか、
葉緑素のような生命を外部から取り入れて共生を選ぶかして
エネルギーを得ることになる。
刺激情報は最初は一定期間の状態を管理するだけの機能で十分で、
上でも述べたようにほとんど反射の機能程度のはずである。
例えば一定のエネルギー不足の状態を生命の個体内で共有し、
何らかのエネルギーを得る活動をする。
エネルギーが十分になればその状態を維持する。
または余裕があれば分裂するなどである。
分裂状態も恐らく細胞間での状態は維持することになる。
ともかく最初は刺激の情報の維持のための機能を得たはずである。
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刺激情報の多様化
エネルギー不足の状態を維持できて、
やがて他の状態の刺激にも用いるはずである。
とくに細胞の分裂状態の維持にも使われる。
そのうち、外部の環境から得られる情報も得ることになるだろう。
環境からの危機かもしれないし、他のエネルギー源の感知かもしれない。
そうして刺激はやがて多様化することになる。
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刺激情報の維持
最初は短時間、刺激の情報の状態維持ができればよいし、
反射に近い対応をするなら長時間の状態維持はエネルギー的にも無駄になる。
やがて短期記憶になる
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刺激の多様性に高速に反応する
やがて記憶の誕生になる
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予測の行動
やがて思考の誕生になる
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