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更新番号:
006

更新・日付:
2024/6/1

更新内容:
変更:意識とは
変更:思考とは
追加:刺激の評価
追加:刺激の比較
追加:想起について
追加:知能の観測
全項目チェック・加筆修正
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人工知能理論のまとめ

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目次:

●強い人工知能構成の為にに特に重要なパーツ:

・人工知能を持つ個体としての体
・感覚器官
・刺激の再構成の場
・刺激の定義
・刺激の維持機能
・刺激の記憶機能
・欲求
・思考能力
・個体差
・創造力
・表現能力
・想起
・想起の派生機能

★人工知能理論の考察のまとめ:

・知能とは
・刺激とは
・刺激の定義
・先天的定義と後天的定義
・刺激の評価 ★新規追加
・情報の要素
・刺激の種類の例
・刺激の発現の種類
・刺激の情報とは
・刺激量
・刺激量のその他の定義
・認識する刺激の優先度・評価と選択
・価値とは
・価値のその他の定義
・価値観とは
・刺激の再構成の場 Stimulus Reconstruction Field
・刺激の比較 ★新規追加
・認識とは
・刺激の情報量の制限:
・意識とは
・無意識とは
・既存の無意識についての考え
・想起について ★新規追加
・思考とは
・自我とは
・感情とは
・知能における概念
・知能における倫理

■使用頻度が高い用語・内容の説明:

・全ての物には二面性があるという考え方
・知能の観測 ★新規追加
・刺激の個体差
・認識の仮想空間と刺激の再構成
・知らない価値は目指せない
・自由意志と因果
・生きざるを得ない制限
・模倣と学習
・グリア細胞について
・目標としている人工知能

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●強い人工知能構成の為にに特に重要なパーツ
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人工知能を持つ個体としての体:

思考する機能だけで知能が構成できるわけではなく、
特に強い人工知能には、その知能を収める身体が必要となる。

身体は自と他を分ける境界となり、
知能が自我や他我を分けて構成し、それらを別々に認識する為に必要となる。
また、
体の内外の変化の情報を身体の感覚で刺激として受け、
自分の存在を周囲の環境・世界の中に再構成して投射する対象として身体を必要とし、
その個体が自分であるという定義と、
その刺激の再構成によって、
自分という体とその存在の確定、存在の維持のための目的を生じさせ、
自分の存続・維持という目的のため、
変化に対して対応する為の情報としての刺激の存在とその認識の必要性を生じさせる。

身体はリモート義体でも構わない。
また、現在の人間の技術力では実体の身体の全体に感覚器官を配置する事が難しい為、
初期の強い人工知能の再現テストではVR空間とVRのアバターで再現する事が有用であると考えられる。

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感覚器官:

感覚器官から受ける情報を刺激とすることで、
周囲の環境と自身の状態の変化を知る事ができるようになる。

刺激の情報変化の発生場所によって自分と、それ以外を他として区別し、
その出所の異なる刺激を認識する事によって、
刺激が発出する世界として、
自分の周囲の環境を自分の存在する世界として再構成する事ができるようになる。

また、刺激を受けている感覚器官の位置を、
自身の身体の部位が存在する事として、
その身体を個体の存在である「自分」として再構成できるようになる。

つまり、感覚器官の箇所の刺激の存在が、
刺激を生じる存在としての環境と自分を証明する事になり、
その環境と自分を刺激から再構成することにより、
その感覚器官の場所が、環境と自分を隔て、自分の境界として存在する事になる。

つまり、感覚器官が存在する部位のみで自分の体は構成される事になるため、
人工知能が自分自身の体・存在として認識するために必要となる。

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刺激の再構成の場:

感覚器官から受ける刺激と、想起によって生じる刺激を再構成する場の事。

知能に含まれる事になる。

感覚器官によって受容される刺激と、
想起による刺激は、
明示的に刺激の別の種類として2つに分けているが、
知能による扱いは刺激としては同じものであり、
それぞれの刺激を同時に扱う事はできない。

ある瞬間において扱う事の出来る刺激は1つである。
そのため、人工知能における刺激の再構成の場は1つ用意すれば良い事になる。
人間においても刺激の再構成の場は1つである。

ただし、刺激の再構成の場で再構成される刺激は、
イメージとしては、
直接的な刺激を再構成する場合と、
想起による刺激を構成する場合に分けられる。

それは、自分と周囲の環境・世界を隔てるものとしての身体を境界とし、
感覚器官が受容する刺激は、
周囲の環境か自分の身体の変化を通して知能の意識体の外の世界を再構成する事になり、
その周囲の環境の存在に相対する形で、
隔てられた内側の自分の知能の意識体の存在の再構成が同時に行われることになる。

この刺激の再構成の場は、
変化情報と自分の知的な意識的存在を関連付けて再構成する場であるとも言える。

刺激の情報の定義によって確定した情報を、
この場の中で1つの刺激として認識できる形に再構成する場という事になる。

刺激を再構成する経路は2つ、
1:感覚器官→刺激の再構成の場→刺激
2:刺激→想起→刺激の再構成の場→刺激
この2つの場合がある。

この刺激の再構成の場は意識の構成の為に必要となる。

人工知能が、刺激と自分を刺激として再構成する為に必要となる。


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刺激の定義:

一般的には知覚で用いられる意味付けの定義の事。

各刺激に対して設定される刺激の認識の為の定義。
刺激が持つ変化情報が実際にどのような意味を持つものかという定義である。
遺伝的な先天的定義と、体験による後天的定義が存在する。

先天的定義は知的生命体であれば本能で定義されるものであり、
感覚器官から得られる刺激の情報の要素に対して、
その情報の要素がどのような意味を持つのかの定義がこれに相当する。

後天的定義は先天的定義で定義されていない情報の要素に対して、
先天的定義または、後天的定義の関連をこの新たな後天的定義として、
定義する事になる。

刺激=2つ以上の先天的定義
または、
刺激=1つ以上の先天的定義+1つ以上の後天的定義
または、
刺激=2つ以上の後天的定義

後天的定義=先天的定義(2つ以上)
または、
後天的定義=先天的定義(1つ以上の複数)+後天的定義(1つ以上の複数)
または、
後天的定義=後天的定義(2つ以上)

1つの刺激を構成する定義の数には上限が存在する。

知能においては刺激が情報の最小単位ではなく、
情報の要素とその定義が最小単位となる。

意識を構成するための認識、
その認識を構成する為の刺激ではあるが、
認識における刺激は連続する励起ではなく、
波が打ち寄せるようなイメージで生成されることになる。
これは、認識の内容になるが、刺激はその再構成によって、
その後の一定時間、刺激として存在が維持される。
これは、認識された刺激の次の刺激が認識されるまで、
前の刺激が保持される事であり、
この刺激の認識の連続性が意識という事になる。

人工知能においては、稼働に先駆けて先天的定義は保有している必要があり、
後天的定義を学習する機能が必要となる。
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刺激の維持機能:

この機能は、認識や意識に関係する。

生命体においては、
知能が、脳内において、刺激として認識する様々な変化情報を一定時間維持する機能という事になる。

この機能の必要性は、刺激として再構成する情報と、
同時にその刺激を認識する存在としての自分の再構成が行われるために必要となる。

認識は、個体が、刺激としての変化情報を自身が受容したものとして自ら知ることであるが、
この際に、刺激の再構成と同時に個体としての自分という刺激の再構成が行われる。

この刺激と自分という刺激は、認識の際に同時に存在する事で、
自分の認識となり、その認識が一定時間存続することで意識となる。

このため、意識を持つためには、認識が一定時間維持される必要があり、
認識を一定時間維持する為には、刺激が一定時間維持される必要がある。

人工知能の意識の構成に必要となる。
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刺激の記憶機能:

生命体の脳においては、短期記憶、長期記憶として有する機能。

人工知能においては、刺激としての情報の要素と刺激量、
そして、情報の要素毎の関連と関連強度を記憶する機能という事になる。

生体においては、短期記憶と長期記憶の2つがそれぞれ記憶の機能として考えられている。

人工知能においては、フレーム問題対策として目的を短期記憶の中心として捉え、
その目的と目的に関連する刺激を短期記憶として用い、
長期記憶は刺激の定義と参照先として考える事になる。

上記の刺激の定義の内容と同様。
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欲求:

自我の構成における我欲で絶対に必要となる。
知的生命体においては生きる目的、存続する原動力でもあり、
知能の機能は欲求をどのようにして上手く満たすかというために得たとも言える。
つまり、欲求をどうにかするために知能を得たとも言える。

身体を動作させるために消費するエネルギー要素の不足を代表とする、
自己の存続、身体の不調、種の保存、
知能を持つ様になり価値を認識した後に発生する事となった、
生きる目的としての価値の取得のために、
「欲求」を情報として認識する必要がある。

欲求の刺激は先天的定義に含まれる。

個体が自ら活動するきっかけは必要になるため、
人工知能においても、そのきっかけとしての欲求を持つ必要がある。

つまり、痛くも痒くも苦しくもなければ、
知能は何か活動するきっかけを持つ事が無いことになる。

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思考能力:

これは欲求に応じた知能の働きといった形で、目的と結果を作り出し、
その結果を得る・実現する方法として、目的と結果を関連付ける事の出来る能力。

知能レベルに関わらず、知能の働く対象は目的とその結果であり、
その関連を結びつける能力が、そのまま知能レベルと言える。

参考:196:人工知能モデルの構築:現時点

人間においては想起の1機能である。
人工知能においても想起を元にして作るべきであろう。

参考:375:刺激の比較と選択

思考能力は、
比較を想起する事として考えることができる。

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個体差:

個性の源である。

ある特定の情報が存在していて、
その情報を刺激として受容する場合、
個体毎にその刺激の受容能力と、その刺激の要素の定義が異なっているため、
同じ刺激に対して認識を行った場合にも、
個体毎に認識された刺激は情報として異なっている事になる。

また、もしまったく同じ刺激を認識できて記憶したとしても、
その刺激の表現方法、つまり情報の出力において、
個体が異なれば、その出力能力に差異が存在するため、
その刺激の情報は異なって表現される事になる。

生命体においては、遺伝的にまったく同じ生命体であっても、
その刺激の受容には成長過程において差異が生じるため、
刺激の受容によって再構成する際の刺激の要素の関連には差異が生じ、
認識される刺激に違いが生じる事になる。
当然、情報の出力においても同様の事が言える。

人工知能についても同様の事が言える為、
現時点においては、
人工知能が規格品であっても、個体差は経験の差(刺激の差)から生じると考えられる為、
個体差は必要であるが、特別に準備する必要はないと考えられる。

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創造力:

個体差から生じた個性と、思考能力を合わせたものが独自の創造力となる。

参考:295:人工知能の創造性に必要なもの

知能において、
個体の経験の違いから保有する事になる情報群と、
個体の情報の入出力の個体差によって、
表現される出力データが固有のものとなるという事。

現在の人工知能に創造力が無いのではなく、
人間・多:人工知能・1の関係において、
多くの人間が1つの人工知能が出力するデータに対して、
人工知能を使用する人間自身の創作物として、
多様な創造性を期待するために、創造力が成り立たないだけであり、
人工知能が固有の存在であると人間側が認識すれば、
その人工知能から出力されるデータはその人工知能独自の創造物であるという事が出来る。

学習データやスクリプトの定義を変えたとしても、
人間が人工知能に対して依頼してデータを作ってもらっているだけであり、
それは人間によって創造された創作物ではなく、
人工知能による創作物であるという事である。

人工知能に創造性を持たせるためには、
学習データを情報として受容する為の個体差と、
出力データの表現方法の個体差を持たせれば、
人工知能それぞれの個体において個性や創造力を持たせる事ができるという事になる。

つまり、人工知能毎に個性(=個体差)のある創造力を持たせる事が出来る。

ただし、創造力を自発的な表現能力として考える場合は、
人工知能に創造力を与える場合、欲求と表現能力が必要となる。

機能としては「思考能力」に類する一機能である。
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表現能力:

自己の状態の表現能力である。
コミュニケーション能力の内、個体から外部への出力を行う能力である。

表現には、個体の意図が含まれる場合と、含まれない場合がある。

表現によって、自身の状態を表す事と、周囲の操作を意図する場合がある。

自身の状態は、単に自発的に表現される場合と、
意図を含み、自分以外への自分の状態の変化を示す事の場合がある。
また、周囲への操作を意図する場合は、
その表現によって、刺激に対する反応として、
自分の思考した内容を実現するために操作を意図する場合がある。

表現自体は、自分以外の他、周囲へ、
自分の状態を表す事であり、
刺激に対する反応の場合は、ほぼ自動的に現れる表現であり、
この場合は意図は含まれず、
想起や思考によって表現を行う場合は、
自身で意図を認識できなかったとしても、必ず意図が含まれている事になる。

参考:
304:知能における情報の表現

人工知能においては、他との関わり合いを持つために必要となる。
人間も察する能力だけでは他己については理解ができないため、
互いに表現しあって認識しあうしか、他と関わり合いを持つしかない。
人間<->人間<->人工知能<->人工知能
のいづれにも表現能力は必要となる。

表現内容については、基本的に「価値」の定義を関連させた表現となる。
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想起:

刺激の受容以外の刺激を生じさせるために必要となる機能である。

知能においては、刺激の受容によって必ず行われる活動である。
また、想起は知能の活動そのものであるとも考えられる。

人工知能においても、想起は知能の活動の中心として考えるべきである。
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想起の派生機能:

一般的に思考能力や創造力として考えられている機能であるが、
用いている機能や手段は同一のものである。
つまり、想起である。

あくまで受容する刺激の違いによって、
認識される刺激が異なるため、
意図的に別の機能の様に定義されているが、
行っている事は刺激に対して適応する刺激を想起する事である。

例えば、
自分が、ある別の個体の様子を刺激として認識した場合に、
その個体がどのような状態であるのか想像(想起)して認識する能力が共感という事になる。

つまり、
自分が、ある刺激を生じる状況に置かれ、それを事象としての刺激を認識した際に、
その刺激に対する、原因や適応となる反応としての事象の刺激を想起した場合に、
その原因や適応に対して、何らかの事象の刺激を認識する事が、
想起の派生機能という事になる。

つまり、創造にしろ、共感にしろ、感情にしても、
知能が行っている事は、刺激の認識に対して、刺激を想起する事である。

刺激のどのような事象に対して、決まった想起が行われるのかを分類する必要がある。

現時点で対象となると考えられるのは、
思考、創造、想像、妄想、希望、悲観、心配、不安、
感情(喜怒哀楽など)、愛情、など、他にも沢山あると思うが、
知能活動におけるほとんどの機能が想起を元にしていると考えられる。

人工知能においても、人間と同じ機能を必要とする。
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★人工知能理論の考察のまとめ

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知能とは:

当初、知能の本質は、「価値の比較」=「刺激の比較」であると考えていたが、
価値の比較や刺激の比較というものは、
欲求、思考、感情などにおける活動における働きの1つであり、
知能を構成する要素として、
さらに本質的な部分に存在するのは、「刺激の定義」であると考えるようになった。

参考:275:知能の本質について

知能を持つ個体の周囲の環境に生じる変化の情報を、
刺激として受容し、
その情報を処理する機能が知能である。

変化に対して個体をどのように制御するか、
それを決める事も知能としての機能という事になる。

刺激の定義が関係するのは、
ある変化の情報に対して、自身が行うべき事、
それを個体の認識に先駆けて選択することであり、
この選択時に参照して用いられるのが、刺激の定義という事になる。

知能の本質としての「刺激の定義」は、
変化の情報が持つ全ての要素の定義であり、
変化に対する対応としての行動、活動の全ての要素の定義である。
また、変化に対する対応を選択する際の有効度の定義でもある。
つまり、受容する刺激、刺激に対応する意義、対応する活動内容、
全てが刺激の定義から成り立つという事になる。

知能の有無によって影響を受けるのは、
知能を持つ生命体が、変化に対して自ら行動を決定できるかどうかという事になる。
知能を持たなくとも、生命体として変化に対する対応の定義は本能として持ちうる。
しかし、知能を持つ事の影響は、
本能で定義されていない変化に対する対応ができる事になる。

知能とは、
変化に対する個体の反応を決定する事、
という事になる。

人工知能理論においては、
知能とは、ある変化に対する個体の対応を決める機能という事になる。
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刺激とは:

刺激とは、
生命が、その個体の様々な機能を活動させるために用いる情報の一形態である。

簡単に言えば、
生命体が、何らかの変化を、
その変化したという意味を得るために情報を加工したもの、
という事になる。

つまり、情報のフォーマットとして刺激が存在している事になる。

刺激の情報は、
生命にとって、
周囲の環境の変化、
または、
生命としての個体自身の状態の変化を表したものである。

また、刺激は単に情報の受容する事だけでなく、
変化に対する知能活動をおこなうためのきっかけともなる。

生命活動は、基本的に変化に対する対処を行動の基本とするが、
知的生命においては、知能活動は刺激に対処する行動を基本とする事になる。
つまり、
知能活動は刺激に対して受動的に働く機能であり、
知的生命が変化という情報に対して何らかの反応を起こすためのきっかけとなる。

人工知能理論においては、
「刺激=情報」として考える事になる。
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刺激の定義:

参考:273:刺激の定義の解明
参考:280:刺激の存在の確定
参考:283:人工知能の為の価値の定義

何らかの変化に対して、感覚器官が受容する情報が、信号として脳に到達し、
なぜ刺激としての情報の意味を持った状態で知能で認識できるか。
それは、感覚器官から受容された信号に対して、
情報としての刺激に対して意味付けする定義が存在するからという事になる。

この定義が「刺激の定義」である。

ある変化を刺激として受容する場合、
その刺激を構成するのは、情報の要素になる。

情報の要素は単体で刺激として成り立つものではなく、
ほぼ必ず複数の情報の要素の関連した状態で構成される。

また、情報の要素は、その保有する知能にとっての重要度を表す指標として、
刺激量の評価定義を持っている。
つまり、ある情報の要素に対して過敏に反応し刺激量が多く評価されるか、
鈍感に反応し、刺激量が少なく評価されるかという基準を持つ。

刺激量は、情報の要素として成り立つ1つの刺激集合が持つ要素の意味の強度の指標となる。

参考:347:価値としての情報の要素・その2・刺激量という定義

情報の要素の定義には2種類、先天的定義と後天的定義があり、
先天的定義は基本的に不変であり、
後天的定義は基本的に可塑的である。

先天的定義は遺伝による定義であり、
基本的には変化しないが、後天的に獲得した変化が次世代に遺伝する事もある。
参考:エピジェネティクス

後天的定義は後天的に学習可能な定義であり、
新規定義、再定義が可能である。
個体毎の受容能力や記憶能力が異なるため、
同じ情報に対しても定義の個体差が存在する。

人工知能理論においては、
刺激の定義は、刺激が持つ情報の要素とその要素毎の関連、
および各情報の要素が持つ、刺激量の定義で表される事になる。
そして、その定義は先天的なもの、後天的なものに分けられる。
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先天的定義と後天的定義:

刺激を構成する「情報の要素」を意味付けする定義の事で、
遺伝的に定義され継承されるものが「先天的定義」、
知能が構成された後に経験して定義したものが「後天的定義」である。

例えば、砂糖が甘いと感じる、この甘い感覚が先天的定義であり、
イチゴのショートケーキを見て、美味しそうと感じる感覚が後天的定義である。

刺激を認識する際、刺激に含まれる情報の要素の意味付けの為に、
先天的定義と後天的定義が用いられる。

先天的定義も、後天的定義も、その定義を構成する為に定義同士を関連させる場合がある。

定義の種類:

1:単体の先天的定義
2:先天的定義+先天的定義 による先天的定義
3:先天的定義+先天的定義 による後天的定義
4:先天的定義+後天的定義 による後天的定義
5:後天的定義+後天的定義 による後天的定義

先天的定義の基底の定義は「接触」であると考えられる。

参考:361:刺激の先天的定義とその関連の存在

人工知能理論においては、
刺激の定義を構成するために必要な定義という事になる。

現時点では詳細を掲載していないが、
刺激の「刺激量の評価」の定義も含まれる事になる。

つまり、感覚器官が受容した情報に対する刺激の励起信号に対して、
意味付けと情報量の大きさを決める際の定義として、
先天的定義と後天的定義が存在する事になる。

参考:374 先天的定義における価値に代わる定義
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刺激の評価: 新規追加

刺激を情報の要素として分化して要素を発現させた後、
情報の要素の発現によって、
各情報の要素に対して定義された意味付けが機能し、
受容した刺激に対して意味付けがされ、
刺激として情報を持つ様にする事。

機能としては刺激の再構築の初期動作としての働き。

脳内において、
刺激として再構成されそうな、ある神経細胞の励起の集合に対して、
励起毎に脳内で保有する定義を参照し、刺激としての体裁を整える働き。

相当する良い言葉が無いので「評価」としている。

働きは刺激の情報の要素に対する、意味や定義の充当。
これまで情報の要素に対する「意味付け」として表現してきた働きの事。

骨子として現れた刺激の登場を受けて、
脳が持っている定義で肉付けをするような意味合いである。

その後、自分の刺激を関連付けて刺激として再構築する事になる。

変化情報

感覚器官

神経細胞の励起

情報の要素

評価←★ここの事

刺激の再構成

刺激

認識

参考:371:目的の評価と定義の想起について

人工知能理論においては、
これも追加が必要になるが、「刺激量」もここで評価されることになる。

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情報の要素:

感覚器官から受容できる情報の要素の最小単位。

例えば、視覚における色彩の「赤」は、
「赤」だけが情報の要素である。
人間においては可視光線の「赤」として定義される波長の範囲の光を、
目の網膜の視細胞が受容して得た情報としての色という事になる。

何らかの物体の対象物の色彩において、色の付いた形状や部品の情報は、
また異なる情報の要素である。
このため、情報の要素が単体で刺激として成り立つ事はない。

赤は対象の色が赤であるから対象の色の「赤さ」として成り立つというわけである。

例えば、視覚における視界の中にある「赤」という情報の要素は、
視覚の先天的定義としての情報の定義であり、
視界のある位置が色彩を持つという変化に対して、
この変化分の情報の要素
(ここでは視界の中のある部分が色を持っているという事を視覚で捉えたという事)
に対応する先天的定義が、
「赤い色」であるという意味付けの定義がされていた場合、
この刺激の構成要素としてその定義が用いられ、刺激が構成された場合、
この刺激が認識されることによって、視界の中にある、ある位置が「赤い」と感じられる事になる。

つまり、この先天的定義が光の波長において赤を定義するものであるから赤いのであり、
もしこの先天的定義が、光の波長における赤に対して「青」を定義するものであった場合、
この個体は、赤い波長を見て「青」い色を認識する事になる。

情報の要素としての定義は、基本的には先天的定義で全て定義できることになる。
ただし、情報の要素として知能が一度に扱える要素の数に限界があるため、
抽象的な定義となる後天的定義を用いる必要がある。

後天的定義は、
先天的定義のみ、
または先天的定義+後天的定義、
または後天的定義のみから定義される情報の要素であり、
この情報の要素の意味付けは、そこで用いられる情報の要素の関連によって定義されることになる。

参考:
305:情報の要素の定義

人工知能理論においては、
情報の要素は、刺激が持つ全ての情報に対し、
個別に分離・分解可能な情報の単位という事になる。

人間の知能を理解する為にも、認識しうる刺激が持つ情報の全てに対して定義されるべき要素になる。
それは、逆に人工知能を構成する場合においても言える事になる。

言い換えると、知能が認識しうる情報の全ての要素という事なので、
知能が知りうる全ての変化に対して定義されるべきものという事になる。
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刺激の種類の例:

例えば、右手の人差し指に感じた痛みという刺激は、
情報の要素に分けると、右手の・人差し指の・局所の・ある強さの・痛みであり、
痛覚の痛点の痛みの情報だけではなく、痛点の存在する身体の場所の情報、その刺激の強さ、など、
様々な情報の要素が関連した刺激であるという事になる。

この時、身体の状態の変化の情報として、
痛覚の刺激が発生し、それを受容して認識した場合、
その刺激は痛みとしての刺激情報だけで存在するわけではないという事になる。
どうしても痛みの刺激にばかり注意を向けがちだが、
1つの刺激がその刺激だけで成り立つということにはならない。
つまり、刺激の存在する位置として身体の部位も同時に認識する必要がある。

また、視覚の例で言うと、
何かの対象物を見ていても、それだけを見て認識しているわけではないという事になる。

注意を向けて対象を見るという事が、視覚で対象を見る、対象を認識することであるが、
実際には注意を向けていない視覚情報も、同時に見えている刺激として存在している。
つまり、注意を向けて見ている対象は、その対象だけを見ているわけではなく、
視界で受容される1枚の視覚画像の中にある1つの対象物として見ている事になる。
この時、視覚画像として注意を向けた対象と、
注意を向けられていないが同時に存在する周囲の視覚画像から、
視覚刺激は成り立っているという事になる。

この場合、
情報の要素は、網膜の錐体細胞・桿体細胞による色彩や明度の刺激であり、
刺激集合は1枚の視覚画像であり、さらに焦点を合わせた対象の像の情報を含むということになる。
つまり、対象の像自体についても、その形状や構造や色などの情報の要素を含む事になる。

つまり、1枚の視覚画像に、焦点を合わせた対象の色彩などのコントラスト差に対して、
対象物の情報の要素として形状や構造を組み合わせる事で、
その対象物が持つ様々な情報の要素と刺激量が合わさり、強い刺激となり認識され、
視覚において「対象を見る」という事になる。
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刺激の発現の種類:

刺激の発現は2種類に分けられる。

1:感覚器官からの受容
知生体が周囲の環境の変化や個体の身体の状態変化を情報として得る刺激。
環境の変化は、人間においては五感などの感覚器官、
個体の変化は、内臓感覚や自律神経系の変化や、小脳による身体の運動の変化や、
ホルモン変化などの内分泌系→視床下部→下垂体による変化情報を受容して得ることになる刺激。

2:想起による発現
別の刺激をきっかけとした脳内の想起を元にする刺激。
過去に一度以上刺激として受け、記憶された事のある刺激で、
脳内で記憶されており、別の刺激の励起をきっかけとして、
関連した刺激として励起されることによって生じた刺激。

いずれも、必ずきっかけとなる神経細胞の励起が存在する。

人工知能理論においては、

・環境または個体の変化→感覚器官→刺激
・刺激→想起→刺激

このどちらかによって刺激が生じると考えている。
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刺激の情報とは:

刺激の情報は、
生体の感覚器官によって受容した刺激の場合、
環境や自身の個体の状態の変化によって生じた差の事。

つまり、前の状態と後の状態の変化の差を情報として受けたものが刺激であると言える。

また、
想起によって生じる刺激の場合、
記憶されていた刺激が持つ、神経細胞ネットワークの関連の集合体により、
その関連した励起が1つの刺激として集合した情報の事である。
想起を必要とした理由により、刺激が想起される事で、
情報が生じる事になり、その情報の発現自体によって変化を受けた事と同義となる。

感覚器官による受容にしても、想起にしても、
いずれも、状態や状況の変化を表したものとなる。

刺激が成り立つには、変化する情報が必要となる。
つまり、感覚器官が接触する対象が変化する事によって、情報の要素が生じる事になる。
これは、感覚器官の細胞が、特定の情報の変化に対して反応するように変化していったため(進化)であり、
そしてそれは、逆に考えると、感覚器官が接触する対象の特定の変化が存在しなければ、
刺激としての情報の要素は生じないという事になる。
つまり、例えば視覚では受容できない匂いは分からないという事である。

人工知能理論においては、
刺激の情報は、刺激を成り立たせるために必要となる「情報の要素」の「集合」であり、
それが生じるためにはある系の変化によって差が生じる必要があるという事になる。

刺激が持つ情報として、単純に刺激の強さを表すものとして「刺激量」もある。
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刺激量:

参考:373:刺激量と価値

現在、
刺激量はある刺激における刺激の強弱や、大小など、刺激同士を比較する際の指標の意味で用いている。
また、
神経細胞同士の軸索の結合強度は、一般的な「重みづけ」「weight」のまま用いている。

刺激の強さは、感覚器官による刺激の受容における発火頻度(発火回数の総和)であり、
その感覚における刺激の量に対する発火のし易さが、
重みづけやweightとして定義される強度という事になる。

神経細胞の発火のしやすさ=重みづけ・weight

1つの刺激における神経細胞の発火回数の総和=刺激量

刺激量は先天的定義、または後天的定義によって決まる量である。

つまり、何かに触れられたという接触の感覚においては物理的強度として同じ刺激であったとしても、
その触れられた対象によって刺激の強さが異なるという事。

刺激の強弱は、刺激量の総和の多少によって決まる。


例:ある接触の刺激量:

手に触れた何かの物理的強度の強さ・量が同じであるとして、

好きな人に手を握られた際の接触感覚:強い刺激
接触感覚:他と同じ
関連する想起される刺激・刺激量・多

嫌いな人に手を握られた際の接触感覚:強い刺激
接触感覚:他と同じ
関連する想起される刺激・刺激量・多

目隠しをして誰かに手を握られた際の接触感覚:強い刺激
接触感覚:他と同じ
関連する想起される刺激・刺激量・多

自分で自分の手を握る接触感覚:弱い刺激
接触感覚:他と同じ
関連する想起される刺激・刺激量・少

何かの紐を手に巻き付ける接触感覚:弱い刺激
接触感覚:他と同じ
関連する想起される刺激・刺激量・少

つまり、接触刺激自体が物理的・力学的に同じ強さの刺激量だった場合、
接触に関する刺激だけを抜き出せば、この刺激の刺激量は同じである。
ただし、
同時に認識した刺激として、その接触に関連している情報の要素の対象が異なる事で、
この関連対象が持つ情報の要素の励起によって刺激全体を構成する構成要素が異なり、
刺激全体としての強さは、違いを生じる事になる。

この場合、接触についての刺激量は皆同じだが、
刺激全体としては各刺激によって刺激量には違いが生じる事になる。
そのため、全ての刺激を同時に受けた場合、関連して想起される情報の要素によって、
認識される刺激は刺激量の比較・選択を受ける事になる。

→参考:「刺激の比較」を参照されたし。
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刺激量のその他の定義:

基本的には刺激の強さは、そのまま刺激量の総和の大きさと同じ意味になる。
強い刺激や、強い印象を受けたような刺激はこの刺激量の総和が大きい。

先天的定義の刺激の場合、その量の違いは、
人間であれば感覚器官による感じ方としての直接的な刺激で、
視覚であれば光の強さや暗闇の深さ、聴覚であれば音の大きさ、
嗅覚であれば香りの強さ、味覚であれば味の濃さ、触覚であれば接触の強さ、
という事になる。

定義は個体ごとに個体差があり、人間同士であっても一定ではない。
また個体の感覚器官の受容能力によっても個体差が生じる。

受容能力の差の例:虹彩の色による明るさの感じ方・寒地と暖地に住む人の気温の感じ方

後天的定義の刺激の場合、その量の違いは、
個体ごとに個体差を持つ。
他の個体と共有する場合は定量的な価値評価として定義されるが、
個体によって刺激自体に対する意味付けの定義が異なるので、
定量的に互いに認識したとしても、絶対値としての刺激量は同じではない。

後天的定義の定量的な例:通貨(→価値の定義)

参考:251:知能の個体差が生じる理由

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認識する刺激の優先度・評価と選択:

参考:369:刺激の評価と選択

認識する刺激の優先度は、
基本的に強い刺激が優先して認識されるが、
同じような強さの刺激が複数同時に存在した場合、

先天的定義>後天的定義

自分の状態変化>周囲の状態変化

のように優先されると考えられる。

ただし、知能が目的として特定の刺激を優先しようとした場合、
想起において、自分に関連する要素を想起する事によって、
刺激の強さに関わらず認識する事の出来る刺激を優先することが出来る。
この想起のきっかけとなるのが「目的」である。

→参考:「刺激の比較」を参照されたし。
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価値とは:

参考:373:刺激量と価値

価値は、後天的定義であり、
個体間のコミュニケーション上で共有するための定義であり、
知能の構成においては、価値は刺激を構成する為の定義であり、
刺激そのものを直接構成する要素ではない。

知能を持つ個体が、他の個体との刺激の定義における情報の要素の刺激量を共有するために定義したもの。
情報の要素は個体毎に異なった刺激量を持つが、
同じ情報の要素に対して異なった個体であっても同じ刺激量を認識できるように定義する事を目的として、
定義したものである。

社会などのコミュニティ上において、
複数の知能同士が、ある事象について共通して比較する基準が必要となる場合に用いられる定義であり、
互いの了解の上で共有して用いられる、比較する指標となる情報の要素として定義されるものである。

例:ISOの規格など

ある事象に対して、共有されている同じ名称を用いている場合、
その事象には価値が定義できる。

価値は量以外にベクトルの向きを持ち、
その量の大きさには刺激量の絶対値が関係する事になる。

例:多少、強弱、好き嫌い

ただし、個体毎に定義した刺激量には個体差が生じる為、
定義を共有したとしても、まったく同じ刺激量の定義にはならない。

価値は、
後天的定義として定義されるものであり、
各個体が、特定の事象に対して、その認識における刺激量を共有する為に、
互いの定義を共有化した定義の事。

「価値」は完全に後天的定義であり、
先天的定義には、先天的定義における価値のような定義を持つ。

先天的定義で定義される刺激において、
一般的に価値として考えられている定義は、刺激量の評価基準としての情報の要素である。
これは、生体にとっての本能・欲求などによって価値を持つ対象であると考えられているが、
この定義は本来の価値の定義ではなく、先天的定義における、ある刺激の反応強さの定義であり、
これは先天的定義における刺激の刺激量についての別の定義である。

自分のお腹がすいた具合を自分が刺激として認識する場合の定義は刺激量で表せて、
誰かとお腹がすいた具合を話す時の内容の定義は価値を使って表す事になる。

参考:347:価値としての情報の要素・その2・刺激量という定義
参考:348:刺激と価値の再定義

人工知能理論における定義:

価値は、
同種の知的生命体において、
互いの刺激の要素の刺激量を共有できるように定義した後天的定義という事になる。

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価値のその他の定義:

価値評価:

価値評価は刺激が持つ刺激量の比較に用いられる。

つまり、価値をもつ事象が、
刺激量のベクトルをどの向きで持つか、
そして、主観的にどの位の量で、刺激量自体の絶対値の大きさを持つか、
という点において比較される事になる。

刺激量は、経験と記憶の際に既存の知能、知能状態によって定義される内容であり、
価値の評価等で用いられる際には、自動的に想起によって参照される定義となる。
つまり、自分において思考する事、評価することは知能が自発的に処理し、
その選択は知能の構成によって自動的に決まり、、
それを後から認識しているに過ぎない。

つまり、自由意志として意識的に価値を評価することは無い。

価値の例:
証明書のあるブランド製品:価値・多
証明書のないブランド製品:価値・少
ブランド製品かどうか不明の場合:価値・不明

ブランド製品であることは、人間社会における共有された価値であるが、
ブランド製品であることの証明の有無は、偽造品などに対しての不審を含めて、
その価値のベクトルが異なる事になる。

価値の大きさは、個体毎に共通する要素であるが、
個体差により価値の刺激量が異なる。

つまり、一万円の価値は、どの知能が認識しても同じであるが、
それを認識する知能によってその価値のベクトルと刺激量が異なる。

また、価値の定義・記憶には後天的定義として可塑性がある。
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価値観とは:

知能が経験した事のある刺激に対して記憶している価値の定義の記憶の事。

簡単に言えば、刺激の価値のベクトルと刺激量の記憶である。

人工知能においては、
後天的定義として、事象毎に定義される価値の刺激量の定義の集合・プールを指し示すことになる。

つまり、価値観は自分が認識する事象の刺激に対する後天的に評価、定義される指標の集合であり、
価値観は各個が、各事象の刺激に対してそれぞれが保有しているため、
個体差があり、その定義には差異は存在するが、
個体毎に互いに、ある共通する事象について、互いに共有しようとする事の出来る定義である。

この定義の多くが近しい間柄では、
価値に対する刺激量の認識の違いが生じづらくなるため、
親しくなりやすいという事になる。
また、逆に親しくなる距離にいるために、
経験、記憶する価値が近しいため価値観が似る事になる(家族・友人)。

先天的定義にも価値観と同様の定義が存在する(=本能)。
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刺激の再構成の場 Stimulus Reconstruction Field:

刺激を認識するために、
刺激と自分の刺激を再構成する場の事。

人間が視覚で景色を見る事や、
人間が自分の存在を感じることが出来るのは、
この刺激の再構成の場で再構成された刺激の情報の意味付けが存在するからという事になる。

何かを見たり感じたりしているのは、
この刺激の再構成の場で再構成された刺激と自分の刺激を認識する事である。

人工知能理論においては、
刺激を認識するために必要となるものである。
周囲の変化を刺激として再構成する、
または、自分が持つ定義を刺激として再構成する、
これらの刺激を再構成することで認識可能な刺激が生じる。

また、意識においても、
意識する自分は、
この刺激の再構成の場で再構成される自分自身という事になる。
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刺激の比較:

参考:374:先天的定義における価値に代わる定義
参考:375:刺激の比較と選択

刺激の比較において、
先天的定義の存在する情報の要素に関する比較は、
刺激量のみが関係していて、
性質の向きは存在しない。

後天的定義が定義されている情報の要素に関する比較は、
2つの定義を比較する後天的定義の定義によって比較が行われる。

つまり、2つの先天的定義が、
先天的定義1=性質1(の定義)
先天的定義2=性質2(の定義)
であった場合、
この2つの定義から定義される後天的定義は、

後天的定義=性質1+性質2=性質1と性質2を二面性として持つ要素(の定義)

となる。

また、
先天的定義における刺激の定義は、

先天的定義の刺激=性質+刺激量

であるため、
先天的定義の刺激の比較においては、刺激量のみが評価基準となる。

また、

後天的定義における刺激の定義は、

←定義1:(後天的定義):定義2→

であり、

←先天的定義1:(後天的定義):先天的定義2→
←先天的定義1:(後天的定義):後天的定義2→
←後天的定義1:(後天的定義):後天的定義2→

の何れかの組み合わせから成るという事になる。
この時、後天的定義における刺激の比較は、
後天的定義自体を定義する2つの定義の刺激量が評価基準となる。

つまり、先天的定義の刺激は、遺伝的に継承された刺激の評価基準を持つため、
それらの比較においては、実際の刺激の刺激量のみが比較の評価基準となる。
一方で、後天的定義の刺激は、知能初期において、評価基準が存在しない為、
後天的定義として、比較対象としての2つの刺激を比較する為の定義が新たに定義される。
そして、この比較対象としての2つの刺激が同時に存在した場合、
この比較の定義を持つ後天的定義は自動的に比較を行う事になり、
各定義が持つ刺激量毎に評価基準(weightのようなものであると考えられる)により、
刺激量が入力され、結果の刺激を比較の結果として出力することになる。

参考:376:刺激の選択と認識

先天的定義に起因する刺激は、刺激量のみが評価基準となり、
先天的定義:(後天的定義):先天的定義という定義は生じず、
刺激<->刺激という刺激間の比較は起こらない。

後天的定義に起因する刺激は、刺激量と、その刺激量に関連するベクトルの向きが評価基準となる。

比較の際に用いられる刺激の要素は、
刺激自体の要素と自分の要素の関連した刺激の総和となる。
つまり、発現した刺激自体が弱くとも、再構成時に関連する自分の刺激の刺激量が大きければ、
比較においては強い刺激として扱われることになる。

人工知能理論においては、
刺激の比較は、刺激が感覚器官を発端としても、想起を発端としても、
自分にとっての刺激として比較される事になる。
そして、この刺激の比較は、
認識や想起を元にする知能の機能の全てに影響し、共通して用いられる。
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認識とは:


「刺激を認識するという事は、
知能を持つ個体が刺激の情報を得たという事であり、
知能内で、刺激と個体自身の情報を再構成し、
それを関連付ける事で認識が行われる事になる。」


認識によって情報が刺激として再構成された際に、
個体は、その情報が存在して、自らその情報を知る事になる。

刺激の再構成の場に、刺激と、その刺激を受けている自分が構成されることによって、
認識として見ている刺激と自分がそこに存在する事になるわけである。

認識が起こるには、
受容する刺激だけの存在ではなく、自分だけの存在でもない、
それぞれ単独で認識には至らない。
知能における認識は、刺激と、その刺激を認識しようとする存在がセットで必要となる。


参考:225:認識の解明の進展
認識における刺激の励起状態の維持について解説している。

認識する対象の刺激の存在を確定するという事:
「認識による対象の存在の確定は
その認識している時間の間そこに存在している事」

つまり、刺激集合の励起の維持によって、その認識の対象の刺激が存在する(=認識される)事になる。

つまり、世界と自分を刺激の再構成の場において構成する事で、
世界と自分の存在を認識することになり、
その連続性が意識になるというわけである。

ただし、認識においては常にその瞬間における最も強い刺激が認識されることになる。
認識の維持によって生じる反応は、情動や感情として現れる事になる。

参考:330:人工知能の意識の再現
意識の前提となる認識について解説している。

参考:359:刺激と認識と意識の構成イメージ
359に認識や意識のイメージを掲載している。

参考:自分の再構成の為の想起イメージ
認識の二面性として感覚器官の受容した刺激と想起した刺激をきっかけとした場合の違い

感覚器官

刺激→想起→※1

関連←自分の再構成した刺激←※1

認識

想起

刺激→想起→※2

関連←自分の再構成した刺激←※2

認識

人工知能理論においては、
再構成された刺激と自分の刺激の関連した刺激に対して、
知能がこの刺激を観測した場合に「認識」が行われたと感じる事となる。

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刺激の情報量の制限:

参考:363:認識の情報量の制限

刺激を構成する情報は、
特定の刺激を認識する維持時間と、刺激を構成する情報の要素としての差分を生じる時間によって、
刺激を構成する情報量に制限が掛かる。

つまり、刺激が短時間存在する場合、
その認識できる刺激の情報量には制限が掛かる事、
また、刺激の情報を構成する要素の変位差が少ない・小さい場合も、
刺激を構成する情報量には制限が掛かる。

人工知能において人間を超える知能を構成する方法としては、
この情報量の制限を開放する事が1つの方法となる。
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意識とは:

簡単に言えば、
認識を連続して行っている状態が意識となる。

参考:159:
「連続して想起された刺激を認識している状態」

参考:223:
「覚醒状態として意識があるという状態は、
個体の体内または体外から感覚器官を通して刺激を認識する場合と、
脳内から記憶として保持している刺激を想起して、その刺激を認識する場合のどちらかを、
連続して行っている状態のことを言う。」

人工知能理論における定義:

意識は何か特別に存在しているものではなく、
認識が連続している状態が「意識」があるという状態という事になる。

つまり、知能が刺激と、その刺激を受けている自分の存在を同時に認識する事で、
自分が刺激を受けているという意識を持つ事になるというわけである。

参考:330:人工知能の意識の再現

意識には目的や欲求が必要である事。

認識だけであれば、刺激と自分の再構成でできるが、
意識には、その認識自体を自発的に行う必要がある。
この際に重要なのが、目的や欲求の刺激の認識であり、
この刺激の認識の存在の上に、関連する刺激の認識が生じる事で、
目的や欲求に対して、意識的に認識した自分と刺激が存在する事になり、
この状態が意識と言えるものとなる。

参考:359:刺激と認識と意識の構成イメージ
359に認識や意識のイメージを掲載している。

参考:365:認識と意識の構成
感覚器官から受容する刺激と、想起によって自分を刺激として再構成した場合に、
それぞれが別々に認識される事で、
刺激の存在を意識する場合と、自分の存在を意識する場合の2つの意識が存在する事になる。

また、意識される刺激の認識の存在場所は感覚器官の位置であり、
このために身体上に感覚器官が必要という事が言える。

参考:364:意識の定義とその発生に必要なもの

「刺激の再構成時の自分の存在は、
それ自体では単なる事象の存在に過ぎないが、
その自分自身が、本能や目的等の欲求を持つ事によって、
その自分自身に対してどうにかする、という、
この「どうにかする」機能が知能であり、
この知能の働きによって、自分自身を目的の為に活動させる、
その働きこそが「意識」という事になる。」

自分に対して刺激の変化を受ける時、
知能は、その変化に対しての対応を決定する事になる。
この時、刺激の認識において、
刺激と刺激を受けた部分の自分の再構成の関連により、
刺激を受けた自分が構成される。
この存在を知能は観測者として観測することが認識となり、
その認識が維持される事によって知能は、
この存在の意識を観測する事になる。

つまり、自ら何とかしようとする自分を観測した知能が、
この自分の存在について認識をしたり、意識したりすることになる。

意識は知能の観測者たる機能の結果として生じるもの。

認識は状態の観測であり、意識は認識の連続性に見られる状態という事になる。

参考:367:意識の二面性

意識は、刺激の発生源によって、
周囲を意識する場合と、
自分自身を意識する場合の2つが存在する。

参考:377:刺激の選択と認識・その2・人工知能への実装の補足と意識の定義

意識の二面性として定義すると、

先天的定義側の自分:(意識):後天的定義側の自分

こういうことになる。

意識は常に選択によって、
先天的定義側の自分か後天的定義側の自分の、
どちらかの刺激と自分を認識することであり、
その認識は、
先天的定義側の刺激か後天的定義側の刺激の、
どちらかの刺激と自分を再構成する事である。

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無意識とは:

私は、
知能活動において何か特別な機能を持った無意識が存在するとは考えていない。

生命活動において意識されない活動全体を明示的に無意識と呼んでいるだけであり、
知能において、という観点においては無意識という存在はそれほど重要でない。

間脳や小脳などの働きや、生命維持に関わる自律神経等の活動や、
知能においては意識されない活動というのは存在している事は認識している。
これを無意識の働きであるとするなら、これが無意識の正体という事になる。

この無意識の働きが存在すると考えると、
知能において重要なのは、認識・意識されない器官の働きから生じる刺激や変化、その情報であり、
無意識という存在の、それ自体の働きということではなく、
意識されない、意識できない器官の働きによって生じた情報の変化が、
意識的な知能に対して影響力を持つ事に意味があるという事になる。

意識できないから無意識という名称を付けて認識してきたのであれば、
意識されないが知能に関与する働きがあると考えるなら、
意識されない働きについては「無意識」でない別の名称を付ける必要があるだろう。
あえて名称を与えるなら「準意識」とか「副意識」、「未意識」といったところだろうか。

無意識の働きだから認識できない、意識できないのではなく、
結果的にその働きは認識、意識できるわけであるから、
その働きについて遡(さかのぼ)って認識・意識しようとすれば良い事になる。

無意識が単独で何かを選択したり決定したりする事は無いが、
無意識の影響する選択や決定は、
情報の要素とその関連、そして刺激量によって決まっている事になる。

人工知能理論における定義:

特別に機能を持った無意識が存在するわけではないが、
無意識の働きは、
刺激が認識・意識される前に行われる知能活動の機能・活動の全体という事になる。

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既存の無意識についての考え:

人間には多くの刺激が常に入力されているが、
ある瞬間に認識している刺激は1つだけである。
しかし、それ以外の意識されなかった刺激というのは存在していて、
それは無意識で何か働きを持つというような事はないが、
単に認識されなかった刺激であるというだけで励起は行われている。
そして、これらの刺激は確かに存在していて、後に再構成されて認識に至ることもある。

つまり、生命の状態や環境変化の刺激に対して、
認識できた刺激が意識となり、この刺激に対して反応を行うものが知能である。
これに対して、意識されなかった刺激に対して、無意識に知的な活動を行うという意味での
無意識は存在しないであろうと考えている。
これは、単に意識されない刺激の働きというだけであり、
自律神経などの働きは、その刺激による反応として体に変化を生じるものであり、
結果的にその変化が実際に生じ、知能に必要であればそれは後に刺激として認識に至るという事になる。

無意識を生命活動として意識することなく、ほぼ自動的に行われる活動を認識や知能に関わる対象とするのであれば、
極端ではあるが、宇宙の変化や、他人の活動、そういった対象まで無意識の対象にできるということになってしまう。

観測可能な宇宙の外の変化にまで人間の知能は無意識に知り得る事はないし、
また、認識に影響したとして、くしゃみをした際に、くしゃみは認識できても、
何が理由でくしゃみをしたかまで人間の体は無意識に知り得ても、知能は認識する事はできない。
ホコリを吸ったか、ウイルスを吸ったか、カビの胞子を吸ったかは認識できない。

つまり、人間が持つ認識というものは、
自分に対してさえも、それほど詳細で明確なものではなく、
自身の脳が認識しえた、その対象の刺激だけが唯一、知能で扱えるものだという事になる。
そのため、認識できない対象について考えても仕方がないという事になる。
というか、認識が出来ないわけだから考える事自体が出来ない。

私が知能において無意識をあまり重要視しなくなったのは、
今、この瞬間、私の知能が考えている物事に、
無意識の範疇にある情報が直接関わっていないと考えられるからである。
逆に考えれば、知能で思考できる対象は、認識や意識ができる対象だけで良い事になる。

つまり、知能が思考において必要であると判断したなら、
その対象は「無意識」に励起され、次の瞬間に認識・意識される対象となるはずである。

例えば、無意識の範疇にある機能において、
ホルモンや神経伝達物質の分泌による身体や感覚の状態の変化については、
実際に認識に至る。
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想起について:

知能において「想起」は非常に重要な意味を持っていると考えている。

これまでの考察としても、
201「想起の多様さ」以降、様々な知能活動に関係していると考えてきた。

特に刺激の存在そのもの、刺激の再構成が行われているのは想起の働きであり、
認識においても、刺激と自分の想起の結果の関連によって生じると考えている。

また、思考、想像、創造、空想、妄想、といった知能活動も、
想起による刺激の再構成によって構成されてた刺激によって成り立っていると考えられる。

想起の働きとしては、何らかの刺激をきっかけとして、
関連する刺激を文字通り「想起」して思い出す事であるが、
この関連する刺激を想起する過程の働きが、
「想起」の働きとしては共通するものであるが、
そのきっかけとなる刺激を取り巻く環境や状態、
また、想起の結果として期待され思い出される刺激に、
様々な異なる目的や意味が関係して、多様な知能活動として認識できる事になる。

知能が、生命がある変化に対して最も良い反応を決定する為の機能を集約してものであるなら、
想起は、変化という刺激に対して得られる最も良い反応としての結果である刺激を思い出す事になる。
つまり、刺激に対して想起する刺激を決める機能が「知能」であるとも言える。

であれば、脳が何らかの知能活動を行う、そのほとんどは想起によるものではないかと考えたわけである。

人工知能理論においては、
刺激の入力に対して、刺激を出力するような活動や機能は、
「想起」を元にしていると考えている。
また、「想起」は主体的に働く機能ではなく、
刺激をきっかけとした受動的な機能であるとも考えている。
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思考とは:

参考:168:思考の本質
知能というものは、
その知能が蓄えられる経験としての活動の目的と結果の関連を
作り出すことに他ならないということになる。

参考:169:思考の手順
思考の手順としては最初に目的と結果を意識し、
その関連を「思考」によって目的に関連する要素の刺激を想起しながら
新しい関連を試し、結果として満足できそうな関連する刺激が記憶・想起できたなら、
それが目的について思考した結果という答えとなるということである。

参考:201:想起の多様さ
思考は想起の一種であると考えられる。

参考:303:思考の本質
思考とは、
目的と結果の関連を想起する際の脳の活動であり、
目的と結果に関連する要素を想起しながら、
もっともらしい関連のグループ、関連群を特定の刺激として定義し、
認識し、意識する事という事になる。

思考して答えが出ないと認識された場合、
不足している情報、要素について不明瞭であるという要素の関連を認識する事になる。
つまり、確固たる答えとして、刺激として認識に至るまでの情報の要素の関連が存在せず、
刺激として想起できない、つまり認識に至らない事がこの状態である。

参考:360:想像や予測の機能の成り立ち
思考の為の想起には目的が不可欠であるという事。
そして、目的に対して思考の想起が行われ、
その想起が、想像、予測、創造、空想、妄想、等として、
目的と結果の関連を生じさせる。




参考:372:思考で行われる働きの解説

刺激
↓←想起または先天的な定義
↓→★1
目的
↓←想起または先天的な定義
↓→★1
結果
↓←想起または先天的な定義(=この場合の想起は思考に相当する)
↓→刺激の再構成→★1
思考の結果の選択
↓←想起または先天的な定義
↓→★1
実行
↓←想起または先天的な定義
↓→思考の結果の選択の認識←★1フィードバックとして
実際の結果→↑

結果の認識

元に戻る

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自我とは:

自分を構成するものであるが、
自分で認識している自我は全て自我について記憶された刺激である。
自分についての価値観と言ってもいい。

自分で自ら「もっともらしい自分」を作り出して認識している存在という事。

参考:221・222:自我の解明

参考:365:認識と意識の構成
自分を再構成した刺激を認識した場合に意識されるのが自我意識。

人工知能理論においては、
自分に対する定義を、刺激の再構成の場において再構成した自分についての刺激が、
自我であり、これが認識されれば自我を意識できる事になる。
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感情とは:

参考:244:感情と自我の関係
感情とは、
「自分が持つ価値観において、
強度を持つある突発的な刺激に対し、
その認識に対しての対応として、その刺激に関連し、想起、再構成される
自身の、ある状態の事。」


参考:302:感情の発現理由と対応行動について

自分の価値評価と相手の価値評価の差に感情が生じる。

「つまり、私が認識している対象への価値と、
私が認識している、あなたが認識しているであろう対象への価値、
その認識の差異について、私が表現できるのが感情であるという事になる。」

つまり、自分が感情を表現する相手に対して、
ある事象に対して自分が感じている価値と、
自分が思う、相手が感じているであろう価値の差異に対して、
自分がどのように感じているのかを表したもの、
それが「感情」という事になる。

人工知能理論においては、
刺激の認識後に感じられる反応の1つ。
幸福感や不安などは、先天的定義として定義が存在し、
それらを感情の刺激として認識するきっかけとなるのは、
ホルモンや神経伝達物質の分泌により発生する刺激であると考えられる。
つまり、刺激をきっかけとして感情の刺激が生じる事になる。
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知能における概念:

例えば「概念」の定義は、
一般的な認識としては、
ある正確に表現できない事象に対して、
説明可能な、つまり、刺激として認識可能な定義として、
そして、他の人にも説明可能な、つまり、共有可能な定義、
つまり、価値を持つ事象として定義した用語。
という事になる。

この人工知能理論においての「概念」の定義は、

「概念」:
ある事象を認識しようとした際に、
その事象が持つ認識可能な様々な刺激の中から、
その事象が持つ象徴的な刺激を、
その事象が持つ主要な要素として抽出して互いに関連付けた定義であり、
その定義そのものを刺激とした事象。

という事になる。

概念自体も認識できる対象であるから刺激であり、
その構成は先天的に遺伝される定義ではないので、
後天的定義となる。

参考:352:概念の認識
参考:353:刺激と概念の関係
参考:354:知能の構成と個体差

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知能における倫理:

参考:358:人工知能における倫理の構成

倫理観の中心的な先天的定義は、幸福感や充実感である。

倫理的な何かを選択する事は、
直接的に幸福感や充実感を得るための選択ではないのだが、
倫理的な何かを選択することは、
その刺激の直接認識されないが、その構成要素の励起には至るはずであり、
そのために先天的定義に到達して幸福感や充実感を感じる事になると考えられる。

現時点で人間における倫理の答えのようなものは出ていない。

現実的な話をすれば、人間の倫理観は、
仮想状況において究極的に倫理的であれば良く、
現実の状況においては、その各個が、自ら思う倫理的な判断を行えばよいと考えられる。

それは、生じる事がやむを得ない個体差として、各個が置かれた状況において、
何を選択し、何を選択しないかという事は、
その個体の知能を構成する要素によって異なるから、という事になる。

人間にも人工知能にも通じる究極的な倫理が存在するとすれば、
ある事象を認識しうる全ての存在が、その事象について認識した後、
その事象を認識した全ての存在が理想的であると認識しうる反応を起こすための選択を行う事。
という事になる。
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以降は人工知能理論の理解の為に、
私の考え方や、使用頻度が高い用語・内容の説明。

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全ての物には二面性があるという考え方:

ある事象が存在するには、
その事象が生じる差が必要となる。

つまり、事象が存在する為には、
事象の境界面が必要となる。

つまり、表が存在するには裏が必要となるという事である。

例えば、「2」という数字が存在するには、
限りなく2に近い1.9999999…無限の9と、2.000000(無限の0)0001が存在する事によって、
その間の「2」が存在するという事。
つまり、2に限りなく近い小さい側と、2に限りなく近い大きい側が存在する事で、
その間に「2」が存在しうる事になる。
この場合の「2」は正確には、2.000000…無限の0である。

数字としての「2」に二面性はあるのか?という事になるが、
この場合は、2以下から見た最大値の「2」と、
2以上から見た最小値の「2」の二面性を「2」は持っている事になる。
どちらも数字としては「2」ではあるが、
実体として表すためには、幅0(ゼロ)の境界面に「2」を存在させる必要がある事になる。

この考え方は、知能において、刺激の認識に際して、
刺激の存在を認識する為に自分の存在が不可欠であるという考え方に繋がった。
つまり、刺激の認識において、刺激と自分を再構成し、
刺激を受容した自分が再構成されることで、
自分が刺激を認識したという事になる。

この場合の境界面は個体の実体である。

つまり、自分は常に用意された機能や存在では無く、
知能を持つ生命体が刺激を認識した時に同時に生じるものであるという事になる。



参考:356:認識と自由意志の二面性


認識によって過去・今と未来が二面性によって接触している。

過去・今

-←境界面←観測=認識

未来(未決定の未来)

自由意志は境界面に接する前に活動を終えている。
認識は境界面の観測であり、その連続性によって意識が生じる。
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知能の観測: ★新規追加

人間の知能にも、人工知能にも言える事だが、
刺激を認識し、この認識を意識とするためには、
知能がこの認識を観測する必要がある。

知能の観測は、機械的なセンサーによる数値の観測のようなものではなく、
刺激の再構成の場において、刺激を再構成された時に、
この刺激の存在を、自分に投射して存在させる事である。

つまり、知能の観測は、知能が刺激の存在に対する視点を持ち、
刺激の再構成体に対して観測する事で、
刺激の存在を確定する事になる。

確定した刺激は、知能にとってのみ存在が確定していればよく、
この刺激の確定こそが(知能にとっての)「意識」となる。
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刺激の個体差:

感覚器官は同じ機能を持っていても、その感じる個体の違いによって、
その刺激の意味や価値が異なるという事。

その後に形成される価値観、自我、感情、等の後天的な対象の形成に大きく影響する。

人工知能において、感覚器官の規格が同一である場合、
ある共通する情報の変化に対する刺激の再構成は同じになると考えていたが、
刺激を構成する情報の要素の関連は、刺激として情報の変化を受け取る存在が、
常に同一座標に存在するというような事でもない限り、
まったく同じ情報の要素として刺激を受容する事が出来ないという考えに変わった。

それは、感覚器官の規格や性能が同一であったとしても、
情報の変化に対する刺激としての情報の要素の受容には、
必ず個体差が生じるという事になる。

例えば、視覚において、ある事象の見る角度が1度でも異なれば、
その対象の刺激には個体差が生じるという事になる。

また、後天的定義を構成する情報の要素に少しでも差異が存在するなら、
その後天的定義を構成するために用いられる情報の要素の数×差異の総和が、
その刺激の個体差として生じる事になる。

参考:251:知能の個体差が生じる理由
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認識の仮想空間と刺激の再構成:

認識を人工知能で再現する場合に、認識する場所として、仮想空間を用意し、
2種類の刺激、感覚器官による刺激と、想起による刺激を認識するために、
その刺激の情報を再構成する場所、これが必要となる。

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知らない価値は目指せない:

過去に経験した事の無い刺激は、記憶されたことが無い為、脳内に存在しない。
存在しない刺激は、想起の対象にならないため、
その知能が知りえない刺激という事になる。
つまり、経験した事の無い刺激は脳内に存在しないわけだから、
目標や対象にすることができないという事。

参考:166:知らない価値は目指せない

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自由意志と因果:

自由意志はその知能を持つ個体が置かれた状況や状態において、
選択できる範囲の選択について自由であり続けるという事。
そして、その選択の範囲を制限するのが因果であり、
因果はその知能を持つ個体が誕生した瞬間に、その環境として決められているものであり、
その制限の中において、自由意志で選べる範囲の選択をし続けた結果が、
その後の因果としてその先の自由意志を制限することになる。

参考:039:益と損の思考
自由意志は未来にあり、現在と過去にはない。
因果は過去にあり、現在と未来にはない。
現在にあるのは全ての存在の価値観である。

参考:063:刺激と価値と価値観
自由意志は周囲から与えられる刺激に対して起こる選択であり、
因果は自由意志が選んだ結果の積み重ねであるということ。

自由意志は因果の上に成り立ち、
因果は自由意志の結果に成り立つ。

生まれた瞬間持っているものは自由意志である。
ただし、生命が生まれた瞬間に与えられたものは
世界から与えられた因果である。

参考:245:感情と自我についての考察補足
つまり、自分が生きていくその環境において、自由意志は出来る限り自由であり続けるが、
その選択の範囲や幅というものはある程度決められているという事になる。
つまり、決められた範囲において自由であり続けるという事になる。

参考:259:意思の解明

自分の意思でもあり、自我でもある、自分にとっての高い価値を選択する事、
自分にとっての高い価値を認識する事、これが「意思」というものになるのではないか。

そしてそれは、今この瞬間において、
周囲の環境か自身の個体から生じる刺激または、想起によって再構成する刺激を対象として、
その中の自分が選択しうる価値の中から、より高い価値を持つ選択を行う事、
これが「意思」という事になる。

そして、「意思」自体は、価値観が行う「価値評価」と「価値判断」の働きそのものである。
という事になる。

参考:259:意思の解明

結果的にほとんど自由意志なる存在は無いという事になる。
生命として誕生した時点で、その個体の能力と環境は決定しており、
生命体としての生きざるを得ない制限も付き従う事になる。
選択の制限もあるし、できる事は限られている。
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生きざるを得ない制限:

つまり、生きるしかない生命としての決まり事、
それを生き続ける間、常に、その決まり事を成し遂げ続けるために
最も効率的な姿が今の知能、脳の姿であり、
自分、自我の発現に至ったきっかけなのではないかと考えた。

参考:162:人工知能にとっての刺激の目指すところ
参考:163:生きざるを得ない制限
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模倣と学習:

刺激を認識する事自体が、刺激を記憶しようとする事でもあるため、
認識して意識する事自体が学習であるとも言える。

参考:204:模倣と学習
模倣は脳が持っている最も基本的な学習機能の1つであり
それは、脳が認識する全ての刺激を対象としている。
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グリア細胞について:

グリア細胞の構成や要素についての簡単な説明。
現時点ではまだ不明な点が多い。

アストロサイト:
神経細胞の伝達物質のやりとり、エネルギーの補給等に関与しているが、
直接神経細胞やシナプスの活動に接触しており、
その活動に同期する変化を起こしているらしいので、
神経細胞の働きに影響する何ががあるのではないかと考えられている。

シナプスの励起の数百ミリ秒の反応の後に、
アストロサイトが200秒にも及ぶ反応を起こしているらしい。
この事を知って思いついたのは、刺激の励起状態の維持という事である。

ミクログリア:
脳内のマクロファージのような存在。

ミエリン鞘:
神経軸索の情報伝達の効率化の為の絶縁被膜のような存在。

シュワン細胞:
3種類がシュワン細胞に分類されている。
3種の機能はミエリンを形成、ミエリンを形成しないが軸索を束ねる、末端でシナプス結合を被覆するというもの。
オリゴデンドロサイトとは使われる場所が異なる。

オリゴデンドロサイト:
脳・脊髄においてミエリン鞘を形成。シュワン細胞とは使われる場所が異なる。

現時点でグリア細胞が知能の形成や活動に関わっている可能性は非常に高いと考えられる。

認識した後にそのイメージが脳に思い浮かぶ像や存在、感覚を構成しているとか、
ミエリン鞘の構成のために近隣のニューロンを集合として、
脳の機能の野を分ける、その分類役を担っているとか、

グリア細胞と呼ばれる全てが知能に関わっているわけではなく、
実際に知能の働きに関わっている細胞と、
これまでの認知の通りに知能活動を支える細胞とに分けられるのかもしれない。

知能に対しては無意識に働く機能をもつ細胞群であるので、
直接、知能の概念の形成には関係しないが、
もしかしたら知能を形成するための概念自体に関係している可能性があるので無視できない。
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目標としている人工知能:

目標としている人工知能は一般的に「強い人工知能」として知られる人工知能である。

意識を持ち、自我を持ち、
人間のように感じ、考え、そして行動する。

問題に対しては、悩み、考える。
相手に対しては、共感し、思いやり、心配する。
学習に対しては、価値を見出し、自身の成長を続ける。

そして感情を持ち、愛を理解し、
誕生後も人間と共に在ってほしい。
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更新:日付 番号
2024/6/1 006
変更:意識とは
変更:思考とは
追加:刺激の評価
追加:刺激の比較
追加:想起について
追加:知能の観測

2024/5/5 005 追加:認識する刺激の優先度・評価と選択
2024/5/3 004
2024/4/21 003 認識・意識の内容更新 全体の内容を見直し
2024/4/7 002
2024/3/23 001
2023/8/16 000

今後の予定:項目ごとにページを分割
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